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エンゲージメントカード

こころの教育

中高の教育に関わって思うのは、教科で学ぶことはもちろん大事。
そしてそれと同じく、こころの教育も大事と常々思う。

そこで導入しているのが、エンゲージメントカード(価値観カード)

エンゲージメントカード

こんな感じで、価値観がかかれたカードが約90枚あり、その価値観カードを使って、自己分析、他者からの自分の姿、クラスメイトとの関係づくり、など色んな活動を行う。

1学期 現在の自分

今の自分はどんな価値観を持っているのだろう?
大事にしていることは何かな?

2学期 未来の自分

3年後の自分には、どんな力がついているのだろう?
今と変わらない?それとも、新しく得たい力があるかな?

3学期 過去の自分

この1年、学校で過ごしてどんなことに気づいたかな?
勉強だけじゃなくて、学校は人付き合いも学ぶ場、
ギクシャクしたり、楽しかったりと色んなことがあったと思う。
学校生活を通して、勉強や人間関係で大事と気づいたのはどんな価値観?

手順

①3~4名グループ作成
②アイスブレイク
③カードを5枚ずつ配布
④カードを1枚とっては、1枚『手放す』
(カードはクラスメイトに隠しながら行う)
※最初は自分で考える時間を多くとりたいので、自分のカードはメンバーに見せない。

⑤カードを1枚とっては、1枚『手放す』
(カードをクラスメイトに見せながら行う)
指示:クラスメイトがどういうカードを選び、どういうカードを手放すかを観察しよう。

⑥カード終了⇒分析
6-1 まず5枚のカードから3枚、その中でも大事なものを選ぼう。
6-2 その3枚を残した理由をグループメンバーに伝えよう。
6-3 では、次はグループメンバーのカードをみて、その人らしさが1番良く出ているカードを「せ~の」で選び、一言ずつその理由を伝えてください。
そのカードが他者からみた「あなた」の特徴です。
6-4 振り返りましょう。自分との対話、他者の観察、他者からみた自分について、色んな気づきがあったと思います。それを振り返り、感想を書いて提出してください。

盛り上がる時!

カードでテーマに従って、分析するのだけでも関心度が高く、盛り上がるが、分析時の質問6-3「そのクラスメイトらしさをあらわすカードの指差し」が、さらに盛り上がる。

より詳細な指示としては、このような形。

【指示(4人グループ)】
では、Aさんのカードをみてください。
BCDさんは、Aさんが選んでいるカードの中から、
確かにAさんは、その通り!そのカード通り、と思うものを「せ~の」で指さしをして、簡単になぜかを伝えてください。

まず、カードゲームをしている時点で、Aさんの手元には、Aさんの価値観が反映されている。そして、BCDさんはそのAさんの価値観から、Aさんらしさを選ぶという形。

つまり、AさんのAさんらしい良い部分を伝えるのと同じ活動。
承認欲求というか、やはり、誰かに認めらえるという経験は嬉しく、なおかつ大事。それをクラスメイトから、言語化されていうのだから、もちろん嬉しい。

クラス中で、
『照れる~』『はずかしい』『うれしい』『ありがとう』
の声があふれ出す。

クラスメイト同士が認め合う瞬間をみているような気持ちになる。

そしてこのカードを使った最後には、必ず。

「人はみんな違います。学校のクラスでは、みんなが気持ちよく学べる環境をみんなで作り上げてください。他人を否定しない、他人を認める、そういう気持ちを常に持って過ごしてください。」

という言葉を投げかける。

SDGsを含めて、世の中には色んな社会問題がある。そういうものを学ぶのは大事ではあるが、思春期まっただなかの10代の生徒たちの心の成長も同時に大事。

生徒たちからの評判もなかなかなので、今後も続けたい。




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