#本棚をさらし合おう 遅刻の選書
愛を語ることは苦手なのだけれど、時には、誰かに、聞いてもらいたくなるもので。
初めてその企画を目にしたときに、ぜひ参加をしたいなと、思っていました。
本が好きで、書店で働いて、新しい本が溢れる中で、素敵なものや興味深いものがあって、それよりずっとずっと以前の本を、昔から読みたくて。本がただ好きなだけな、私ですけれど、みなさんの本棚を、のぞいてみたくて。
本当は10月15日に一斉投稿が必要な企画だったのですが、参加してもいいものかと迷いもあり、当日までに記事を用意することができませんでした。
みなさんの記事を見て、やっぱりどれも、興味深くて、楽しくて、愛に溢れていて、その人をかたちづくるひとつがわかって、いいなと、思って。私も、あきらとさんの優しさに甘えて、少し、好きなものについて、話せればと、今また、noteに向かっています。
本当は、企画の名前通り、本棚を出したいと思っていたのですけれど、本棚に収まりきらない、この、整理されてない状態を公開するのはどうにも見苦しくて。それに、このところ増えた本は、全く手も付けられていないので、またいずれ、ご紹介できればなと。
今回は、5冊、選書致しました。
昔から付き合いのある本を選んでしまったので、どうしても、小説ばかりになってしまいます。
『こころ』 夏目漱石 集英社
きっかけは高校の授業だったのですが、小説を手にしてから、なんども、なんども、読みました。記憶力がよくないので、あまり中身をきちんと覚えているわけではないのですけれど。昔には当たり前にあった、先生と私の結びつきをとても羨ましく感じています。罪を、深く、抱く、先生を、敬愛してやみません。
『暗いところで待ち合わせ』 乙一 幻冬舎
乙一さんの作品はとても好きで、他にもいろいろ読んでますが、特に繰り返し読んでいるのはこちら。容疑者と、盲目者の、共同生活から生まれる、信頼関係に、ささやかだけれど、あふれるほどの優しさを感じます。乙一さんの思い出の本ではほかに『Calling you』があります。高校時代、初めて手に取った、思い出の小説です。
『正義のミカタ』 本多孝好 集英社
本多孝好さんの中でも断トツで好きです。自分が正しいと思えるものを、きちんと持つこと。今の私に足りないものでもあるし、欲してやまないものでもあります。
『60秒の煉獄』 大石圭 光文社
書店に勤め始めたころに知った本でした。犯罪者を主人公に描くことが多い大石圭さんの小説は、昏く、それでいて、矜持を感じる、ただ恐ろしいだけではないと、思えて。とても好きなのですが、この作品は、一般の、普通の人が「60秒」だけ、時間を止めることができたなら、何をするのか。欲望も、祈りも、悪意も、善意も。あらゆる角度の人間を、見ることができる作品じゃないかと、思います。
『本好きの下剋上』 香月美夜 TOブックス
がらりと変わりますが、ライトノベルと言われるジャンル。昔は浴びるように漫画を読んでいましたが、今はほとんど読まなくなりました。漫画の代わりに読むようになったのが、このジャンルでした。本が好きで好きで好きでしょうがない主人公が、本がない世界に転生するお話。なにもないところから、好きというだけで、本を作ってしまえる、その情熱は、とても応援したくなるもので。世界観にも引き込まれるものがあって、イギリスが気になりだしたり、紅茶に興味が出たりしたのはこの本のせいです。児童書としても出版が開始されているので、多くの人に愛されてほしいなと、思う作品です。
この5冊は、確かに、私を形作ったものたちでした。そしてそれは、今もなお。
小説以外の本にも、触れていきたいと、特に最近は、そういうものばかり買い漁っているので、読めるように、時間が取れればと思います。いつ出版された本でも、初めて読む以上、私には「新刊」です。みなさんの本棚からも、いろいろ、読みたいものが見つかって、このタグを知れて、よかったなと。そして企画してくださったあきらとさんに、感謝の気持ちを。
ちなみに、フットワークが軽く、なんでもやってのけるあきらとさんは、私の中で憧れと羨望と嫉妬と、その他、いろいろな感情のまじりあった、尊敬の人です。一方的になので、ご迷惑にならないと良いのですが…。これからも、ご活躍を楽しみにしています。
文筆乱れてお目汚し。失礼致しました。
本城 雫
いつも見ていてくださって、ありがとうございます。 役に立つようなものは何もありませんが、自分の言葉が、響いてくれたらいいなと、これからも書いていきます。 生きていけるかな。