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悩みと不安の違い

先日、今年度の新卒メンバから「悩みがあるので相談に乗ってほしい」と言われ、個人面談をする機会があったので、その時に話をした内容をご紹介します。

その新卒メンバ曰く、

いま、自分はどの方向に進めばいいのかが決められていない。
それなのに、あっという間に1年が過ぎ、あと少しで次の新卒が入社してくる。
果たしてこの状態で先輩として正しく振舞うことができるのか?
優秀な後輩が入ってきて、追い抜かれてしまうのではないか?
自分がまだ成長できておらず、プレッシャーだけがのしかかってくる。

ということでした。確かに、その不安はわかります。
人は”未知”に対して不安を抱きますからね。

その時に私が話した内容は以下です。

「悩み」と「不安」を混同しないこと!
①人は、不安な状態を「悩んでいる」と勘違いしてしまうことがある。
②悩みというのは、例えばAとBという選択肢があって、それぞれメリットデメリットがあり、AかBか選ぶことができないくらいの状況だと思う。
③いまの君の状況は「悩み」なのか「不安」なのかどっちだい?と。

するとその子は、「確かに単に不安なだけかもしれません」
と答えたのです。

私は、「漠然とした不安は、見える化することが大事だよ」と話しました。

みなさんも想像してみてください。
例えば、真っ暗闇の洞窟を歩かないといけないとして、ほんのちょっとの石ころにつまづいたとします。
何も見えない、何があるかわからない、その状態に人は不安を感じます。
そこに少し、マッチ一本の明かりがあって足元が照らされたなら、石ころが見えて、とたんに不安が消える・・・。
こんな状況に似ていると思います。

私がその子に伝えたことはシンプルでした。
「未来の不安にとらわれすぎず、足元の小さな不安を一個ずつ減らそうよ」
「大事なことは不確実性にどう対応していくかであり、不確実なことに対応できるよう、若い今のうちに将来の選択肢を増やすことが大事だよ」

要は、そんな不安があるくらいなら、一つでもITの知識を増やし、一つでも後輩に教えられるノウハウを棚卸し、マニュアル化するとか手を動かしたほうがいいよ、ということを伝えたのです。

そして、「知らないことがあるのなら、それはチャンスであり、知らないことを言語化しておけば、それが弱点克服になるのだから、入社して2年間の初心者の間に、将来の不安をたくさん言語化して、一つずつつぶす経験をするとよいよ」とアドバイスしたのです。

するとその子はなんとなく持っていた不安を打ち明け、結局やることは一歩一歩進むしかないのだと理解してくれたのか、腹をくくったような表情になったので、その日の面談を終わりにしました。
「だよね、やるしかないよね!やってみよう!」


私にとって人生とはコンプレックスを減らす長い長い旅

人生において、不安というのは消えることはないですよね。
人という生き物は、ある不安が消えてもまたすぐに新たな不安を作り出し、いつも大小関わらず、何かを心配してしまうものです。

将来に備えることはもちろん大事なことですが、例えば首都直下地震が来るから毎日不安で眠れないと言って、その結果、地震が来る前から体調を崩してしまったら全く意味がありません。

私も現在、40代後半となり、それなりに経験を積んできましたが、そんな中で一つ学びがありました。私にとって、「人生とはコンプレックスを減らす旅だなぁ」と、ある日気づいたのです。

もともと私は、身長も大きい方ではなく、顔も若く見られがち、勉強も得意な方ではなく、英語も苦手・・・。親がくれた天性の明るさだけが自分を成り立たせてくれていた学生時代でした。

社会人になり文系の私がIT業界に飛び込むも、周りはみんな高学歴のエリートだらけで自分にできることは本当に少なく、不安に駆られていたことを思い出します。
そんな時、私は何を思ったのか仕事を頑張るのではなく、友人に勧められて一緒にボクシングをはじめます。ボクシングは階級に差があるからできるかも、と思ったのがきっかけでした。

数か月経ち、ボクシング技術の上達と共に、自分の体に対するコンプレックスが少しずつ減っていくのです。わずかながらも自信がわいてきました。
メンタルが上向くと、仕事も少しずつ上向いていきます。
仕事の不出来も、やればできるというマインドに変わっていったことをいまでも覚えています。その時から、私は「コンプレックス減らし職人」に変わったのかもしれません。

もちろん、世の中上には上がいます。下を見ても上を見てもキリがありません。ですが、昨日の自分より今日の自分が成長していればいいのです。自分が納得していればいいのです。

自分に自信をくれたボクシングとの出会い、
しかし、30歳を超えて、衰えていく肉体、、、
衰えていく肉体に不安を感じたときに出会った合気道

人生の節目節目で、いろいろな出会いが私を成長させてくれます。
私はいつも、そんな時は何か新しい「コンプレックスを減らす」ことを始めてみるのです。

年々サビていく体に対して、サビ付かない技術を持つことで、心に芯を持ちながら強くまっすぐに生きていくことができると本当に思います。そうなった人間はとても強いですよね。

ということで、もし将来に不安がある方がいらっしゃったら、みなさんも「コンプレックスを減らす」活動を始めてみていただくことをおススメいたします!


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