君とアンブレラ
1本の傘に二人で入る。私を思ってくれる君の肩は濡れていた。
「私が持つよ?」
私なりの愛を君は
「俺の方が身長高いからいいよ」
いつもそう言ってくれる
いつも大股で2歩先をいく君がこの日ばかりは私の隣。
水溜まりを避けると多少自分が濡れても傘を持つ手を伸ばす君。
元から左肩はびしょ濡れだね。
「今日はどこへいく?」
雨の日、わざとらしく問いかける私。
「そうだな、歩きながら決めようか」
傘の柄を強く握り直す笑顔の君。
60センチの空間、斜め上の顔を見つめて思う。当たる雨音が君の声だとしたら私にはこう聞こえている「愛している」と。
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