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子どもに「AIって何?」と訊かれたら…親子で学べる絵本『ルビィのぼうけん AIロボット、学校へいく』

フィンランドの著名なプログラマーで作家のリンダ・リウカスさんをご存知でしょうか。

さまざまな形で子どもや女性がプログラミングを学ぶ機会を提供していて、プログラミングが21世紀の教養で、創造性の源になると強く信じている方です。リンダさんの講演動画「子供に楽しくコンピューターを教えるには」は1,800万以上も視聴されています。

小学校でプログラミング教育が始まりますが、このことに限らず、これからは人間はコンピューターとともに歩んでいく時代です。

大人は子どもがスマホを使うことを禁止してしまうこともあるかもしれませんが、リンダさんはスマホなどコンピューターこそが子どもたちの可能性を広げる最も強力なパートナーだと考えています。そうした姿勢や考え方に共感を覚える方もいるのではないでしょうか。

そんなリンダさんが描いた絵本が、親子で楽しくプログラミングやコンピューターについて学べる「ルビィのぼうけん」シリーズ。想像力と好奇心にあふれた女の子・ルビィがいろんな経験をしながらコンピューターにまつわる知識を深めていく物語です。

これまで翔泳社では、プログラミングの考え方を取り上げた『こんにちは!プログラミング』、コンピューターの動き方をテーマにした『コンピューターの国のルビィ』、インターネットの仕組みに触れられる『インターネットたんけん隊』の翻訳版を発売してきました。

そして2020年3月24日(火)には、最新刊となる『ルビィのぼうけん AIロボット、学校へいく』を発売。いまや皆さんの周りにありふれているAI(人工知能)をテーマにした物語で、AIロボットに子どもたちがいろんなことを教えてあげる姿を絵本にし、AIがどのような仕組みで賢くなっていくかを描いています。

「コンピューターって何?」「AIって何?」と子どもに質問されてすっと答えられるのは理想ですが、親子で一緒に勉強するのもまた望ましいことでしょう。本書には練習問題もたくさん掲載されているので、物語を通してAIについて学んでいくことができます。

今回は本書から、リンダさんが保護者の方に向けて綴った想いを紹介します。子どもたちの好奇心に応えるためには、大人も学び続けることが必要なのではないでしょうか。

以下、『ルビィのぼうけん AIロボット、学校へいく』(翔泳社)から一部を抜粋します。掲載にあたって内容を編集しています。

保護者の方へ

人工知能(AI)は、すでに私たちの生活を動かしています。子どもたちは、コンピューターが耳を傾け、返事をし、おすすめを教え、予測をし、新しいことをすばやく覚える世界で育つのです。

AIは、私たちが気づくことさえなく手元のスマートフォンを便利にしたり、インターネットの体験を向上させたりしています。

ますますテクノロジーが重要になっていくこの世界では誰もがコンピューターがどのように学び、AIに何ができて、人工知能の倫理上の課題は何なのかを理解する必要があります。

子どもたちとAIについて話さなければいけません。子どもたちは、彼らの人生と未来に影響を及ぼすものごとについて、知る権利があるからです。

この本は、人工知能の一分野である機械学習に焦点を当てています。機械学習は問題解決のためのツールの1つです。

この本は大人と一緒に取り組むようにつくってあります。物語を通して読んでもいいですし、2、3ページめくってみてもいいです。最後のれんしゅうもんだいから解いてもかまいません。

「おどうぐ箱」には、各章のテーマの、保護者の方に向けた補足情報を載せています。

れんしゅうもんだいを何度もやってみましょう。いくつかのれんしゅうもんだいは、スマートフォンのアシスタント機能を使っても挑戦できます。

子どものペースに合わせましょう。物語を楽しむ子もいれば、れんしゅうもんだいをやりたい子もいます。一番大切なのは、すべての子どもたちがそれぞれ、この本から夢中になる何かを1つ見つけられることです。

巻末には用語集があり、関連する概念をすべてリストアップしています。ルビィのぼうけんシリーズのウェブサイトで答えのヒントや、ダウンロードできる教材を見つけることができます。

AIは目覚ましい速さで開発されています! 未来のAIは犬のようでしょうか、それとも幽霊、友達、助手、はたらきバチ?

私にはわかりません。でも、私が子どもたち─小さなバレリーナや生物学者やそのほか─に言えることは、未来のAIの世界に、胸を張り、希望を持って向き合えばいいということです。

必要なのは好奇心に満ちて、実際的で恐れを知らない態度、それだけなのです。

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リンダ・リウカスさんとは?

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フィンランド、ヘルシンキ出身のプログラマーであり、作家であり、イラストレーターです。

ルビィのぼうけんのアイディアは、2014年にキックスターター(Kickstarter)で発表され、たった三時間と少しで10,000ドルの目標金額を達成。プロジェクト進行中に、キックスターターで最も資金を集めた子ども向けの本の1つとなりました。

シリーズ第一作目『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』は2016年、第二作目『ルビィのぼうけん コンピューターの国のルビィ』は2017年、第三作目『ルビィのぼうけん インターネットたんけん隊』は2018年に出版されました。

ルビィのぼうけんシリーズの版権は、2019年時点で25か国以上に販売されています。2017年には、ルビィの遊び心に満ちた教育哲学が、中国で最も大きなデザインの賞、DIA(Design Intelligence Award)の金賞、2018年にはドバイ国際博覧会賞(the Dubai World Expo grant)を受賞しました。

リンダはコンピューターサイエンス教育の世界での中心人物の一人です。彼女のTEDでのトーク、「子供に楽しくコンピューターを教えるには」は、1,800万回以上再生され、2018年にはフォーブスで、ヨーロッパの技術分野の女性のトップの一人に選ばれています。

リンダは、Rails Girlsの創始者の一人でもあります。Rails Girlsは、あらゆる場所で若い女性にプログラミングの基礎を教える世界的な運動です。ボランティアで組織され、ここ数年で300もの都市で開かれています。

リンダはまた、プログラミングを21世紀の教養であり、創造性を形づくる言葉でもあると信じています。私たちの世界はますますソフトウェアによって動かされるようになっています。すべての子どもに、もっとプログラミングを知る権利があるのです。そして、物語は子どもたちにテクノロジーの世界への扉を開く1つの方法です。

リンダはアールト大学で経営、デザイン、エンジニアリングを学び、スタンフォード大学で製品開発を学びました。

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