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変形性股関節症手術の記録 その6

変形性股関節症の悪化から人工股関節置換手術をしました。
手術から1年経過して、ほぼ普通に歩く/しゃがむ等の動作が出来るようになりました。ふと足を動かすだけで痛みが走っていたのが嘘のようにスッキリ。真っ直ぐ足を伸ばして仰向けに寝られるし、睡眠中に身体をずらしただけでズキっとくる痛さで目覚めることもありません。
健常な方にすれば極当たり前なことが二度と味わえない平穏だと思っていた2年間は何だったんだろう?な位に安らかに暮らせています。

手術すると決めてから退院するまで、コロナ禍でのおひとりさま入院生活とリハビリ経過。多くの方達にに助けて頂いたおかげで今があるのを忘れないためのnoteです。


術後2日目

PCAと敗血症防止の管はずれる。尿管は明日に持ち越し。
飲み薬 フェロミア50mg、レバミビド 100mg、
機械運動、リハビリ、歩行訓練開始。

午前の回診でいくつかの外部機器を外してもらい随分身軽になった。
それから間もなく、看護師さんが重そうな機器を持って来てベッドにセッティング。手術した側の脚を膝を中心に乗せて、屈伸運動をさせる機械(CPM)。平坦から徐々に角度を付けてどの位まで上げられるか?痛くないか?を確認してから60分間の運動。

膝の屈伸と腿の上げ下げを運動 段階的に腿を上げる角度を大きく

機械運動そのものは大したことが無いのだけれど、姿勢を変えられないので楽なようでいてきつい。せいぜい反対の足を立てたり伸ばしたりする位。

理学療法士さんによるマッサージと寝たままできる簡単な運動。
仰向けで片足ずつ上にあげられるか?のテスト。手術してない足は当然垂直にひょいとあげられる。驚いたのは手術した側、ベッドから踵を上げることすらできない。え?なんだこれ?? 
「痛くなってから長い期間前腿の筋肉を使っていなかった証拠」とのこと。自分の足を自分で持ち上げられないと歩けないですよね、と至極当たりまえなことが出来ない辛み。

リハビリ開始

昼食後に理学療法士さんが車椅子を押してお出まし。「立てますか?」「車椅子に移動できますか?」と手を貸してもらいつつ、ベッドに掴まりながらさほど痛みも無く車椅子に収まる。動けない実感がないので、車椅子を押されての移動が妙にこそばゆい。
ドラマで観たことあるような器具がいっぱいあるリハビリ室。平行バーの中で歩行訓練してる患者さんもいて、あぁ何日か後にはあれやるんだろうな、とぼんやり眺めていたら「じゃ試しに歩いてみましょうか」といきなりバーの前へ連れて行かれました。
(へ? いや、まだ尿バッグついたままなんですけど それ持ってくれちゃうの 申し訳ない)と葛藤するも、病院ってそれが普通のことで恥じらいは無用。
現状どんなかを知りたい気持ちが強かったのでトライ。まず車椅子のひじ掛けを掴んで立ちあがり、一歩踏み出して平行バーに掴み変える。両足の筋肉が突っ張るような違和感と切開部は力が入り辛くて腰が後ろに崩れ落ちていくような感覚があるものの、腕で支えているので力が入る方の足と3点歩行してるような感じでバーを1往復することはできました。

「すごい!すごい!」おだてられたらすぐその気になる単純な奴。

「じゃ帰りは車椅子じゃなくてサークルにしてみましょうか?」と高さ調節ができる歩行器を持って来て中に納まるよう言われる。肘を曲げた高さに調節して押し歩きが出来るか?チェック。そろそろと主に力を入れるのは片足だけではあるものの、あまり痛みを感じることも無く歩ける。
そのまま病室に戻ったら、看護師さんに「歩いてる!」と驚かれて更に良い気分。
これで自力で水飲み場で移動できるので食後の歯磨きが出来る!
歯磨き介助してもらえたけど、遠慮もあってすっきりするまでは出来なかったので嬉しい。

補助具

移動前にオーダーしたサポーター状の補助具を装着。看護師さんからは、ベッドから出て活動するときは必ず装着して下さいと言われました。が、理学療法士さん的には動きが制限されることもあるので、必ずしもつけていなくて良いですよと。

リハビリの反動?
夕方までのうきうき感はどこへやら、就寝時間ちかくになって切開部周辺がズキズキする。寝姿勢をどんなに変えても痛い。仕方なく看護師さんに痛み止めをリクエスト。座薬だった💦
「15分位で効いて来ますよ」と言われたけれど、一向に痛みはおさまらず、全身が居心地悪くて『ここだ!』というポジションが見つからない。身動きの度に痛んで眠れぬまま朝に。

術後3日目

採血、患部消毒
尿管はずれる(おむつ⇒リハビリパンツ)

寝姿勢から背中を上げて座り姿勢に変えたら一時的にましになった。
回診。尿管はずしてOKとなり、身体についてる外部機器は静脈留置針だけになった!かなり爽快。
サークルが置いてあることに気付いた担当医からは「順調ですね」の一言のみ。
手術終わっちゃうともう自分の仕事完了って思っちゃう外科医の典型版か?

「尿道炎にならないよう、水分をたくさん摂って排泄してください」とのこと。管が付いている間は無意識・無制限に排泄されていたけれど、管を外した後は当然自分の意志で排泄をコントロールしなければいけない訳で。中には自立排泄が出来なくなる人がいる、と怖い話をされたので、入院中は食事の時に毎回お茶をお代わりして汁物も残さず飲み干しました。

幸い食後にちゃんと尿意を感じて普通にトイレ。短い距離ではあるけれど、サークルを使ってのそろそろ移動は普通に歩くより時間が掛かるので早目にトイレへ行く習慣を身に付けねば。
更に尾籠な話で恐縮ですが。手術後は一度も催さなかった大をしたい感覚もあり。ちゃんと食べてない&身体的に緊張状態から解放されてすぐそうなる体は正直。

術後4日目

今日から抗生物質の点滴開始。
夜になると切開部がじくじく痛みだして寝付けない。就寝前に痛み止めロキソプロフェンNa 60mgを飲んで様子を見る。

術後6日目

血液検査。点滴延長。

一昨日から始めた点滴を止めるか?の判定で、CRPの値が5と高いため3日間の継続投与決定。

1日のスケジュール

1週間経っておおよその時間が決まってきた。
 6時  点滴 採血
 6時半 検温 血圧 
 7時  顔拭き温タオル、お茶
 7時半 朝スタッフの検温
 8時  朝食
 8時半 身体拭き温タオル 3本、レンタルパジャマ交換
 午前中ランダムに
     機械で足の屈伸(CPM) 1時間
     回診
     病室で理学療法士さんのマッサージ、廊下で歩行器歩行訓練
 11時半 お茶
 12時  昼食
 14時  点滴
 15時半  リハビリ室での運動 1時間
 17時半 お茶
 18時   夕食
 21時   消灯
 22時  点滴

点滴1日3回、CPMそれぞれ1時間ほど安静な姿勢で拘束されるので、暇なようで忙しい。消灯は21時なのに点滴の間隔時間調整のため3回目が22時開始。終了を見計らって外しに看護師さんが来てくれるのだけど、対応中だったりですぐ来られないことも。仕方なく15分以上待ってこない時はナースコール。なのでこれが終わるまで眠れない。
寝てからも何故か2時間置きにトイレに行きたくなって起きる。入院前は夜中トイレに起きることは無かったので、今の状態の何かが原因なのだろう。

夕食後が一番ゆっくりとまとまった時間が取れるのだけど、まだ体のダメージが回復しきれていないのか、横になっていたいので何も出来ず、あっという間に1日が終わる感じ。

術後8日目

抗生物質の点滴終了。← 一般より長かった
圧迫ストッキング終了
術後初めての洗髪

点滴終了つまり腕に付けたままだった静脈留置針も取り外し!!!
静脈に刺さったままで、ネット包帯の固定力が弱いから手首を軽く動かしてもネットから飛出してしまうコネクタ気になってかばい続けた日々。
気疲れした~
これで腕の位置を気にせず眠れる。幸せ🥰

長い年月で立膝寝が習慣化していたため前腿の筋肉が萎縮している。股関節の痛みがなくなっても縮んだ筋肉はすぐに伸びてはくれないので、その回復も含めたリハビリトレーニング。
切開で損傷した筋肉、萎縮した筋肉 の機能回復、姿勢矯正を目的としたストレッチと筋トレ。
リハビリ室では歩くための筋トレと平行バーを使った歩行姿勢矯正。

まだ入浴許可が出ていない。体は毎朝温タオルで拭いているけれど、髪は何もして貰えず。日中は痛みもあまり無いので髪のことに気が回る余裕が出た途端に気になって仕方ない。
留置針が取れて両腕を自由に動かせるようになったので、看護師さんに洗髪させてください!と訴える。座ったままで利用できる洗髪用シャワーでさっぱり。

サークルを使って自分で歩く時間を作るようになったこともあり、ずっと着用したままだった圧迫ストッキングも今日でお役御免。

術後9日目

ソックスを履くのに一苦労。
手術前から痛む側の足を上にしては足を組めなかったのだけど、切開したので尚更足を上げることが出来なくなっている、というか股関節を開こうとすると激痛が😢
ベッドだと高すぎて足が宙に浮いてしまうため、よろよろと起きて椅子に座り、痛みが出ないようそろそろと前屈みになってから靴下を履く。たったこれだけのことでも一仕事だ。

術後13日目

レントゲン撮影⇒抜糸
杖を使った歩行開始

朝食後すぐにレントゲン撮影して結果良好ということらしく抜糸。
担当医が何の予告も無く現れて「CPR値がまだちょっと高いけど、大きな問題なさそうなので抜糸します」
「(聞いてないし💦)えっと、心構えいりますか?」←痛かったらヤじゃん
看護師さん「何もないですよ」
Dr.は無関心な様子で黙々とホチキスのように止めてた針?をパチパチ引き抜いて一言「終わりです」
「16個くらいでした?」
「え、数えてたの?!」とさっきまでの無表情をちょっとだけ崩して驚いていた。

だって手術の前も後もどの位切開して何針位縫いますって話がないんだもの。結局驚かれただけで具体的な数字は言ってくれず仕舞い。
後から知ったことには、昔と違って縫合方法には様々な種類があるし、吸収される糸や医療用のホッチキスや接着剤も使うから何針縫ったかには意味がないと。そんなこともあって数える人は殆どいないようです。
とはいえ体感16針です(笑)

杖で歩く練習

抜糸したので歩行サークルを卒業。杖を使っての歩行練習スタート。
杖と言ってもいくつか形態があり、所謂ステッキのようなもの、肘に固定具があるもの、先が3点に分かれているものと様々。
リハビリ室にあるレンタル杖から理学療法士さんが状態に合う形状を選んでくれる。私はごくごく一般的なステッキで長さ調節ができればOK。

杖の購入

切開で損傷した神経系統が正しく作動して筋力が戻って自立歩行出来るようになるまでは補助具として杖が不可欠。入院中はリハビリ室のものを使用できるけれど、退院後用には自前で購入しなければいけません。今は100均でも販売しているけれど、軽いサポート程度ではなくガッツリ頼りにするためのものなので、しっかりした物を買う方が安心です。
借りた杖の接地部分は硬質プラスティック製。立て掛けてる間にスルっと転んでしまうことに気付いたので、接地部の材質はゴムが安全だと思いました。
「病院経由でオーダーしても良いし、ネットで購入してもどちらでも良いです。」と言われたので、選択肢が多く気に入ったデザインを選べるネットで購入。

手術後3週目

シャワー浴解禁!
歩行訓練 片足立ち 踏込みの練習 歩き姿勢の矯正。杖に頼りすぎない歩き方の練習。

夜中のトイレ回数が3回から1回に減って安定。1度も起きずに済むようになりたい。
15日ぶりに浴びたシャワーの何と気持ち良いことか💕 

リハビリのストレッチは特に萎縮した前腿の筋肉を伸ばす運動を重点的に。
日中も杖を使って歩く。手術した足とは反対側の腕で杖を持って歩くのだけど、杖に寄り掛かるように力を入れているため肩に負荷がかかる。肩凝りとは違う痛みが発生。筋肉痛?

余談:

快眠についてのバラエティ場組で、『寝返りしやすくなるから、パジャマの上着はパンツに入れて眠る』とやっていた。
特に紐で縛るだけの病院着は寝返りを繰返しているうちに身頃部分が体の下に入りこんで苦しくなることがあり、その度に半覚醒で着衣を整えてた。その晩早速上着をパンツインして寝てみたら確かに寝返りしても上着ズレない! あぁあと半月早く知りたかったな。

という訳で見た目のダサさは置いておいて、病院着の上はズボンにインして眠りましょう。

つづく

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