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銀行を辞めて税理士を目指す理由

税理士試験にトライ中のアラフォー銀行員です。

R3年度の簿記論・財表に合格し、R4年度に消費税法を受験、現在はR5年度試験に向け相続税法を勉強中です。

また、R4年8月の税理士試験を終えてから転職活動を開始し、R4年11月からは会計事務所で働く予定です(良かったら下記記事もご覧下さい)。

この記事では、そもそもなぜ私が税理士を目指しているのか、その理由について書かせて頂きます。


1.手に職をつけたい

これは言葉の通りですが、手に職をつけ、「真に自分の力」で食べていけるようになりたいと思ったことです。

現在は銀行で働いていますが、自分個人の力でできることは少なく、銀行というヒト・モノ・カネがそろったインフラを使うことで初めて仕事ができます(お金を貸すにしても預金が無いと貸せませんし、送金1つ取っても巨大なシステムが無いと何もできません)。

ただ、この点は銀行に限らずほとんどの会社が一緒だと思いますし、ちょっと飛躍した例えです。

良い悪いの話ではなく、考え方というか、自分がどう感じるかで、要は私の場合は誰かに任せるのが面白くないということもあります。

大きい案件になればなるほど、自分がやれることは少なくなり、本部の専門部署の人間など周りの力を借りることとなります。(銀行が持つ「ヒト」というインフラの力を使うことになります)

例えば、営業現場の担当者がお客さんをグリップしながら、本部の然るべき部署の然るべき人間に案件を繋ぎ、然るべきタイミングで動いてもらうといった、司令塔的な役割を担うことが求められます(営業現場の担当者はオーケストラの指揮者だなんて言う人もいます)。

案件が成約すればそれはそれでとても嬉しいのですが・・・その過程のすべてが楽しいかというと私はそうではありません。

その点、自分の1人の力でサービスを提供し、人の役に立ち、そして稼げるという税理士の仕事はとても魅力的に感じます。


2.自由に働きたい

「自由」というと少し語弊がありますが、自分の裁量で働きたいということです。その場合、独立開業が前提となりますが。

銀行の法人営業マンに全く裁量が無いかというとそういうわけではありませんが、たいていのことは上司に報告し、場合によっては更にその上の上司や本部に報告し、「個人」ではなく「組織」として判断を下していくということがほとんどです。いわゆる判子リレーなんかも日常茶飯事です(昔に比べると減りましたが)。

リスクを上司にヘッジ(転嫁)できるという意味では良いかもしれませんが自分で決められることは少ないです。

逆に税理士は自分ですべてのリスクを負わなければなりませんが、自分がOKすれば仕事が進んでいく、そういう仕事に憧れますね。隣の芝は青く見えます。

ただ、サラリーマン根性が染みついているため矛盾しますが、現在のところは税理士となってもサラリーマンとしてやっていこうと考えています。

それでも嫌になったらいつでも辞表を叩きつけられるよう、税理士試験に何としてでも合格したいと思っています。


3.「マネジメント」ではなく「プレイヤー」として生涯働きたい

「部下のマネジメントよりも自分で動いて稼ぎたい」というのも1つの理由です。

部下を持つことは新たな自分の成長の機会でもありますが、他人に指示を出して動かすというのがどうも苦手で・・・

他人にやらせるよりもプレイヤーとして自分で動きたい、というのが私の嗜好です。

自分もそれなりの年齢なので、銀行ではそろそろ管理職です。店の規模にもよりますが、既に管理職になっている同期も多数おり、実は私は相当遅い方です。

その点、小規模な会計事務所であれば所長以外は基本的に皆プレイヤーとして働くこととなります(よね??)。

税理士には定年もないので一生働けますし。


4.一度きりの人生、挑戦してみたい

このまま銀行にいて自分の人生それでいいのか?という燻ぶった思いはずっと抱えていました。

銀行に入ったその日に辞めたいと思いながら、気が付けば15年以上が経ち、銀行の職場環境は劇的に改善しとても働きやすくなりました(入行当時は本当に雰囲気暗すぎでした・・・激務のせいかウサギのように目を赤く腫らした先輩が2人いたのが今でも印象に残っています)。

現在は営業マンとしてもそれなりに数字も作れるようになり、いわゆる脂が乗っている時期かなと思います。仕事もまあまあ楽しくやれています。

ただ、行き着く先に何があるのかと考えたときに、10年後も20年後も変わり映えのしない世界です。銀行マン或いは社会人として何か新しいスキルが身に付いたり、劇的にやれることが変わるということはまずないでしょう。

強いて言えば、銀行内部での人脈がより強固になり、仕事が進めやすくなるといった程度だと思います(顔を見知った人間とはコミュニケーションも取りやすいので仕事も早く進みます)。

また、私のキャリアから言うと、今後法人営業以外の仕事をやることはまずないと思います。定年まで営業現場です。

つまり、銀行にいても今後の成長はほとんど見込めません。

環境を変えるということと、今の仕事との親和性(法人が相手)という面から、税理士という道も良いと考えました。

また、転職を相談した知り合いの税理士先生から、「毎年同じ業務を繰り返すので2~3年もやれば仕事は十分覚えられますよ」と、アドバイスも頂きました。

会計事務所の仕事の良いところはスキルに普遍性があることかなと思います。仮にこれから入る会計事務所がひどい職場環境だったとしても、2~3年働き一通りのことを覚えられればそこから他の会計事務所に移るなど、また選択肢が広がるとも思っています。私の場合年齢が相当ネックになると思いますが・・・

ちなみにうちは共働きですので、妻というセーフティネットがあるということも冒険に踏み出せた理由です。世帯収支をシミュレーションしましたが、夫婦合算であれば世帯収支は黒字となる見込みです。

なお、妻は私の転職には消極的賛成です。


5.収入が比較的安定していること

税理士の収入は「毎月の顧問報酬」が中心で、士業の中でも特に安定的なサブスクリプションモデルが確立している点も良いところだと思います。

上記では挑戦してみたいと書いておきながら矛盾していますが、これは保守的な理由です。


6.独占業務があり一定の参入障壁があること。

5番の理由と被りますが、これも保守的な理由ですね。

起業するというのも手だと思いますが、何らアイディアはありません。

法人営業をずっとやってきましたので、コミュニケーションスキルであれば一定レベルのものはあると思っていますが、あくまで銀行という看板があってこそというもの。そこは身をわきまえています。

そういった中で税理士のように独占業務があり、且つ、資格による参入障壁がある士業であれば、私でも食べていくことは可能かなと考えました。


7.勉強したことが業務に直結する

改めて考えるとこれが税理士を目指した一番の理由かもしれません。

特に税法科目ですが、実務に活きますよね。勉強したことが単なる雑学に終わらず仕事に活き、自分の成長がお客さんの役にも立つ、それが楽しそうです。

以前、以下の記事を書きましたが、銀行業務検定や宅建などこれまで取った資格で学んだことは、銀行業務の中では雑学の域を出ず、実務で活きたと思ったことは皆無です(マシなのは簿記2級くらいです)。

銀行員にとっての資格は人事考課にプラスに働く程度のもので、少なくとも法人営業をやっていく上ではほとんど役に立ちません。

銀行内部の事務ルールなどを覚える方がよっぽど重要です。

その点、会計事務所においては勉強したことが実務に直結する(というか勉強しないと仕事にならないと思います)ので、勉強のやりがいがあります。


あとがき

改めて転職の理由を書き出してみましたが、良い面ばかりに目がいっており、実際に会計事務所の中に入ってみないとわからないこともたくさんあります。

隣の芝は青く見えますし、会計事務所の仕事だって当然嫌なことや辛いこともたくさんあると思います。この業界、ブラックな職場が多いようですし・・・

ただ、銀行でも冷や汗・脂汗をかきながら歯を食いしばって仕事をしてきました。要領が良い方ではないので若い時はしょっちゅうボコボコに詰められてました。

本当によくうつ病にならなかったなぁと思いますが、我慢強さやストレス耐性はある方なのだと思います。

この我慢強さを武器に会計事務所でも頑張りたいと思います。


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