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神戸市立 小磯記念美術館 (六甲アイランド)

大阪と神戸のあいだを、阪神間はんしんかんといいます。
阪神間には、阪急電車・JR・阪神電車が平行に走り、沿線に美術館や博物館が点在します。
その阪神間の海に浮かぶ人工島・六甲アイランド。
神戸市立 小磯記念美術館はそこにあるのです。



洋画家・小磯良平画伯

神戸・三宮の神戸市役所に行く地下道。大きな油絵、踊り子が椅子に座っている。「神戸市立小磯記念美術館」と書かれた大きなポスターだった。
神戸出身の洋画家。小磯良平画伯、どんな人なのか。

神戸市立小磯記念美術館
小磯良平略歴

一九〇三(明治三六年)七月二十五日
八人兄弟姉妹の次男として神戸市に生まれる。

一九二二(大正十年) 東京美術学校(現 東京芸術大学)西洋画科に入学

一九二七(昭和二年) 東京美術学校西洋画科を主席で卒業

一九二八(昭和三年) 渡仏

一九四五(昭和二〇年) 神戸空襲でアトリエを失う

一九八八(昭和六三年) 肺炎のため死去

一九八九(平成元年) 自宅に遺されていた油彩九一点、デッサン三四六点、版画二百四点、挿絵原画一四五二点アトリエ及びその遺品が神戸市に寄贈される

一九九三(平成四年) 神戸市立小磯記念美術館開館

小磯良平略歴より
抜粋いたしました
神戸市立小磯記念美術館
外観



神戸市立小磯記念美術館

兵庫県神戸市東灘区向洋町中5-7
10:00~17:00
月曜・年末年始やすみ
大人200円
特別展は、そのつど変わります。

ぐるりと半円形の外壁。内部には廊下に囲まれた庭があります。
四季の彩り。木々のあいだに。
よくみれば、お花が咲いています。

敷地の真ん中に建物。白い壁とペパーミントグリーンの窓の木枠がみえます。

外からはわかりませんが、小磯良平画伯の建物と内部のアトリエ(画室)が復元されています。
今回は、アトリエについての記事です。



アトリエの解説14:00

「午後2時より小磯良平アトリエの解説があります」館内放送が聞こえてきました。
これは平日のみ。午後2時より約15分間。


小磯良平画伯が作品の製作をしたアトリエ。これは参加必修です。
アトリエは撮影可能というのも嬉しいです。

アトリエ前の洋室に集合し、担当の女性スタッフのおはなしが始まります。

7月25日は
小磯良平画伯のお誕生日です
生誕120年
まどが大きい洋室
左側がアトリエ
小磯良平画伯

画材の展示です。細い筆ですね。

小磯良平画伯、パレットの使い方の解説をば。
つどつど絵の具をパレットから落とさず、上から上から絵の具を足して重ねていたそうです。


森のような、油絵の具の立体感。グラデーション。まるで作品のようなオブジェのような。
画材は使いこまれて、木箱に入ったパステルも西洋の色味。


彼の作品の色がすぐ、そこに。
やわらかな中間色で見ていて落ち着きます。

アトリエの建物の窓、この木枠のペパーミントグリーンが、小磯良平画伯の好きな色だそうです。



アールヌーボー調度品

本棚

とくに、家具の解説はありませんでした。
19世紀の終わりごろから、アール・ヌーヴォー(新しい芸術)が登場。
優雅な植物の曲線。調度品・絵画に取り入れた生活スタイルが流行しました。
小磯良平画伯もそのころ神戸に産まれたのです。


ヨーロッパ経験のある小磯良平画伯ならではのアトリエ・コレクション、うっとりします。

PICASSO ピカソ


アトリエ内部

入れません 外から観ます

ところどころに絵の具がとんでいます。模様のように点点と。
移築のさい、このまま板に番号をふりバラバラにせず、まったく同じ並びに再現したそうです。

ふつうの事務用の椅子。どこのメーカーでしょうか。小磯良平画伯のお気に入りだったそうです。意外な一品。

奥の壁に、作品で見たような半円形の鏡台。小磯良平画伯は、ここにモチーフを置いて絵画の創作をしていました。


大きなイーゼル。十字の細い棒は腕を固定する道具とか。
籐の白い椅子・細い脚の椅子。いずれも楽器が座っています。

天井が高い明るいアトリエ。緑と青を切り取る広い窓。創作の風がやわらかく吹いてくるようです。


画材の瓶がならぶ。阪神間の六甲山ろっこうさんの稜線のように。


光を吸いこみ、紅茶の色に染まる布。調光、カフェカーテンのように、絵画のように。


あっという間の15分。
小磯良平画伯の遺族が、アトリエ建物と作品を神戸市に寄贈。
そして今日に至るというお話で解説は終了しました。




子どものための鑑賞ガイド

鑑賞カード

作品の詳しい説明と、製作エピソード。
だれでも読める、楽しめるカードが設置されています。


人物・生物・風景。油彩画のごく一部です。
展示室内にも小磯良平画伯の作品がたくさんあります。

裏に解説

手もとにおいておきたくなります。ぜひ、手にとってご覧ください。



六甲ライナー

六甲アイランドの交通機関を忘れていました。最後になりましたが記しておきます。

「六甲ライナー」は本州と島を結ぶ鉄道。「六甲おろし」は阪神タイガースの応援歌で別物です。

Wikipediaによれば、1990年に開業。6分間隔で運行中です。約4.5キロ・6駅あります。

JR住吉駅・阪神魚崎駅で乗り換えます。

住吉川ぞいを走る六甲ライナー


眼下には、住吉川で水遊びや散策の人びとが。今年は、暑い夏やすみですね。

住吉川の河口から瀬戸内の海。
神戸は山と海のまち。六甲ライナーで、景色のよさも堪能してください。



まとめ

いまは暑いので、もうすこし涼しくなったら、六甲アイランド散策もオススメします。
美術館も三館あります。また別の機会に……

暑すぎて誰もいません


■神戸市立 小磯記念美術館■
 現在の展覧会は、
漫画家生活60周年記念
・青池保子展・Contrail 航跡のかがやき

毎週水曜日は
「たてもの」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。

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