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大阪・喫茶店「ニューホワイト」さん

 青い2階建ての宮殿。散歩で見つけ「ジャスパー」と勝手に名づける。あきらかに、まわりから浮いた喫茶店。店名は「ニューホワイト」さんだった。
(1790文字)



ニューホワイトさん

まわりに鉄道もなく、車・バス・自転車しか交通手段がない大阪市生野区・中央エリア。そんな陸の孤島に青い宮殿、いや喫茶店があります。

ニューホワイトさん
大阪市生野区舎利寺2-16-11
8:00~15:00
(土)8:00~14:00
(日)10:00~18:00

もより駅は……
●大阪シティバス・田島3丁目停留所

生野区の大動脈・今里筋いまざとすじぞいの喫茶店。写真を撮ろうとするも、ビュンビュン車の切れ目なし。

このユニークな建物に目を奪われて、事故が起きないのが不思議なくらいです。

 大阪市に、ニューホワイト名の喫茶店は、ほかにも何軒かあったと思います。こちらは大池橋店おおいけばしてんとよばれています。



喫茶店とはつゆ知らず

 建物が貴族チック、かといって近代建築ではなさそう。謎の建物。いつもの散歩道の道路を挟んで向こうの建物。最初は、社交ダンス館のたぐいと思って通りすぎていました。

青いのに「ニューホワイト」。
内装は豪華では? イギリス貴族の館かもしれない。ベランダがあるし。きっと暖炉や噴水がある。妄想はふくれるばかり。
大阪なのでこゆいジャスパー。ほんもののジャスパーは、もうすこし淡い色。


この近所にあるコーヒー店が改装中になりまして、話のタネとばかりにジャスパーに近づきました。
おそるおそる。じりじり。

店名は、ニューホワイトさんだった。1Fの入り口は白い。コーヒーの木の看板。「香り高き炭火焙煎珈琲の店」
なんと、神戸萩原珈琲こうべはぎはらこーひーさんではないですか!
神戸の老舗・コーヒー豆焙煎の。


大阪の喫茶店で、みなさまも案外知らずにいただいておりますよ。
 オマケの画像をどうぞ。


神戸萩原珈琲店
ヒルトンプラザ店
大阪駅ちかくで、ここは穴場です

仏像喫茶でおなじみ 
篝(かがり)さん
大阪市福島区


コーヒーつながり、とっかかりが、できました。さっそく「ジャスパー」いえ、ニューホワイトさんに入ります。
モーニング時間は、あとわずか。


庶民的な喫茶店

 ちかくに寄ると白い。店名のホワイト……納得。自動ドアのむこうは、なんと。

ゲーム機があります。宮殿とか噴水ではなく。
ふつうの広いレストランのたたずまい。ジャスパー、どうした?
拍子ぬけて、まっしろ。とりあえず、すわります。


あたまにひびくは電子音

庶民的なところでホッとしました。胸をなでおろしていたら、女店員さんがモーニングセットを運んできてくださいました。

ゲーム機のガラス。こんなモーニングは昭和以来です。
高校生のころ「インベーダーゲーム」が大流行しました。100円入れると、奥(上)からインベーダーが迫ってきます。それを阻止するべく銃を打つ。いま思うと平面で単調な画面でしたね。

それでも新世界の串カツより、美しい新世界でした。夜のようなガラスの画面がキラキラとエフェクト。シンセサイザーの音にうっとりして、打っとりました。

サラダがついています。照明は消えていますが、窓がおおきくて、ちょうどよい明るさです。



ゆで玉子にクッション

 ゆで玉子が静止している。店名とおなじ、白い肌。まさに陶器肌。あのジャスパーのような質感。
おかしい。なぜ、ピクリともしないのか。


ゆで玉子のおしりに、クッションが見えた!紙の……こより。輪っかのクッション。これに座っているので安定感がありました。


こまやかな、指先のしごと。これは、はじめてだ。ざぶとんというよりクッション。
やはり昭和のすがたをした貴族の館なのかもしれない。ジャスパー、目がさめる青の。

陶器肌の、ゆで玉子が白く抗議する。
「クッションを返しなさい」
やれやれ。では、優雅に立っててください。

青い宮殿には、昭和の歌謡曲が、ささやかにながれる。まずはトーストと、サラダをいただく。

美しい立ち姿に、手がだせない。
どうしたものか。
だんだんと、あたまが白くなってくる。


ニューホワイト。
ゆで玉子のマジック。


ジャスパーから変身した瞬間だった。


◆神戸萩原珈琲さんの記事◆


(あとで見つけた。これが1号店?)

毎週月曜日は
「コーヒー・喫茶店」の日


いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに

さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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