実践トレーニングday7-8イベントマーケティングの計画と実行-体験型イベント構築フローとは?
本日は当社のマーケティング専門メディアから、実際に企業向けに行っているワークショップの実践トレーニングをご紹介します。
今回は顧客体験を最大化するための戦略的イベントマーケティングの手法とステップをご紹介しています。
企業向けワークショップ形式のマーケティング実践トレーニング
体験型イベントマーケティングは、顧客にブランドを体験させ、感情的なつながりを深めるための重要な手法です。単に商品やサービスを提供するだけでなく、顧客がブランドを「体感」できる環境を提供することで、持続的なエンゲージメントを生み出すことが可能です。このトレーニングでは、体験型イベントを成功させるための計画と実行のステップを解説し、実際の事例を交えながら効果的なイベント構築フローを学びます。
テーマの説明
体験型イベントマーケティングは、参加者にインタラクティブな体験を提供し、ブランド価値を直感的に理解してもらう方法です。この手法は、SNSでの拡散効果や、参加者からの口コミを促進するため、近年特に注目されています。効果的なイベントを実行するためには、事前の計画、ターゲット顧客の分析、クリエイティブなコンセプト作り、そしてイベント後のフォローアップが重要です。このトレーニングでは、成功する体験型イベントを構築するための具体的な手順を段階的に紹介します。
目的
顧客エンゲージメントを高める体験型イベントの設計手法を学ぶ。
参加者が「体験」を通じてブランドに対するポジティブな感情を持つ仕組みを理解する。
イベントの目的設定から実行、効果測定までのプロセスを習得する。
成功した企業の事例をもとに、実践的なノウハウを共有する。
実践トレーニングの流れ
1. イベントの目的設定
概要と説明
イベントを企画する際、まず明確な目的を設定することが重要です。「新商品の認知拡大」、「既存顧客との関係強化」、「新規顧客獲得」など、目的によりイベント内容が変わります。
目的
イベントの成功指標を定め、効果的な計画を立てる基盤を作ります。
アクションステップ
イベントのゴールを設定する(例: 新商品を50人に体験させる)。
KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を定義する。
課題:
「既存顧客との関係強化」を目的としたイベントで、成功を測定するためのKPIを5つ挙げてください。
2. ターゲット顧客の特定
概要と説明
誰を対象にイベントを行うのかを明確にすることが不可欠です。ターゲット顧客のニーズや行動パターンを理解し、それに合わせたイベント体験を設計します。
目的
ターゲット顧客がイベントに参加したくなるような動機を引き出す。
アクションステップ
ターゲットセグメントを年齢、性別、居住地、職業などで詳細に分類。
それぞれの顧客が何を求めているかを分析する(例: 若年層はインスタ映えする体験を重視)。
課題
以下のターゲット顧客の属性を埋め、どのような体験がそのターゲットに響くか説明してください。
年齢: [ ]
性別: [ ]
居住エリア: [ ]
職業: [ ]
3. クリエイティブなコンセプト設計
概要と説明
イベントに独自性を持たせるため、クリエイティブなコンセプト作りが求められます。コンセプトが成功すれば、参加者に強烈な印象を残し、SNSでのシェアも促進されます。
目的
イベントの主題を魅力的に表現し、参加者にブランドの価値を深く理解させる。
アクションステップ
ブランドの強みや特性を反映したコンセプトを作る。
コンセプトに基づいた具体的なイベントアクティビティを設計する。
課題
P&Gが新商品をプロモーションするための体験型イベントを企画します。P&Gの製品特性に基づいたユニークなイベントコンセプトを考えてください。
4. イベント実行と管理
概要と説明
イベントの実行段階では、計画通りに進行させるためのリーダーシップとスムーズな管理が重要です。運営スタッフの配置、リアルタイムでの参加者フィードバックの収集なども含まれます。
目的
計画通りにイベントを進行し、当日発生する問題に迅速に対応する。
アクションステップ
タスク分担とスケジュール管理を徹底する。
イベント中にリアルタイムで参加者の反応をモニタリングし、柔軟に対応する。
課題
イベント当日に予想外のトラブルが発生した場合、どのように対応しますか?3つのシナリオを想定して対処法を考えてください。
5. 効果測定とフォローアップ
概要と説明
イベント終了後、効果測定を行い、次回に向けた改善点を抽出します。また、フォローアップ施策(アンケートやキャンペーンなど)を通じて参加者との関係を深めます。
目的
イベントの成果を数値化し、将来的な改善に役立てる。
アクションステップ
事前に定めたKPIをもとに、イベントの成果を評価する。
イベント後の参加者にアンケートを実施し、フィードバックを収集する。
課題
実際のアンケート項目を3つ考えてください。アンケート結果をもとに次回のイベントをどのように改善するかも考えてください。
体験型イベントのシミュレーション
グループごとに、架空のブランドを設定し、体験型イベントの企画を行います。次のポイントについて議論してください。
ブランドの目的に合致するイベントコンセプトは何か?
ターゲット顧客が魅力を感じる体験とは何か?
イベントの成功を測るKPIをどう設定するか?
テーマのまとめ
体験型イベントマーケティングは、顧客に深い印象を与え、ブランドとの持続的な関係を築くための強力な手段です。このトレーニングでは、計画から実行、フォローアップまでの流れを学びました。今後は、デジタル技術を活用したハイブリッドイベントやオンライン体験の企画にも挑戦していくと、さらに可能性が広がるでしょう。
参加者特典
「イベント後の効果的なフォローアップ方法」についてのガイドライン
「デジタル体験イベントの設計」についての追加トピック
イベントマーケティングに関するFAQリスト
実践トレーニングのゴールとレベルアップ項目
レベル1: 基本的なイベント企画の理解
レベル2: ターゲット顧客のニーズに応じたイベント設計
レベル3: クリエイティブコンセプトを含むイベントの実行
レベル4: 効果測定と改善提案ができる
レベル5: 大規模な体験型イベントのリーダーシップ
具体的なブランド事例
ナイキ(Nike)の「Nike Air Max Day」体験型イベント
イベント概要
ナイキは毎年3月26日に「Nike Air Max Day」を開催し、ファンとスニーカーヘッズ(スニーカー愛好者)を対象とした特別な体験型イベントを実施しています。特に2023年のAir Max Dayでは、ナイキがスニーカーの進化と技術をテーマにした「未来のスニーカー体験」を開催し、大きな注目を集めました。
イベント内容
AR(拡張現実)体験ゾーン
来場者はスマホを使って、AR技術を駆使した未来のスニーカーを体感できるエリアが用意されました。参加者がスマホでナイキアプリを使うと、実物のスニーカーが「バーチャルに進化」する仕組みが楽しめ、さらにカスタマイズ機能を通じて自分だけのAir Maxをデザインすることができました。3Dプリントスニーカーの実演
未来の製品開発をテーマに、ナイキは会場内で3Dプリンターを用いたスニーカー製造のデモを行いました。来場者は自分の足型をスキャンして、フィット感が最適化されたカスタムスニーカーの制作過程を目の当たりにしました。限定スニーカー抽選会
来場者は、参加体験に応じて「バーチャルポイント」を貯めることができ、ポイント数に応じてAir Maxシリーズの限定モデルが当たる抽選に参加できました。この抽選会はイベント後もナイキの公式アプリで続行され、来場者以外も楽しめる形に。SNS共有エリア
イベントにはインスタ映えするエリアが設けられ、巨大なエアクッションモデルの前で写真を撮影し、指定のハッシュタグをつけてSNSに投稿することで、次回イベントの優待券や割引クーポンがもらえる特典も用意されました。
成果
イベント後、ハッシュタグ「#AirMaxDay2023」がSNSでトレンド入りし、イベント参加者のみならず、世界中のファンが参加できるバーチャルイベントへと拡大。
ナイキアプリのダウンロード数が一週間で20%増加し、同時にAR技術を活用したスニーカーカスタマイズ機能が大きな話題となりました。
さらに、ナイキはこのイベントを通じて「未来のスニーカーデザイン」に関する顧客フィードバックを収集し、商品開発に活かしました。
学び
この事例は、体験型イベントが単なる「製品プロモーション」以上の価値を持ち、参加者との感情的なつながりを築く強力なツールであることを示しています。特に、最新技術を駆使したインタラクティブな体験が、SNSや口コミを通じてブランドのエンゲージメントを強化することに成功しました。
ご覧いただき、ありがとうございました。当社の他の記事はこちらからご覧いただけます。