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【アメリカ大陸縦断記 Day108🇨🇱】パイネWトラック3日目 美しい景色を共有できる相手がいる喜び
1/16(月)
朝6時に目が覚める。相変わらず風は強くて建物の壁がガタガタと音を立てながら揺れている。それに加えて雨が屋根を叩く音がする。「ちゃんとしたら雨具持っていないから雨の中歩くのは嫌だな」と止むことを願って再び目を閉じる。
AirPodsの片耳が無いかもう一度確認して「やっぱり無いか…」と少し落ち込んだ状態で9時すぎに出発。ドアを開けると太陽の光の中でさらさらの雨が降っていた。お天気雨というやつだが、すぐに止みそうなので気持ちも晴れた。
少し前を歩いていたらエルに追いついて一緒に歩く。「パタゴニアは天気が変わりやすいからよく虹が見れるらしいよ、今日も見れるといいね」と彼女が言ったまさにその直後、目の前に虹が現れた。今まで見た中で最も低い場所に架かった虹だった。
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Italianoキャンプ場にバックパックを置いてMirador Francés、Mirador Británicoへの登山開始。雨のおかげで空気はとても澄んでいて、鮮やかな青空にちょうどいい気温と完璧なコンディション。彼女はAmazonに2年間勤めていたが、毎日コンピューターとにらめっこする毎日に違和感を感じて退職したと言っていた。退職して旅に出た理由や、ロンドンでのシティライフなど共感できることがたくさんあった。一昨日と昨日は1人で黙々と歩いていたので時間がとても長く感じられたが、誰かと話しながらだと気づかないうちに結構進んでいるし、何よりも美しい風景をその場で共有できる相手がいるのがいいよねと話していた。
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スタートからフランセス、フランセスからブリタニカまでそれぞれ1時間ほどだったが、さほどきつい坂はないし、川を横目に雪のかかる山を望みながら森の中を歩くのはとても爽快で楽しかった。下山時も「オランダは小さい国なのにどの国でもオランダ人観光客を見る」とか「イギリスの郷土料理として半分ジョークでカレーが挙げられる」とか終始話していた。
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Italianoキャンプ場に戻って少し休んで後Paine Grandeキャンプ場に向けて出発。天気は引き続き素晴らしかったが、風がかなり強くて湖には海のように波が立っていた。昨日に比べると距離は短く2時間ほどで到着。建物の中に泊まるエルとハグをして別れてキャンプサイトにチェックインをした。
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敷地内で自由にテントを張るスタイルで「ここ空いてる?」と男性に声をかけると「もちろん!」と返してくれて、続けて「どこから来たの?」と聞かれた。「日本だよ」と言った瞬間に彼の顔に満面の笑みが広がった。「アニメめっちゃ好きなんだよね!日本にすごく行ってみたいんだ!」と言ってくれた。ワンピーストークで一気に仲良くなった彼はチリ人のベンジャミンで、友人のクラウディオと一緒にテントの設営を手伝ってくれた。おかげで初日は1時間以上かかったのがすぐに終わってとても助かった。
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食堂でサンドイッチを食べていると昨日に続いてアメリカ人イギリス人カップルに遭遇。親切にもワインをシェアしてくれて少し話した後、フェリーとバスでプエルトナタレスに帰る彼らとハグをして別れた。
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シャワーを浴びてテントに戻り寝袋を広げると失くしたと思っていたAirPodsの片耳がコロッと出てきた。ここ最近で一番嬉しかった。テントの中は日光が当たって暑いので、太陽が山に隠れるまで外のテーブルで日記を書いている。書き終えると太陽は山の向こう側に隠れていたのでテントに戻った。その後食堂で明日の朝昼のサンドイッチを用意して21時前には寝袋にくるまった。
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