寒さに愛を例えて、誰かの言葉を借りて
誰かのものではなく、僕のものに
その欲望のような淡い色彩は
きっとあなたに届かない
並んで歩けど、歩幅は違う
まだ冬が残る澄んだ暗闇に
首もとの毛糸が微かな寒さを物語る
3月末
夜の道、横たわる「友」というライン
「今夜は月が綺麗だね」
愛を比喩したせめてもの抵抗
「そうかな?ちょっと欠けてるよ?」
あなたはいつものようにおどけて見せた
知ってか知らずか、言葉と笑みは「やっぱり」の白い吐息に消えた。
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