深谷太陽農園 農場長 岩井翔

埼玉県深谷市で深谷ねぎを作っています。 健常者2人と障がい者9人という、障がい者が主と…

深谷太陽農園 農場長 岩井翔

埼玉県深谷市で深谷ねぎを作っています。 健常者2人と障がい者9人という、障がい者が主となる農場で、 約100,000㎡の畑を耕し、離職率0%を実現している 中で得た、気づき、学びのお話し。 人生に悩み、もがき、苦しんでいる人の支えになったら嬉しく思っております。

マガジン

  • 障がい者の職場定着化・戦力化

    障がい者10人と健常者2人という組織体制で、 約100,000㎡の畑を耕し、年間で150万本の長ねぎを生産し、 売上約3000万円を実現しております。(現在も拡大中) 立ち上げから5年で約20倍もの規模拡大ができているのは 「障がい者を戦力化」することができているからです。 そんな会社の5年間の物語をまとめました。 あなたのなんらかの生きるヒントになれば、と思っております。

最近の記事

高単価で大量に野菜を売る方法

「高単価」と「量販」 なかなか両立が難しいことであります。   野菜であれば、 高単価で販売をするためには、 オーガニックや高糖度、直接お客様に売るなど、 いわゆる付加価値をつけて販売をしていくことになります。 それ自体は頑張ればできることでありますが、 ただ、それを量販していく、となるとなかなか難しいことであります。 自分一人だけの給料を稼ぐのであれば、まだハードルは下がりますが、 家族や従業員を抱えた場合、ある程度の量販が必要であり、 そのハードルはかなり高いものにな

    • 適度な縛りと自由で、チーム力をあげる

      深谷太陽農園では、「土曜日出勤」は、個人の自由、判断に任せております。 基本的には従業員は土日休み(祝日は出勤)の週休2日です。 ただ、私はほぼ毎週、土曜日も出勤をしており、何かしらやる仕事はあるので、 他の従業員については、「出勤したい人だけきて」 という状況にしております。    そのため、毎週、金曜日になると、 けっこう、みなの間で、「あした(土曜日)出勤しようか、どうしようか」 という葛藤が生まれております。   私としては、あした誰が出勤するのか

      • 日本でいちばん大切にしたい会社

        「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 というのがあります。    「人を幸せにする経営」をしている会社が大賞に選ばれるそうです。 言葉で言うのは簡単ですが、実践をするのは非常に難しいこと。 ここでいう人とは、1従業員とその家族、2外注先・仕入先、3顧客、4地域社会、5株主 の5者を指すそうです。 人を幸せにしていれば結果的に業績も上がるはず。とも書いてあります。   まさに、これらは深谷太陽農園が目指していることです。 リーダーである私と人事部長の田中で

        • 精神障害を乗り越える

          精神障害とは、精神疾患のため精神機能の障害が生じ、 日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことをいいます。 あくまで個人的な統計ですが、 精神障害は後天的の場合が多いように感じます。 成人してから、仕事のプレッシャーによる、過度のストレスなどにより、 それまではいわゆる健常者として生きてきた人が、 「障害者」になってしまうケースであります。 うつ病といわれる状態は、その一歩手前であり、 さらに言うと、うつ病と精神障害の違い、差は、 精神障害の「申請をし

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        • 障がい者の職場定着化・戦力化
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        記事

          組織を運営する上で大事なこと

          現在、深谷太陽農園には、11人の障がい者従業員がおり、 それを、私と田中の2名で指示、管理しながら、 13万㎡もの畑で深谷ねぎ、キャベツ、さつまいも、お米を生産しています。 さらに、今週は3名の埼玉県職業能力開発センター の障害者委託訓練事業で 障がいのある人の職場訓練の受け入れを行っております。 ただでさえ、狭い作業場、事務所なので、 合計16名となると、もう「動物園」のような状況です。(笑) 人とネギで(笑)ごちゃごちゃしてて、私と田中の2名では、まともに指示

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          数字(金)より大事なこと

          深谷太陽農園では、 農家として独立できる力を身につけて欲しい、という想いから、 作業の段取りや人員配置等、私からの指示ではなく、 みなで考えて決めてもらうようにする機会を多く作っています。 栽培管理については、まだまだ私が指示することが多いですが、 特に冬場の深谷ねぎの出荷作業については、皆に任せていることが多く、 出荷をしなければいけない得意先、数量を明記したうえで、 畑から収穫→調整作業(皮むき)→出荷という一連の段取りを 10人いる従業員のうち、だれが、

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          薬だけに頼らない

          薬の作用を勉強してみました。 すごーーーーーく、簡単に言ってしまうと、 精神障害って、 精神の好不調に影響する物質=セロトニンの分泌に異常がきたして、 精神に不調が起きてしまうようです。 そして、そのセロトニンを増やすのが、抗うつ薬などの薬の効能になります。 今回、T君は薬の副作用で調子を崩してしまっております。 なので、薬ではなく、セロトンの分泌を調整することができないか、、 調べると、、 「太陽の光を浴びる」 「適度な運動をする」 ことで、セロトンが

          本気で障がいと向き合う

          先日、「体調が悪いから休みます」という記事を投稿しました。 その翌日T君は無事出勤できました。 特に問題ないな、また頑張っていこう、と思っていたのですが、、、 どうやら一筋縄ではいかなく、 T君の体調がなかなかよくならない、のです。 そして、今までは、障がいからくる鬱状態のことが多かったのですが、 今回はなんか違うような気がしていて、、、 彼自身、本当に頑張ろうとしているけど、 本当に吐き気や眩暈などの身体的な不調が体に表れているようなんです。 調べていくう

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          体調が悪いから今日は休みます。

          今日、うちのT君が早退をしてしまいました。 朝は何も問題なく出勤をしたのですが、午前中10時過ぎでしょうか。 強烈に胃が痛くなり、吐き気をもよおしてきたようで、 早退を申し出てきました。 この時、すごく悩むんです。。。 彼は精神障害を抱えています。 4年前に入社し、入社したはいいが、週1回出勤が限界で、 1か月以上、出勤できない時期もありました。 しかし、彼との対話と続け、根気よく接していくうち、 少しづつこれる回数が増えて、 2年ほど前から、ある程度毎日

          体調が悪いから今日は休みます。

          離職率0%の理由

          深谷太陽農園では2016年から現在まで4年以上、 障がい者従業員の離職率が0%です。 人は増えていて、2016年が4人、今では9人になりました。 なんで辞めないんだろうなーと、私としてもふと疑問に思う時もあります笑 だって、残業はさせるわ、重いものは持たせるわ、 暑いわ、寒いわ、汚いわ、臭いわ、と 職場環境として、決していい環境が整っているわけではなく、 むしろ職場環境は悪いほうであると思います。 さらに、精神障害を抱えている子に、「頑張れ! 諦めるな!」と叱

          無料戦略の本質

          「無料にすればあとから売れる、わけではなく、購入する理由を残した因数分解」が」必要。 西野亮廣エンタメ研究所での学びから 深谷太陽農園でも、こういった戦略に取り掛かりたいのですが、 西野さんが言うに、まず、大大大前提として、 作品(商品)の力がなければいけない。 真っ向勝負(有料勝負)で勝てる作品(商品)を無料で提供するから、 広告効果がある、というようです。 深谷太陽農園では、まだ広告戦略を仕掛ける段階ではなく、 この商品力を徹底的に強化をする、 という段階

          想われる場所を作る

          想われていないサービス(商品)は「いずれ価格勝負で負ける」 #西野亮廣エンタメ研究所 の学びを実践します。 ただでさえ自然と対峙する農業という不確実な仕事において、 西野さんの言う「商品の販売代金だけ」で経営をするのではなく、 「想われることで収入を得る」はとても大事であるように思います。 西野さんはさらに、それができれば、「販売代金を安くできる」という強力な手札をもつことができる、とも言っております。 深谷太陽農園は巡り巡って、たぶん日本で誰も挑戦していない、た

          想われることで生まれる売り上げ

          #西野亮廣エンタメ研究所 で学んだことを実践していきます。 深谷太陽農園は深谷ねぎを作り、販売をすることで売り上げています。 自然と対峙する農業という仕事は決して簡単なことではなく、 ましてや近年の異常気象でこの道何十年のベテランの農家さんでも、失敗をしてしまう非常に難しい仕事であります。#決してラクな仕事はないが そんな状況でも、売り上げを作り、利益をあげていなければならず、できなければ抱える従業員を路頭に迷わせてしまいます。 こんな状況で、さらにコロナ時代である

          想われることで生まれる売り上げ

          新規就農

          日本一の長ねぎ産地、埼玉県深谷市にて 2015年、たった5反(5000㎡)の農地を地主さんから借りて農業をスタートしました。 立ち上げ当初は、長ねぎではなく、ほうれん草や小松菜、春菊、ピーマン、椎茸などなどいろいろな作物の栽培を行っておりました。しかし農業と一言で言っても、作物によって作り方は全く異なり、全てにおいて収量も品質も中途半端な生産しかできませんでした。 そこで、2016年の途中から戦略を「深谷ねぎ」1本の生産に絞り、品質、収量ともに「イイモノ」を作るべく、再