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ずっと大切にしたいあの言葉①~形で日本一になった先生のかっこよさ~

 口に出すとすぐに消えてしまう言葉。でも、ずっと心に残り続ける言葉もあります。時にはその言葉が、自分の考え方や生き方に大きな影響を与えることもあるでしょう。私にもそんな言葉がいくつかあります。それらの言葉をこれからちょっとずつご紹介していきたいと思います。読んでくださった方の元気や勇気に少しでもなれたら幸いです。

 
 「こんな柔道家になりたい。」私が30代の頃、ある先生の言葉を聞いた時、そう思いました。当時、私が形(かた)を教わっていた先生が、形の全国大会で優勝されました。先生は、おそらく60代の中盤から後半くらいだったと思います。私はとても嬉しくて、先生にお会いするとすぐに「日本一おめでとうございます。すごいですね!」と申し上げました。その時の先生の言葉が今でも忘れられません。 


 「おお、ありがとう。とても嬉しいよ。でもね、すごくはないよ。柔道という限られた世界の中の話だよ。その中で更に限られた『形』という分野の中で、たまたまその日、自分たちの出来が1番良かったと評価していただいただけだからね。柔道、形がうまい人は山ほどいるし、頑張っている人はもっと沢山いる。自分はこれからも稽古を続けるだけだよ。」


 日本一になっても全くおごることのない先生は、その日も黙々と汗をかきながら稽古をされていました。そんな先生のお姿を見て、道を究めるとはこういうことなのだと感動したのを覚えています。稽古を続けることで達することができる境地、見える景色なのかもしれません。こんなかっこいい柔道家に私もなりたいです。


「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館


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