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腹筋を割る方法【科学的解剖学的アプローチ】

僕の出している動画の中で人気のあった「科学的解剖学的アプローチ」シリーズのnote化です。文章だと、音声を出して動画を見ることが難しい状況でも自分のペースで読むことができ、確認したい部分を再度読み返すことも容易なので、過去の動画の紹介も兼ねて記事に起こしていきたいと思います。

しばらくの間、外出自粛により自宅で過ごす時間が増えると思います。ジムに行けずトレーニングができなくても、今のうちに知識をインプットしておくことで再開後のトレーニングはより充実したものになるはずです。そのお手伝いが少しでもできれば幸いです。


腹筋とは?

まず、腹筋と言うのは4つの部位で成り立っており、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋で構成されています。今回説明するのはその4つのうち「腹直筋」の鍛え方についてです。

「腹筋を割るためのトレーニング」などの解説がよくありますが、そもそも腹筋は誰でも割れており、体脂肪で隠れて見えない状態です。なので「腹筋を割る」ためには、まず「体脂肪を落とす」ことが必要になってきます。体脂肪を落とせば誰でも腹筋は割れて見えます。

「腹筋をすればお腹周りの脂肪が取れて筋肉が盛り上がって割れる」のではありません。減量時に体脂肪がエネルギーとして使われる場合、動かした部位の脂肪から使われるのではなく、全身の体脂肪が使われます。また、体の表面からは「皮膚→体脂肪→腹筋」の順番なので、いくら腹筋を鍛えたとしても体脂肪を減らさない限り腹筋は割れて見えません。

参考動画:【夏にも間に合う】"腹筋が割れたいい体"になるために大切なこと!【筋トレ】

ただ、腹筋が大きく溝が深い方が、体脂肪を落とした時によりはっきりと割れて見えるので腹筋を鍛えることも当然大事になってきます。


腹直筋

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・肋骨から恥骨にかけて4〜5段にかけて分かれている
・よく"6パック"と言われるが、パック数(分かれ方)や形、付き方は生まれつき決まっていて鍛えれば増えたり変化するものではない(左右対称の人もいれば非対称の人いるし、1つ1つが離れている人もいる)
・大きい筋肉に思われがちだが、体積は上腕二頭筋のおよそ半分。表面積は広いが、かなり薄い筋肉
働き
・背骨を曲げる
・呼吸の補助
・腹圧の維持、姿勢の維持(姿勢を真っ直ぐに保つ)
 →スクワットやデッドリフトなどのコンパウンド種目で使われる

よくある間違い

股関節から曲げてしまっている

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背中がまっすぐ・骨盤がニュートラルのまま股関節から曲げてしまうと、大腰筋を使いやすくなってしまいます。

しっかりと背骨を曲げる運動を行うことで、無理に状態を起こさなくても背骨が曲がっていれば腹筋を使います。

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フィニッシュポジションではしっかり背中を曲げて骨盤を後傾させます。

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なぜ背骨を曲げて骨盤を後傾させるのか?

冒頭で説明したように、腹直筋は肋骨から恥骨にかけてついています。この2点(起始と停止)を伸ばして近づけるのが腹筋運動なので、しっかりと近づけるためには背骨を曲げて骨盤を後傾させる必要があります。

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背骨がしっかり曲がっていないと腹筋は使われません。アブローラー、ケーブルクランチなど、どの種目でも同様に背骨を曲げて行いましょう。

参考動画:【筋トレ】アブローラーの正しいやり方【腹筋】


僕の経験談

僕自身フィジークに出場していた時(2017年)、腹筋に特化したトレーニングはしていませんでしたが、スクワットやデッドリフトなどで使われるためしっかり筋肥大しました。なので初心者や中級者の場合は腹筋種目をやらなくてもSQ、DLである程度筋肥大効果は見込めると思います(2017年の大会後から腹筋のトレーニングを取り入れました)。
中級者以上や、コンテストに出る方は腹筋もしっかりトレーニングした方が良いと思います。現在はパワーリフティングメインのトレーニングを行なっていますが、アブローラーや加重プランクがメニューに入っています。

腹筋FAQ

Q.腹筋は毎日してもいいですか?
A.腹筋も他の筋肉と同じで毎日行うとオーバーワークになるので週に2〜3回でOKです。ただ、腹筋は表面積は大きいものの、薄く体積が少ないのでセット数を少なめ・比較的頻度高めでもOKです。しかしオーバーワークには気をつけましょう。腹筋運動でよく使う椎間板は回復が遅いため、48時間は間隔をおいた方が良いです。スクワットやデッドリフトでもアイソメトリック(等尺性運動:筋肉の長さは変わらないが負荷はかかる)で腹筋を使うので、1回の腹筋トレーニングでは合計60レップ以内のボリュームを推奨(ex.1セット10レップなら6セット以内)。*参考


Q.腹筋は高回数でやった方がいいですか?
A.他の筋肉と同様に、腹筋も「漸進性過負荷原則」の考え方で、負荷を上げて鍛える必要があります。基本的には1セット8〜12回。クランチなどは可動域が狭く1レップあたりの時間が短いので、TUT(Time Under Tension : 筋肉の緊張持続時間)が40秒になるように少し高回数(12〜20回)でセットを組むと良いです。


Q.おすすめの種目は?
A.背骨をしっかりと屈曲させ、腹筋に負荷がかかり、負荷を上げやすい種目…アブローラー、加重クランチ、レッグレイズなどがおすすめ。自重のクランチだとある程度トレーニングを続けている人であれば20回以上が余裕で行えるのでその場合は加重したり負荷の高い種目に変えるなどしましょう。

腹筋を割る方法【科学的解剖学的アプローチ】前編

腹筋を割る方法【科学的解剖学的アプローチ】後編


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