パロディという名の反省文?『ロマンティックじゃない?』
ハリウッドから節目節目に届く、当りまえ映画界スタンダードを皮肉り壊すパロディ映画。
ただ今回は、過去のラブコメ作品を引き合いに出して笑うだけではなく、製作者たちが観客側に歩み寄って「今まで数々のラブコメたちがご迷惑おかけしました」という反省の念もじんわり感じてしまう。そんな作品をひっそり1人で観賞。
全国平均より太い女性がリアル現実からラブコメ映画的世界に舞い降りるのです
そういう設定ね、じゃあ少しは期待してるけど冷めた目で見るからね、というこちら側の気持ちを察しているかのように、丁度良い湯加減で物語は進みます。きっちりツボは抑えつつ力は入れ過ぎないマッサージみたいかな?
脇役たちは身も心もラブコメ仕様に変身し、1人現実思考を貫く主人公をうんざりさせます。
そんなこんなで、中盤以降すっかり安心しながら観てしまい、随所にアハッ、ウヒッ、とちょっと昔のラブコメを見たことある人なら飽きずに楽しめます。
まあでも、期待通りで可もなく不可もなく、面白いけどやっぱりパロディするならこんな感じだろうな、と終盤へ。
そしたら皆さん、アッと驚くまさかのどんでん返しで大感動ですのよ
ではなく、
何となく分かってたけど主人公と相手役の好演と粋な演出に思わずにグッときます。
はしゃいで創っていたラブコメバブル期の作り手達に成り代わり反省しつつ「今までのラブコメを無駄にしない!」との愛も感じ取れて、何とも清々しい映画でございました。
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