読書ログ 『心を守りチーム力を高める EQリーダーシップ』
どんな本?
著者は台湾在住の女性ライター。オードリー・タンやジル・チャンなどの優秀な台湾人リーダーの研究を通じて、日本人に足りないマインドセットの形を提唱する。
重要なメッセージは?
台湾人はこころの知能指数「EQ」を重視する
ネガティブな感情を抱くこと自体は否定されない(感じ方は変えられないから)。感情を相手や周囲に爆発させずに対処できる力こそがEQである
EQの高い人には、以下の特徴がある
1.情動が安定している。自分の感情の特性を理解し、起伏に常に気づいて調整することができる。自分の感情で他者に影響を与えない。
2.オープンマインドでフラット。相手のいい部分を認め、受け入れることから入る。「自分はもっと大切にされるべきだ」「自分の思うように動いて欲しい」という感情がなく、相手との協力関係を築けている。
3.自分自身でモチベーションを管理できる。誰かに「こうすべき」と言われてやっているのではなく、自分が「やりたい」からやっているのだと思える。
4.自己と他者の間に「心理的な境界線(Boundary)」を引ける。自分自身にできること・できないこと、やりたいこと・やりたくないことを把握し、それに正直に生きる。「他人からの期待」に振り回されず、「他人への期待」をしすぎない。
なぜそれが重要なのか?
EQを高めると、自分を曲げず、それでいてみんなとより良くやっていけるようになるから
相手から信頼されるだけでなく、自分のメンタルを保ち賢明・冷静な判断をする余裕が生まれるから
よくある低EQ例と対処法
細かいことを気にして思い詰め、不機嫌な態度を表に出してしまう
感じ方や考え方が悪いというよりは、振る舞いを含めてどう表現するか、相手や周囲にどう伝えるかを考えるべき。また、「牛の角の奥に突き進んでしまっていないか(台湾の故事成語)」を客観視する。
周囲からの期待を苦しいと感じてしまう
自分が何を苦しいと思っているかに気づく。職場環境?仕事そのもの?その上で、それを赤裸々に上司に明かし、サポートしてもらう。周囲もあなたに苦しんでほしくない。
上司や同僚に「いい加減にしてほしい」と思ってしまう
換位思考。つまり相手の立場に立って物事を考える。
「自分は価値がない」と思ってしまう
EQが低い人の特徴で、他人が持っているものにばかり目が向いてしまう。対処法は、「自分が持っているものを見る」こと。自分が今持てているものに目を向ければ、現状に感謝する気持ちも生まれてくる。
感想・Next step
これまで読んだ本にも書いてあった通り、EQを保つには「常に自分の感情を俯瞰して掌握すること」に尽きる。掌握することで心の余裕を保てる。掌握するためには、日々のジャーナリングでなるべく自分を多角的に見続けること。
台湾人の「何かを成し遂げるより、人を大切にする方が重要だ」という考え方には非常に共感した。自分は「執着がない」と言われたり、結果や成果を期待されると急に気持ちが下がるように、「そんなことよりも人同士が幸せな状態でいることの方が大事」と思ってしまうタイプ。日本で働いていると、そういう気持ちを持つことが甘えのように感じる場面があるが、台湾人は同じ価値観を持っているということに勇気を持って、人を大切に過ごしていきたい。
他人の期待の中で生きるのはやめよう。自分のやりたいことと、他人の評価や期待との間にしっかりとバウンダリーを引く。最近気づいたことは「図星・痛いところを突かれた時ほどイライラが表に出やすい」ということ。そんな時こそ境界線を引いて、「その通りだな」という感情を自己消化すること。
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