25回通りすぎた景色
何もないことが素晴らしいと思えた。
ダメにするのも良くするのも優しさだと教わった。
その日差しのなか僕たちは何度も考えた。
答えなんてないという答えに行き着くのにとても時間がかかった
噴水で無邪気に遊ぶ子供達、水しぶきが上がる幼い声も上がる。僕たちが目指した答えに近かった。
約束とか秩序とかはどうでも良かった。並んで歩いて蜃気楼。どんなに遠い場所へも行ってみたいと願っていた。
もう何度目の夏を越えたのだろう。思い出すのは淡く儚い誰もが通る「通過した夏」心揺れ繰り返して求めては離れたその夏。
同じ型にはまらないように。でも散り散りにならないように踏ん張って数えて時におどけて見せたそんな夏。
戻らないと知りながらもそれに反抗して意味のない事にも気がつかなかっただけ。悪気なんてない僕らにも平等に日差しは降り注いだ。
思い出すのは「通過した夏」だ。今でも。
淡く儚い、甘く苦い、笑って泣いて、思って涙。
まだまだこれから。通過した夏は僕らを育ててくれた。
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