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ランダムに選んだ駅に行く

同じような一日になるのは嫌だと思った。
同じなら、今日のこの日は要らない。同じなんだから。
行ったことのない駅に行こう。

スマホでランダムな数字を出す。
路線図の端っこから駅を1、2と数える。
選んだ数字になるまで。

「多摩湖駅」

多摩湖という湖の近くなんだろう。それ以上の事はわからない。
観光地として発展している可能性もあるし、ただの田舎の可能性もある。

後者の可能性を考慮し、出発前にコンビニでおにぎりを買う。

鮭おにぎりが189円?
やけに高いな。そっと棚に戻し、昆布おにぎりに変更。
それと麦茶を買って出発!

多摩湖駅、大正解でした。

干上がりかけた貯水池からは懐かしい腐った水の臭いがしたし、
その臭いのためその場で食べるか躊躇したけど意を決して食べてみたら美味かったおにぎり。

俺に向かって飛んできたバッタ(大声あげた)。

そして広大な景色な。
人間ってちっぽけだと思ったし、
一方でこれを作ったのも人間、人間のパワーのすごさも感じた(貯水池と書かれていた)。

スケッチブックなんか持ってきたら楽しかったかもしれない。

でも絵なんかよりも、写真なんかよりも、この目で見た現実の景色が一番だっつーの!
その時だけの、その時にしか感じられない景色こそが人生だと思う。

絵で見てもパソコンのモニタで見ても、現実には敵わない。

いつかなんて永遠に来ない。
いつか満足できる人生になる、ということはない。
何かが起これば、
あれが解決すれば、
これさえなければ、
そうすれば幸せになれるなんてこともない。

何かの目的を目指している瞬間だけだ。
何かをしようとしている時こそが、その時だけが人生なんだと思う。

得てしまえば面白くも何ともない。

障害や不安なことも、
目的があれば乗り越えられる。

目的がなければ、不安は不安として自分にのしかかってくる。

だが目的があれば、不安は乗り越えるべきものでしかなくなる。

俺らに必要な
のは目的なんだ。

それに向かっている瞬間なんだ。
その時間が人生なんだ。

そう思った。

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