見出し画像

【旅日記】パリ一人旅 Day3

2022/9/7(水)

今日も6時に目が覚めた。1時間くらいぐだぐだした後散歩へ。少しひんやりした空気の中、生ゴミの臭いが鼻につく。イヤホンをして音楽を聴きながら歩くが、何気ない音も今ここでしか味わえないものだと思い2曲くらい聞いた後に外した。時折細い路地に入ったりしつつ歩き続け30分ほどでホステルに戻った。カウンターで朝食セットを頼む。クロワッサンとコーヒーで3ユーロ。昨日の1日を振り返りながら日記を書いた。

11時くらいにニックとヤンがチェックアウトをするためにレセプションにやってきた。今日の予定を尋ねると、夕方にTGVでストラスブールに向かうのでそれまでブラブラ観光するつもりだと言った。自分も夕方に空港に向かう予定だったので一緒に出かけることにした。特に行きたいスポットはなかったが、サクレ・クール寺院に行こうとなった。チェックアウトが12時までなので一度ドミトリーに戻って荷物をまとめ再びロビーに戻った。2人と話している人がいたので挨拶すると、イギリス出身の彼は同じ部屋に泊まっていたらしい。1泊だけで昨日自分が帰ってきたのが遅かったため気づかなかった。「はじめまして」と「よい旅を」が同タイミングになることは旅あるある。

荷物を地下のロッカーに預けて出発。Googleマップで調べるとザクレクール寺院までは2番メトロで15分で行けるがせっかくなので徒歩で行くことに。道中ではやっていたスポーツの話、ドイツでプレーする日本人サッカー選手の話、アルバイトの話、留学していたときの話(ニックはオーストラリアのパースに3ヶ月留学していた)などをしていた。「そもそもなんでフランスに留学したの?」と聞かれて「もともとは第二外国語を選ぶときに女の子が多いっていう理由でフランス語にしたことがきっかけ」と答えたら2人とも爆笑。そんな軽い気持ちでフランス語を選んだのに、まさか留学に行くとは思いもしなかった。一昨日も昨日も1人で黙々と歩く時間が長かったが、やはり誰かと一緒で話しながらだと退屈しないし、見ている景色について感想を共有し合えるのでとても楽しい。

時刻は12時を過ぎお腹が減っていたので先にお昼を食べようとなった。自分はGoogleマップで先に目星をつけた店に向かうが、今回は歩いている中で良さげなお店が入ったらそこに入ろうというexploreスタイル。途中で4年前にパリに来た際に泊まったホステルの前を通って懐かしくなった。そのホステルでは看護師を辞めて世界一周をしている26歳の日本人女性に出会ったが、当時21歳だった自分も気づけば同じくらいの年齢になっていて時の流れを実感した。

サクレ・クール寺院に近づくとインド系の住民と観光客向けのお土産屋が多くなった。レストランもいくつかあったが観光客向けであんまりだということで少し奥の方まで歩き続ける。良い感じのピザ屋があったのでそこに入った。パリでのランチを三日連続でケバブに捧げることは回避したかったので一安心。種類がたくさんあって迷ったが、マッシュルームとクワトロチーズに惹かれてレジーナを頼んだ。親の仕事の話になり、ヤンの父親は医者、ニックの父親はコンサルタントだと言っていた。2人とも医学部生だけあってやはりいい家庭なんだなと納得。ちなみにヤンはハリーポッターのロン役のルパート・グリントに、ニックはNetflixのダークというドラマの主人公のルイス・ホフマンにめっちゃ似ている。

Pizza Regina 14€

お昼を食べた後はサクレ・クール寺院へ。平日だが多くの観光客で賑わっていた。アメリのワンシーンを思い浮かべて一人テンションが上がった。上に登ると何やら人だかりができていて、その中心では1人の男性が歌のパフォーマンスをしていた。Despacitoを歌っていたが人を惹きつける歌声でとても盛り上がっていた。高台からの景色を眺めて寺院の中を見て回った。

寺院を後にして道を進むと石畳の道にイギリス風の建物が並ぶ光景が現れた。ここらへんはMonmartreというエリアでアメリの舞台にもなっている。おしゃれなブティックが立ち並ぶ代官山のような雰囲気で、観光客というよりも地元の人で賑わっていた。お昼を食べたレストランを出るときに店員さんが「Bonne journée」と言ったのを聞いたニックが「何て言ったの?」と尋ねたので、意味と発音を教えると「ボンジョフネ ボンジョフネ」と歩きながらずっと練習していて面白かった。

アメリが働いていた Café des Deux Moulins

Blanche駅で2番メトロに乗りCouronnes駅で降りた。ニックとヤンがコーヒー飲まない?と誘ってくれたが、空港が混むことを想定して早めに行くために断った。一緒に飲んだり観光したりして3日間とは思えないほど仲良くなった気がする。同じドミトリーでよかった、ありがとうと握手をして別れた。

空港まではOpéra駅から出ているバスで行こうと思い、最後なのでOpéra駅まではパリの風景を見ながら自転車で行こうとしたがカゴにリュックが入らなかった。2番メトロで行こうとCouronnes駅に行くがアナウンスが流れて何やら騒がしい様子。近くにいたマダムに何が起こったかと聞くと2番メトロが止まっているとのこと。こういうのも旅っぽくて悪くないと思いつつ、11番メトロに乗るためにBelleville駅まで雨の中を歩いた。結局電車で空港まで行くことにしたのでGare du Nord駅でRER B線に乗り換えた。窓から見えるパリ郊外の風景は、どんよりとした曇り空と落書きがひどい壁で構成されていてリアルな生活感が漂っていた。行き先が分岐する駅で乗っている電車が空港行きでないことに気がついて慌てて降りた。

空港の手続きは全然時間がかからなかった。お腹が空いたので何か食べようと見てみるが、スーパーで売っているようなお寿司が25ユーロとかでさすがに高いので諦めた。だいぶ早い時間にゲートまで来てしまったので、ソファーでくつろぎながらパリのそれぞれの区の特徴について調べていた。パリに住む日本人のブログで「11区はここ最近若い世代に人気」「16区は昔ながらの高級住宅街」などと書かれているの見ると、ここも行っときゃよかったなぁと今更ながらに思った。

(搭乗のアナウンスが始まったので日記を締めようとペンを走らせる)

6区の美しい街並み、りんごを必死に売りつけてきたマグレブ系の若い兄ちゃん、街角のブラッセリー、「ライター持ってない?」と道で声をかけてきた初老の男性、生ごみのきつい臭い、車がパンクして途方に暮れながら電話する男性、水面がキラキラ光るセーヌ川、訛りが強くて何言ってるかわからないホステルのスタッフ…

代わり映えしない毎日から少し抜けて非日常を求めてやってきた。写真を撮っても日記を書いても残せないくらいの膨大な情報が絶え間なく五感を通じて体内に入ってきた。異なる文化、美しい光景、素敵な出会い…最高な3日間だった。また来ます!

(ペンと日記をリュックにしまって飛行機に乗り込んだ)

À bientôt !

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?