見出し画像

何もしないでボーとする。

NHKで世界の人々がコロナの中、どんな生活をしているか伝えていた。

のぞいてみたコロナ時代を生きる知恵。
マレーシアでは自宅でダンスするのが大流行していたり、イタリアではパンをこねて、叩いてストレスを発散していた。

なかでも私の一番印象に残ったのが

オランダのニクセン。


何もしないでボーとする。


「これはいい」

ネットで調べてみた。

lifehackerより
オランダの概念「niksen」に学ぶ「何もしない」方法

デンマーク語で「心地良さ」を意味する「hygge(ヒュッゲ)」や「ちょうど良くバランスのとれた人生」をすすめるスウェーデン語の「lagom(ラゴム)」といった北欧圏の言葉が、ちょっとした流行り言葉となっています。

こうした言葉は、あなたをより素晴らしい人間に変えてくれる幸せな人生術を伝えていると謳われます。ですが、幸せ探しよりも、むしろ頭の中で鳴り響くしつこい声を無視する方法を知りたいという人は、少し南に目を向けてオランダ語の「niksen(ニクセン)」に注目してみてはいかがでしょうか。

niksenとは、オランダ流のストレス軽減方法で何もしないことやのらくらすることを意味します。筆者がniksenという概念に出会ったのは、Olga Mecking氏が書いたWoolly Magazineの記事でした。その記事の中では、ストレスや燃え尽き症候群の改善に取り組む団体「CSR Centrum」でコーチを務めるCarolien Hamming氏がniksenについて「窓の外を眺めたり、ぶらついたり、音楽を聴いたりするように、目的を持たずに何かをする」ことだと説明していました。つまり、niksenを実践するには何も実践しないのです。

niksenとは、次に何をすべきかをずっと考えたり、やるべき仕事を次から次へとこなしたりせずに、すべてをスローダウンすることです。つまり、Mecking氏も書いているように、現代社会に充満する「仕事と生産性に囚われた状態」から一息つくということです。

オランダ語には、何もしないことに対する文化的偏見が色濃く見られます。たとえば、有名な「Niksen is niks」という格言は、「何もしないことは何の役にも立たない」という意味です。また、よく聞く「Doe gewoon normaal」という別のオランダ語は、「普通でいよう」という意味ですが、実質的には、忙し過ぎない程度に忙しくして、休み過ぎない程度に休むことをすすめるものです。そして何よりも、怠け者になるな、というニュアンスがあります。生産的になりなさい、役に立ちなさい、と言っているのです。
その考え方は、おなじみものものではありませんか? 米国の人たちも、効率と生産性を高めろ、人一倍がんばれ、もっと熱意を持て、と絶えず言われ続けています。

Hamming氏から送られてきた電子メールには、こんなことが書かれていました。「(niksenという)言葉には、ややネガティブな意味合いが含まれます。月曜日に『週末はどうだった?』と訊ねあう時に『できるだけ何もしないようにしていた』と答える人はいません。聞こえが良くないですからね」

Hamming氏は、次のように述べています。「私たちの内なる声は、常に『何か役に立つことをしなさい』と言っています。あなた自身のために、家族のために、世界のために…。ですから、niksenを実践するのは本当に大変なことなのです」

hyggeという概念が魅力的なのは、それが快適さを意味するからです。けれど、niksenにも独自の魅力があります。Mecking氏は次のように書いています。

私にとって、hyggeはたしかに快適ですが、時間をとられ過ぎるような気もします。キャンドルに火を灯し、毛布と部屋着を買い、自分のくつろげる空間に他人を招き入れなければなりません。
私はむしろ、ひとりきりの時間を幸せに思うタイプです。ですから、内向的で静かな性格の私は、niksenのほうに惹かれるのです。
niksenは「マインドフルネス」に似ています。「マインドフルネス」という言葉は、ここ数年で数え切れないほどの自己啓発書や記事で取り上げられてきました。ですが、niksenはマインドフルネスとは違って「特定の瞬間にとどまり、自分の周囲を意識しなさい」と言っているのではありません。「何もしないことを自分に許し、心のなかにある罪悪感や期待を手放してしまいなさい」と言っているのです。

「健康でいるためには、定期的にniksenを実践することが大切だと思います。起きている状態で行なう、一種の心の休養と回復のようなものです」とHamming氏は語っています。

「何もしない」という概念は、オランダ人が発明したものではありません。哲学者や作家は何世紀も前からその効用を褒めそやしていますし、ほかの文化圏にも同様の状況を指す表現があります。たとえば、イタリア語の「dolce far niente」は「無為の楽しみ」を意味します。Mecking氏の体験によれば、最高の記事のアイデアがひらめくのは、niksenを実践している時なのだそうです。シャワー中や単純作業中に「ひらめきの瞬間」を体験したことのある人なら、その効果はご存じでしょう。

何よりも大切なポイントは、それは怠惰とは違うということです。Mecking氏も指摘しているように「人生の休息を徹底的に楽しむ」ということなのです。

Hamming氏は次のように述べています。「自然界では、ほとんどの動物が一生の3分の2にあたる時間を何もせずに過ごしています。動物たちは、あくびをし、周りを見渡し、ちょっとした食事にありつけるまでの間、座って待っているのです。ですからniksenは、生きものの自然なありようだと思います」

「納得した。人間もただの生物だ。子どもの頃から目標は?夢は?と大人にせっつかれてきただけ」

コロナで世界中の人が、生き方を見つめ直す時間を得た。

ゆっくり行こう。




読んでくれた

あなたに

感謝します

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?