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創作物ーどこまで真実かは貴方が決めていいー

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小説、詩、短歌……精神の解離と統合、少女性とリアリズム、その境界線に走らせた筆の跡。
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#自由律俳句

七つの大罪自由律俳句(短歌)「色欲」

七つの大罪自由律俳句(短歌)「色欲」

洞窟の中でのたうっても貴方は知らない
この暗さを湿っぽさを出口のない入り口を

誰のものでもないその笑顔だから愛しく自分だけのものに出来るはずがなく

あんたなんかじゃ吊り合わないよと言ってしまったわたしなんかじゃ、もっと

全部ぶちまけて壊れてしまえ 思えども思えども引き金は固く押せない「送信」

死んで傷になるしか心に残る術がなく
死に損なって忘れられてゆく
せめて綺麗な想い出にと 足を止めた

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七つの大罪自由律俳句「暴食」

七つの大罪自由律俳句「暴食」

箸を運ぶ指と吐かせる指はどうして同じ指なのか

肥大する胃と比例して膨らむ虚無感

高級品も希少部位も満足させることのない飢餓感

吐いたらゼロ吐いたらリセット言うだけで通り過ぎる呪文

栄養が欲しい熱量が欲しいそれでも心は満腹にならない

七つの大罪自由律俳句「憤怒」

七つの大罪自由律俳句「憤怒」

世界中の薔薇を全部むしってもおさまらぬ怒り

傷つくし傷つけるからと飲み込む怒鳴り声

石を投げて当たった鏡の破片で顔を切った

やけ酒したこの身に火をつけたら巴里よりも燃えるだろう

右脳は罵声を叫び続け左脳がそれをなだめている