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私だけの詩領域

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2022年3月の記事一覧

N回目の春の歌

N回目の春の歌

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「桜が咲く度君想う」
「桜降る度君想う」

歌い尽くされた春の歌
どこかで聴いた恋の歌

桜散る前にチル前に
何かを生もうと空仰ぎ

空っぽの青に浮かぶのは
音符の逃げ出した五線譜

「唯一無二なんてもんは
実はどこにもありはしない」って
満員電車の片隅で
吊り革広告が嗤った

*

それでも君は歌ってよ
そのままそこで歌ってよ

君が桜を歌わなければ
春は枯れていくだけだろう

桜が美しい

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