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つれづれなるままに呟く

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ひとりごちるは藍の夜
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#備忘録

桜桃忌 2024

桜桃忌だ、と思った。 仕事中、キーボードを打ちながら、思った。 しばらく、『人間失格』を…

洗っても洗っても、書いても書いても。

洗濯、をしていると、私はいま、ちゃんとできている、と感じる。汚れた服を、あるいは、汚れた…

日々断片蝶々

東京にいた頃に書いた短編小説を、すこし、書き直した。 あの頃の私を消さないように、あの頃…

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

SNSに疲れたくせに、つぶやきじみたものを書き残したい夜だ

自分のことを安心して話していいのだと、思える場所は多くない。相手を気持ちよくするのが会話…

いつか、全部おわるとして。

東京にいたころ、発狂する勢いで文章を書いていた。 一銭にもならない、かたちにもならない、誰からも求められていない、でも切実な文章だった。 私はたぶん、ずっと泣き叫んでいた。 満員電車のなかで、汚い駅の構内で、オフィス街の牛丼屋で、朝方のマクドナルドで。私はここにいると、こんなことを思っていると、世界に向かって叫んでいた。一銭にもならない、かたちにもならない、顧客ニーズも世の流れとか一切考えない、ただの痛々しい吐露。小説にも詩にもなれない、とはいえエッセイと呼ぶにはあまり

あなたを迎えにいく日まで

年末、というのはどうしてこんなにも、 人生を直視せざるを得ないんだろう。 あの頃のわたし…

推しを推すことは、人生を見つけ直すことだ

土曜日、初めて三軒茶屋を訪れた。 駅構内に貼られた舞台の広告と、空を突き刺すキャロットタ…

「来世に期待する」なんて、

来世に期待する、ということばをよく耳にする。当たり前のように、「生まれ変わる」という概念…

日記6/17

鼓動と合わせて痛む心臓を、抱きしめるように寝込んでいる。クーラーの調子が悪い。冷や汗が止…

幸せを目指しちゃだめですか

病院。お医者さんにしか話せないことがたくさんある。あなたはヘヴィな人生を生きている。よく…

土曜日の午後、『ザ・ホエール』を観た

『ザ・ホエール』を観た。思考がまとまらない。ベッドの上で見ていたのに、気づくと机に向かっ…

過去の発作と未来の救い

発作はいつも、過去からやってくる。 心臓を握られるような痛みと、ひどく激しい動悸。息の吸い方がわからなくなり、体温が下がり、絶望感に襲われる。未送信のSOSを、何度消去しただろう。 暗くて閉鎖的な場所に、ひとりで行けなくなった。人と会うことがこわくなった。エッセイを書くのがこわくなった。人を信じるのがこわくなった。パニック状態というらしいと知っても、頭と心がちぐはぐで、壊れたように笑うことしかできなかった。大丈夫の盾で武装して、ぎりぎり立っていることしかできなかった。