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仕事に行く友達を見送る
7月18日。日曜。夏。
机の上のグラス。頭の奥の靄。隣で眠る友達。窓。空。蝉の声。
昨晩の記憶。人生の断片。ガトーショコラと赤ワイン。どんなに酔っても覚えているのは、それが忘れたくない時間だから。
並んで食べるパスタ。遠い夏のフラッシュバック。真っ白な模造紙と原稿用紙。読書感想文が好きだった。
私の友達は皆優しい。恩返しがしたい。まだまだ人生が足りない。
大きなキャリーケース。ワンピースのシルエット。It's like a 家出少女。気温35度。人肌恋しいってそういうことじゃない。
彩度が高い青空。飛行機の音。世界が動く音。路上の白猫。陽炎。
ひとりになった瞬間、不安の貯水池の氾濫。動悸。救済のセブンイレブン。冷たい午後の紅茶。13時02分。呼吸。
各々の生活。各々の人生。
誰かの人生と交わる瞬間、
私は私の人生を自覚する。
畏怖と幸福の狭間。
夏に置き去りにされたくない。
だからここにいると叫ぶ。
言葉で。
今日も性懲りもなく。
土曜には死ぬ蝉の如く。
草々。
眠れない夜のための詩を、そっとつくります。