見出し画像

【エッセイ】メダカを飼うと決めた日

我が家で飼育していた生き物が死に絶えて20年。
あんな悲しい思いをするくらいなら
もう2度と生き物の飼育などしない。

そう思っていたはずなのに。

2021年。
コロナ禍。
私は恐ろしく暇だった。
ワーカホリックの私は
土日祝すべて休めて
ゴールデンウィークも
シルバーウィークも休めて
毎日定時で帰る環境に
困惑を隠せなかった。

駄目人間の自覚があるので
仕事を抜いた私は
無価値のような焦燥感に
日々とらわれながら
アニメを見ながら生きていた。

夏休み、暇だな。
そう思っていた、7月。
運命の出会い。

職場に、メダカの入ったバケツが現れた。

「持って行きませんか?」

職場の人に勧められた。

いつもなら速攻で断るところだ。
しかし、その時の私は
恐ろしく暇だった。

メダカの飼育でもしないと間が持たない。
そう考えてしまった。

かくして、私の時間の空白を
メダカが埋める日々が始まったのである。

空白がメダカに染まるまで、時間はかからなかった。

この選択によって、私の人生は変わった。
10の変化があった。

1 メダカの飼育と繁殖の勉強を始めた

2 世界がメダカ中心になった

3 メダカの一生を深く考察し始めた

4 生命の神秘を知った

5 子育てに学んだ

6 病気が薬で治ることを知った

7 メダカの成長の早さに、一分一秒の大切さを教えてもらった

8 愛しいの意味を知った

9 メダカ先生に生き方を教わった

10 大事な家族になった

今、私は幸せである。
こんなに楽しい毎日が送れるなんて、
考えていなかった。
あの時、暇で良かった。

すべてはあの時、あの選択をしたから。


読んでいただくだけでありがたいです。もし、ご支援を賜りました際には、メダカ飼育活動資金として大切に使わせていただきます。