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原発性リンパ浮腫

原発性リンパ浮腫とは、生まれつきリンパ管の機能が悪いことで、リンパ液の流れが悪くなりリンパ浮腫になることです。

私も生まれつきの原発性リンパ浮腫患者です。リンパ管の輸送機能が悪かったり、リンパ管自体が形成されていないなどで、左足に疾患があります。指先からお尻までリンパ浮腫があり、正常な右足との左右差もあります。原因は不明で、今もリンパ浮腫と上手に付き合いながら生活しています。

今回は、原発性リンパ浮腫について記事にしています。

本記事の内容

・原発性リンパ浮腫とは

・リンパ浮腫には大きく分けて3種類ある

・原発性リンパ浮腫の治療法

原発性リンパ浮腫とは

全国に3,000〜4,000人いると言われる原発性リンパ浮腫。先天性のリンパ浮腫で、遺伝子の異常が原因とは言われているが、詳しくはわかっていません。手や足にリンパ浮腫が現れ、特に足の片側に症状が出る患者さんが多いです。

私の場合は、生まれつき左足に浮腫があり現在もむくみはひどいです。左右差があるためリンパ浮腫の大きさに合わせてズボンを履くため、ウエストはダボダボになってしまいます。蜂窩織炎もよく起きるため皮フの状態は悪くなる一方です。進行を遅らせるために、毎日の圧迫治療やスキンケアをすることで症状は少しずつよくなっています。

原発性リンパ浮腫では主な合併症がいくつかあります。

蜂窩織炎

細菌が皮フの下の皮下脂肪にかけて入り込むことで起こる皮フの炎症になります。皮フが赤く腫れ、痛みを伴います。私の場合は、太ももやふくらはぎの辺りが張った感じを覚えます。そのあと、体がだるくなり徐々に熱が出てくるといった感じです。蜂窩織炎の起き初めは、体の震えも止まらず痛みで全く動けません。

蜂窩織炎は、体のどの部位でも発症する可能性はあるが足から症状が出る方が多いです。感染症ではありますが、人に移るものではないので安心してください。

象皮病

リンパ管やリンパ節に寄生するフィラリアが体に入り込むと、何度も炎症を起こし、ひどい場合はリンパ管が破裂します。リンパ管が壊れると水分が吸収されず、結果むくみに繋がります。

フィラリアのみの感染だけでなく、がんの手術によってリンパ管がキズつけられても象皮病を引き起こします。むくみがひどくなると、組織の中のタンパクが変形し、脂肪と一緒に組織化してしまいます。極端に大きくなった足は、皮フが象の足のように盛り上がることからこの名がつけられました。

皮フ潰瘍

正常な皮フであれば、キズができても感染、血管障害から体を守るために皮フを再生します。しかし、リンパ浮腫の患者は蜂窩織炎などの炎症を繰り返すことにより、皮フがダメージを受けキズが治りにくくなります。私も、何度も蜂窩織炎を繰り返しているためキズができると治りにくく、いつまでも出血をしている状況が続きます。

軟膏で治療するほか、潰瘍が広い範囲に及ぶ場合は手術で皮フを移植するなどして完治を目指します。

皮フ色素沈着

静脈の血液の流れが悪くなり、毛細静脈が詰まることがあります。皮フが赤黒くなり、色素が沈着してしまいます。部分的に症状が出ることもあれば、足全体など広い部分で黒ずむこともあります。

リンパ浮腫には大きく分けて3種類ある

リンパ浮腫には生まれつきのものや、がんなどでリンパ節を切除したことで起こるもの、太りすぎによって起こるものがあります。また、心臓や肝臓などからくる全身性の浮腫、立ちっぱなしをしているとむくみが徐々に現れてくる局所性のもの、がんの治療によってリンパの流れが悪くなる継続性のものがあります。

原発性リンパ浮腫

生まれつきリンパ管の発育や機能が悪いことで起こるリンパ浮腫です。リンパ管自体が作られなかったりすることで、むくみを引き起こす原因不明な病気になります。

継続性リンパ浮腫

乳がん、子宮がんなどの治療においてリンパ節を切り取ったり、放射線治療の際にリンパ管がキズついたりして起こる局所的なむくみになります。がん治療後にリンパ浮腫になることが多く、リンパ浮腫の9割がこの継続性リンパ浮腫にあたります。

生理的リンパ浮腫

正常なリンパ管を持った健康な人でも、体重が増えることでリンパ管が圧迫され、リンパ液の流れが悪くなることでむくみになります。立ちっぱなしなど、職業的に足に負荷がかかる方もリンパ浮腫になりやすい特徴にあります。

原発性リンパ浮腫の治療方法

早い時期から保存的治療を行うことで、リンパ浮腫の進行を遅らせることが重要です。保存治療と合わせて、LVAなどの外科治療を行うことでより高い効果が期待できます。

リンパドレナージュ

脇や鼠蹊部のリンパの流れをよくすることで、体全体のリンパ液の流れがよくなります。皮フの表面をずらすように、ゆっくりと揉みほぐすようにしてください。お風呂上がりなどの入浴後は、血流がいいためより効果が得られます。

圧迫療法

弾性包帯や弾性ストッキングを使用し、圧迫することでリンパ管から漏れ出したリンパ液を、リンパ管に戻すため行います。24時間圧迫し続けるのが好ましく、仕事をしている時も寝ている時も圧迫するようにしてください。


弾性包帯

エアボウェーブを使用し、その上から弾性包帯を巻くことで圧力が持続します。エアボウェーブにはマッサージ効果もあるため、ご自身のサイズにあったものを着用されることをお勧めします。


弾性ストッキング

日中では弾性包帯では可動域が狭くなり、かさばるので弾性ストッキングを使用します。足先から心臓への血液が戻る手助けをしてくれます。長時間着用していてもムレにくく、比較的履きやすいのが特徴です。

スキンケア

リンパ浮腫になると患部は感染に弱くなり、蜂窩織炎がたびたび起こる傾向があります。乾燥して患部がひび割れの症状を起こすと細菌が入り込みやすくなるので、これを予防する必要があります。

ヒルドイドローションなどの保湿効果のあるものを使用し、皮フの乾燥を防ぐようにしましょう。

LVAーリンパ管静脈吻合術ー

リンパ浮腫患者の外科治療で一番多いのが、このLVAになります。リンパ管と静脈を結ぶことで、流れの悪いリンパ液を静脈から心臓に向かって流してあげる手術になります。局所麻酔で行うこともできるため、体にかかる負担も少ないです。

私も3回LVAを受けた経験がありますが、術後は特に痛みもなく普段通り生活できます。現在では、術前の検査で静脈やリンパ管を特定できるため、手術の成果が上がっています。

https://shoberuppe.com/rinpa-lva/

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