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【アメリカ大陸縦断記Day15🇨🇺】タバコ農家での素敵な出会い/キューバ人に深く根付くダンス

10/15(土)

ホステルは今日までなので荷物をまとめてチェックアウトし、その後タクシーでビニャレスに向かう。フランス人のアドリアンとベロニカと一緒のタクシーだったのでフランス語で話していたが、時々何を話しているか分からなくてアドリアンに「T’as compris?」と聞かれるのが悔しかった。高速道路をひたすら西に進んでいくが、窓から見える景色は乾燥した草原と青空だけだった。

高速道路からの景色

3時間ほどでビニャレスに到着。カサはスペイン風の建築で色鮮やかだ。まずはお昼を食べることに。客引きについて行ってメニューを見せてもらう。値段を確認するとハバナとは違って安いのでそこに入った。ビールを3杯飲んで気持ち良くなった状態で17時ごろレストランを後にする。ビニャレスの観光スポットとしてcueva(洞窟)があり、そのうちの1つが歩いて15分ほどなのでそこを目指して歩き始めた。

お昼を食べている間にスコールがあったので、土の道はぐちゃぐちゃで赤茶色の泥が靴について重くなっていく。少しすると男の子を連れて歩いていた男性が「さっきの雨のせいで渓谷に行くのは難しいよ。少し歩くとうちのプランテーションがあるから見に来なよ」と話しかけて来た。ハバナで客引きについていくと最終的にチップを要求されたり一杯奢ってと言われてきたので、「チップ払う必要がある?」と前もって聞くと「何言ってんだ、チップなんていらないよ。」と言ってくれたのでついていくことにした。  

農場に着くと鶏や馬、豚に牛など様々な動物がいて、まずはその説明をしてくれた。続いてタバコとコーヒーをどういうプロセスで作っているのかを説明してくれた。コーヒーを実際に飲ませてくれたが、味がしっかりしていてとてもおいしかった。目の前でタバコを巻いてくれて試してみなと言われたが、タバコを吸わないので最初は躊躇していた。しかし、せっかくなので経験として吸ってみると、なかなか気持ち良くて30分くらい吸い続けていた。

農場に来たときはみんな「チップなんて払うか」という感じだったが、この頃には「美味しいコーヒーを煎れてもらって、目の前で作ったタバコを吸わせてもらうっていうのは、まさにキューバでやってみたかったことだし、そういう体験をさせてもらっているのだから、あとでチップを払おう」とみんなの意見が一致していた。

その後も広大な農園を案内しながら一つ一つ丁寧に説明してくれた。このプランテーションは今の農園主のおじいちゃんがスペインから移住してから代々経営しているとのことで、一緒に住む家族は皆温かくてフレンドリーだった。おじちゃんと葉巻を吸いながら日本から来たことや、ここでの暮らしについて色々と話すことはとても楽しく、スペイン語が話せることでこうして心を通わせられることをとても嬉しく感じた。

気づけば2時間以上経っていて、真っ赤な夕日が空にかかっている。最後にお礼のチップを渡してハグをして別れたが、ほんの数時間しか滞在していなかったのにもかかわらず長らくお世話になったホストファミリーと別れるような寂しさを感じた。

すっかり暗くなったボコボコの道をスマホのライトで照らしながら歩く。「ハバナみたいな都会よりもこういう田舎の方が人も穏やかだしよりローカルな体験ができていいね」とか「今はネットによって事前に色々調べた上できっちりプランを固めてから動くことが多いけれど、こうしてその場の流れに任せた結果思わぬ出会いがあるっていうのもいいね」とか話していた。

明日ハバナに戻ってもう一泊したらキューバを去るが、こういう素敵な出会いがまだまだ眠っていると考えるともっと長くキューバにいたいと感じた。

カサに戻ってからはバルコニーでチェアに座りながらアドリアンと話していた。アドリアンは「今日は自分がキューバに期待していた体験ができた」と語り出し、「彼女と別れ、友人を亡くし、仕事もうまくいかず…家でダラダラとNetflixを観るような怠惰な生活が続いていたんだけと、一度全てをリセットするために旅に出ると決めたんだ」と言った。

ホステルを選んだのも世界中から集まる旅人との出会いがあるからで、これまでの旅先だと軽く自己紹介をしてすぐさようならを言うような浅い関係で終わってしまうことが多かったが、今回のハバナのホステルは一緒に出かけたりご飯を食べたり多くの時間を共に過ごして、Shoのような素晴らしい友達にも出会えて本当に嬉しいよ」と言ってくれた。アドリアンの言葉を聞いてとても嬉しかった。

途中で2回停電があったが、そのおかげで満点の星空を見ることができたり、電気が復旧すると住民の喜ぶ声があちらこちらから聞こえてきたりして、「物質的に豊かなことだけが幸せじゃないよね。自然と触れ合うことや人とのつながりだったり、このキューバの旅で大切なものは何かを改めて考えさせてくれたよね。」と熱く語っていた。

カサのバルコニー

21時ごろに夕食のためにレストランに行くが、ウェイトレスのお姉さんがめちゃくちゃく綺麗でアドリアンと盛り上がっていた。食後に近くの広場が屋外クラブのようになっていたので向かうが、とにかく美人が多かった。こんな小さな町にこんなに若い人がいたのかと驚くくらい多くの若者が集まっていて、中には小学生になる前の小さい子も親に連れられて来ていて、ここの人にとって「週末になったらどでかい音楽で踊る」というのが、日本人が夏祭りに行くくらい当たり前の文化なんだなと感じた。

1時くらいにカサに戻ってバルコニーで1時間くらい話した後、シャワーを浴びて横になった。広場からカサまでは少し離れているが、ベッド越しに重低音が響いてきて寝るまでに少し時間がかかった。

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