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『一縷(いちる)シリーズ』

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一縷から始まる父子の20年に及ぶ歳月を描いたノンノンフィクションストーリー。
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【再逢(さいあい)】

【再逢(さいあい)】

そう男は全てを諦めた。

何せ3ヶ月ぶりの再会である。
覚えているはずがない幼子が。

泣かせてしまうかもしれない。
それはもう覚悟していたはずだった。
それでもいいから逢いたかった。

しかしいざ目の前にしてみると、
再会の感動よりも、怖かった。
とにかくもう、それは怖かったのだ。

忘れられているという恐怖に呑まれた。
どんなに自分を納得させようとしても、
とにかくもう、そら恐ろしかったのだ。

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【一縷(いちる)】

【一縷(いちる)】

そう彼女の愛情は一人分しか無かった。

その対象が僕から君に移っただけのことだ。
とはいえ君に恨みなんてあるはずもない。
だから本当に感謝している産まれて来てくれて。

あのときグズる君に精一杯の愛情を伝えた。

「お腹が空いたのかな?」
「それとも眠いのかな?」
「分からなくてごめんね…」
「でも君のことが大好きなんだよ…」

そっとぎゅっと抱き締めた。
もしも僅かでも残るものがあったのなら嬉し

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