プロジェクトマネージャーはセールスイネーブルメントを担えるか?
勤労感謝の日を迎え、クリスマスまで4週間、2023年も残すところあとわずかとなりました。毎年のことで、11/23を過ぎたあたりから気がつけば年末、そして新年を迎え新しい世界の波がやってきます。今年を振り返りつつ潮流の中でタイトルのトピックについて考えるところを整理した年間総括ダイアリー
2023年を斡旋していた裏テーマ
コロナがあけて、コロナがなかったかのように目まぐるしい流れで情報が溢れ、AIが人間を置いてけぼりに、とめどない進化とテクノロジーの発展に寄与する時代。技術の発展の指標はデバイスやツールの見事さ、美しさやシェア数で測られがちですが、テクノロジーを人間社会に上手に取り入れるために奮闘するプロフェッショナルな人間の仕事もあるわけです。
2023年はテクノロジーの発展とそれらから受ける人間の感性や感覚値を邪魔せず支え、技術の潮流を文化的なトピックに変換するプロセスを構築している人々の活躍に目を見張りました。勝手に成田悠輔さんなど。
インフルエンザの流行は毎年訪れる耳慣れたトピックで、耳慣れたトピックはその脅威も意味性も忘れられがちですが、コロナのような人々の交流の断絶すら生み出す潮流は人間社会に大きな変化をもたらすものだと学びました。
もっともらしい変化は課題に対する思考力、状況を打破する突破力、コミュニティのあり方の再構築、世界との距離感の変化など…飛躍しますがサッカーの日本代表が世界で結果を残していることとコロナの流行には多少なりとも因果関係があるように思えます。
2023年を振り返ると、世界は広くて狭い。世界には強国もあれば発展的で経済力を誇る国も、問題児も小さな独立国家も、そして国と国を上手に仲介する能力に長けている国家もさまざま存在することを再認識させられたわけです。
そして、国内ビジネスの世界ではセールスイネーブルメントなるキーワードがじわじわと浸透されている感が否めません。(かなりニッチな界隈で)アメリカ発の「セールスイネーブルメント」は商品やサービスを顧客に販売する「営業」と組織の中核を担う「マーケティング」領域の間を徘徊する(営業側に近い)究極の調整役として来年以降期待されるポジションです。
2024年組織のあり方の考察
G20しかり、巷のグローバルなパーティーしかり、アメリカ人やロシア人、イタリア人やドイツ人のいる前で日本人がその場を仕切ることは多くありません。一方で、アメリカ人とフランス人の間に立って、両国のパートナーシップをクロージングする究極の調整役として日本人のあり方、価値そのものを評価する世界の人々は少なくないように思います。
セールスイネーブルメントはまさに組織の調整役。営業とマーケティング活動を実施する両者の間で「顧客のために」働く究極のアジャスターです。
これまでの組織のあり方を振り返ると、営業とマーケターの間に入る調整役の多くはマネジメント層が担っていたように思います。なので、営業寄りの企業はどうしてもマーケティング領域が疎かに、マーケティング寄りの企業の場合は、営業活動を過小評価しがちな背景がここにあるように思うのです。
肩書による認知の共通化の上手なアメリカではすでに、セールスイネーブルメントマネージャーなど肩書きを一般化する動きと並行して、セールスイネーブルメント領域の重要性をきちんと確立していると言えます。
日本で、セールスイネーブルメントポジションが流行るか、認知されるか、流行らないかでいうと、「セールスイネーブルメント」という言葉それ自体が日本語では浸透しずらい字面と文字数なのでなかなか一般化には至らない気がしています。
ただし、営業寄りのマーケティング調整役の重要性は高く、役割として必要なのは間違いのないこと。
そこで、日本国内ではプロジェクトマネジメントそのものをセールスイネーブルメントに置き換えて、組織設計をするという考え方が一つの上手なやり方なってくるのではないか?と考えているわけです。
字面と言葉において、「プロジェクトマネージャー(PM)」は「セールスイネーブルメント」よりもマーケットに馴染んでいますから、社内でも馴染みやすく想像がしやすい。補足ですが日本国内の多くのPMは基本的に万能タイプで英語を使える人も多く調整役そのものに向いています。
これまで大企業を中心に、プロジェクトをマネジメントしスケジュールを管理し開発と運用の間に立ち顧客やマーケットの分析を担っていたプロジェクトマネージャー。
プロジェクトマネージャーが中小企業の中に組織されることで営業(顧客)とマーケター(組織)を繋ぐ新しいタスクを引き受け、最適かつ生産的かつ意味性のある本来のビジネスのあり方を再構築するステージを用意できるように思います。
2024年は中小企業の中にもっともっとPMを置こう。
日本には素晴らしいPMがたくさん。
来年もよろしくお願いします🤲
追記: クライアントと来年度の組織設計をしていたときのこと。一同、必ずしも社内に調整役を置くことが正ではないと感じています。現代において社員であること、なぜ社員である必要があるのか?という根本的なところで議論が深まります。