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夢の途中で一時帰国 後編

こんにちは!
やっと後編です。笑

目次
1.そもそもボリビアでなにをするのか?
2.戻るまでにすること
3.ボリビアで実現したいこと

1.そもそもボリビアでなにをするのか?

私の仕事は、環境教育です。
…環境教育と言っても、「で、何をするの?」という感じですよね?笑
今のJICA海外協力隊で要請されている環境教育の仕事は、ごみの適正処理やコンポスト作成の支援、あるいは環境に関するワークショップなど、いわゆるブラウン系が多いです。
多くの発展途上国では、ごみの処理にかける費用が高額となってしまうため、すべて埋め立て処分をするor収集すらできないことが多いです。
また、急激な近代化により、プラスチックやビンなどのゴミが問題になっています。これは、今までの習慣で生ごみを放置していても自然に分解できていても、例えばペットボトルは自然に分解されるまで500年かかってしまいます。

↑参考:概ねリンク先のサイトに載っている年数がかかります。

これらは日本などの先進国ではお金をかけて解決できますが、発展途上国ではお金を掛けずに解決する方法を模索する必要があります。そのお手伝いをするのが、私たち青年海外協力隊の環境教育隊員なのです。

世界規模で問題になっていることなので、一筋縄では解決できません。しかし、2年間現地の人と共に模索し続けることで、その土地や人々に合った方法で解決の糸口を見つけることや、現地の人たちが解決に向けて持続的に取り組むきっかけをつくることはできます。
そのような人的資源の国際協力を行うのが、環境教育を仕事とする意義だと思います。

話を戻しましょう。私の配属先は、ボリビアのチュキサカ県スクレ市にあるサン・フランシスコ・ハビエル大学農学部「統合地方開発研究所」です。
(Instituto de Desarrollo Rural Integral, Facultad de Ciencias Agrarias, Universidad de San Francisco Xavier)

イメージ版_要望調査票

↑ちなみに、各ボランティアには要望調査票という仕事の概要や受け入れ先の概要などが記載された紙が渡されるのですが、私の要請は上記の通りです。
往々にして、要望調査票は配属先の人と話していくとあまり内容が当てにならないことが多いのですが、私もそうでした。笑

実際に私が取り組むことは、
(1)チュキサカ県ヨタラ村での生活向上プロジェクト
(2)チュキサカ県ヨタラ村での環境教育プロジェクト
(3)スクレ市リオチコ地区での環境教育プロジェクト
(4)その他各種環境イベント等での普及啓発活動
これら4つが、自分の配属先から求められていることです。

生活向上プロジェクト
たとえば、部落の女性グループと共に、生産している花き類の生産性アップによる収入の増加や、共同のゴミ拾い活動による環境向上などが活動の概要です。
環境教育プロジェクト
たとえば、学生や地域住民に向けた環境教育のワークショップを通じて、土壌や河川への汚染を食い止め、ひいてはごみを原因とする健康被害を逓減することです。
普及啓発活動
たとえば、アースデイやアースアワーなど国際的な環境イベントに出展、あるいは企画し、市民レベルでの環境意識を高めることです。

大学として実施するプロジェクトは、当面はすでに企画されているものを実行に移します。それと並行して、それら活動に付加価値をつけたり、環境行動につながる新しい仕組み・活動の構築を行ったりできるよう、人や活動環境などをしっかり観察して分析していきます。

戻るまでにすること

それでは、上記のような活動を展開していくために、そして今日本に一時帰国している身として何を準備すべきしょうか?
私は、
・スペイン語
・写真・動画
・プレゼン資料
の3つが特に今準備すべきことだと思っています。

・スペイン語
これは、言うまでもなく思ったことをどのように相手へ伝えるかという点においてとても重要だと考えています。ヒアリングは現地で上げるのがよいと思っているので、まずは専門用語を中心に単語力を上げて、会議で内容を掴むことと、単語でも話すことにトライして意図を伝えることを目指します。
ちなみに、参考にしている本2冊を下記に挙げておきます。

・写真・動画
2か月半に渡って、2つの都市をじっくり見ることができました。それに対して、プレゼンを行う際に説得力があるのは写真や動画です。言葉で伝えるよりも、圧倒的に情報量が多いですし、何より日本で実施していることは信頼感が大きいです。日本にいる間に、街並みや畑、暮らしの様子など沢山素材を集めて、現地でのワークショップやプレゼンに活かします。
下の写真は、配属先で最初にプレゼンした際の資料の一部です。背景や参考資料で写真をたくさん使う私にとって、写真や動画はかなり貴重な資料になります。

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・プレゼン資料
実際、プレゼン資料は現地でも作れます。しかし、日々活動していると、少し話した内容も事実確認や翻訳して整理するなど、かなり時間がかかります。そして、日々日本では何でもないことばかりでもかなり疲れます。笑 そのため、事前にプレゼン資料をつくれるだけ作っておけば、組み合わせや急に振られたときすぐ提示できたりして、かなり便利だと思います。時間を見つけてプレゼン資料をつくること=アウトプットしてみることで、足りない写真や動画、あるいは関連したスペイン語の習得等波及効果はある程度あると思います。
下の写真も、配属先で最初にプレゼンした際のものです。表紙もある程度こだわります。

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これらスペイン語、写真・動画、資料をできるだけ進めることと並行して、馴染みのお店や人たちとボリビアについて活動について話せる場をセッティングしています。まだ2週間の自宅待機中なので実行には移せませんが、カフェや旅館、ゲストハウスなどでワークショップを行い、感じたこと・考えたことのアウトプットと他の人たちから意見を聴くなどインプットを同時に行いたいと思います。
せっかくの一時帰国、たくさんの人と会って、お互いに刺激のある場をたくさん作っていきます!

3.ボリビアで実現したいこと

さて、実は協力隊応募前からやりたいことがあります。
それは、再生可能エネルギーに関するプロジェクトの実施です。今回の記事のヘッダーにもしているので、分かった方もいるかもしれませんね。

私は前職で太陽光発電所事業の事業開発や新規開拓、メンテナンス等を担当していました。そもそも、地元岩手県を含む日本全体に大きな被害を与えた東日本大震災を経験し、エネルギーの大切さを実感しました。これから国が発展するボリビアにとって、化石燃料(今はエネルギー消費の7割が化石燃料)ばかりに頼って居られません。そして、今や簡単に導入できるようになった太陽光発電設備などは、地方の電化・デジタル化そして生活の質向上に大きく役立つと考えます。

だからこそ、私は配属先でのプレゼンで初っ端から太陽光発電設備の提案を組み入れました。
しかし、私の配属先は農学部。どうするのか…?

1つの解は、ソーラーシェアリングです。
↓これは、日本でも先進的に取り組んでいる企業です。

日本では、平たい土地が少ないにもかかわらず、「農地転用」のハードルの高さから畑や田んぼ、牧草地に太陽光パネルを設置できない事例が相次いだことから、このようなハイブリッド型の事業が誕生しました。
うまく導入すれば、農業と太陽光どちらからも効率よく収入を得ることができ、農家にとってもかなりメリットが大きいものになります。

ボリビアでは電気を売って収益を得る制度がないため、純粋に電気を有効活用する方向で考えなくてはなりません。しかし、電気すら安易に手に入らない場所が多いボリビアにおいて、浄水や温室の加温など電気を活用する先は多岐に渡ります。

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大型機械を導入して農業を行っている農家はまだあまり見たことがありません。そこ(太陽光設備があまり邪魔にならないこと)が、今のボリビアにとってソーラーシェアリング導入はかなりチャンスだと考えた点です。

加えて、私が配属先から求められていることは環境教育ですが、正直、配属先がちゃんとしているので、求められていることだけを実行しても意味がないと考えています。
私の専門性を活かし、現地の人で回せる持続可能かつテクノロジーを活用したものをつくること、それが今私が果たすべきや役割だと考えています。

やっぱり、本当にやりたいこともやらなくちゃ、楽しくない!
せっかく海外でチャレンジする機会を持てたので、楽しみつつ果敢にチャレンジしていきます!

それでは、
¡Hasta luego!


↓前編です。

↓ボリビアの状況編です。


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