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【入社8ヶ月エントリ】建設業界から国際物流業界へ。顧客課題に徹底的に向き合うプロダクトマネージャーとしての挑戦

初めまして。Shippioプロダクトチームの千葉です。
この記事はShippio7周年ブログリレーのDay6です。昨日はSenior Back-End EngineerのAndittoによる”Surprising Similarities between Bitcoin and Logistics”がテックブログで公開されました!

はじめに

2022年10月に入社して、8ヶ月が経ちました。以前は建設業界で働いていたのですが、Shippioに入社して、初めて国際物流業界に関わることになりました。建設と国際物流は異なる産業ですが、書類管理や関係者間のコミュニケーションが複雑であるといった現場実務において共通する課題を抱えています。そのため、これまで現場で私が培った経験や感性を活かすことで、お客様やShippioの事業に役に立てるのではないかと考えています。
今回の記事では、私のこれまでのキャリアとShippioでのチャレンジについて紹介します。ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。

私のこれまでのキャリア

学生時代の焼き鳥屋アルバイト

私は大学3年から大学院までの3年間、焼き鳥屋でアルバイトをしていました。このお店では「おまかせスタイル」で焼鳥を提供しており、お客様の食べ終わる頃を見計らって次の串を提供していました。また、お客様の好みを聞き出し食事のペースに合わせてお酒をお勧めするなど、サービスには細かな気配りが必要でした。

私たちスタッフはお客様の行動や会話を観察し、次に欲しいものを予測してオススメをするのですが、これを複数人のお客様に対して同時に行う必要があり、親方から何度も「お客さまを見ろ」と叩き込まれました。
当時の親方は、職人気質とお客様を満足させることへの強い拘りを持っていました。親方との出会いは学生時代の中で最も貴重な体験であり、そのお客様視点の考え方が私の仕事への取組み方のベースとなっています。

大型物件の現場監督

新卒では清水建設に入社し、設備工事の現場監督として働いていました。具体的にはオフィスビルやマンションや工場など大型物件の工事を担当しました。施主と毎週定例を重ね、お客様のニーズをもとに要求スペックを図面に落とし込んでいきます。例えば、業務を行うための居室のレイアウトや温湿度基準、採光の取り方や照度などです。
そして、その図面をもとに専門業社(内装、大工、設備など)と協力して現場に施工します。

建設とは人や会社が事業や生活を営む空間を作ることであり、社会的な意義ややりがいの大きさを感じていた一方で、現場の非効率さに疑問を感じていました。現場は30を超える多くの職種の職人さんと共同でプロジェクトで進めます。日々刻々と現場の状況が変化する中、電話や対面などのコミュニケーションが多く情報伝達が人伝てに行われるため、会社間の関係の親密さによって情報共有の伝達範囲や鮮度に差があるという課題がありました。

その結果、工事着手の遅れや手戻りなどが多数発生し、現場の遅れを取り戻すために現場監督や協力業者が残業や休日出勤をするのが当たり前になっていました。
こうした非効率な現場の働き方を改善することに強く関心を持つようになりました。

施工中の建設現場のイメージ

建設現場マンからドメインエキスパートPMへ

ITテクノロジーが建設業の非効率を解決できるかもしれない、私自身がITソリューションの実現に関わりたいと思いでその後フォトラクションに転職しました。

フォトラクションは建設現場の業務で使うクラウドアプリを提供しており、Webとモバイルの両方の開発に携りました。
以前はITに全く関わりがなかった私ですが、エンジニアやデザイナーなどのチームメンバーのサポートを受けながら、スペックの作成から新機能リリースまでの一連のプロセスを経験することができました。建設現場での経験が役立ち、現場業務を解像度高く捉えることでユーザー要望を叶える機能を提供することができたと感じています。

ある時、私が現場で体験したことがない業務で活用するプロダクト開発を担当しました。社内のドメイン出身者や清水建設の友人を頼り多くの情報を得ることで、前後業務のつながりや目的を整理し、お客様のやりたいことや現在の業務課題について理解を深めながら開発を進めていきました。
この時の経験から、自分の知見がない領域のプロダクト開発を進める上で、ドメインエキスパートらの力を借りながら正しく顧客の課題を把握していくプロセスを学ぶことができました。これが後のShippioへの転職理由につながっていきます。

Shippioでの挑戦

Shippioとの出会い

2022年リサーチカンファレンスというオンラインイベントに参加していたとき、偶然にShippioという企業に出会いました。そこでShippioのプロダクトデザインディレクターである西藤さん(@K_Nishito)による「Shippio全社員リサーチャー化計画」というセッションを聞き、顧客目線や顧客のサクセスに向けた取り組みについての話に心を打たれました。
西藤さんのセッションはこちらで確認できます。

その後、自分のキャリアについて考えていたときに、偶然あるエージェントからShippioを紹介してもらいました。選考を通して、CPOの森さん(@yasumori)を始め、Shippioのメンバーと会う中で、「海を越えてモノが届くことは当たり前じゃない」こと、その背景にある業界の課題や慣習などについて教えてもらいました。

清水建設で働いていたときに、海外から調達する鉄骨柱が現場に到着する日が大幅に遅れて工期に重大な遅延が発生したことがあったので、国際物流インフラの重要性と影響の大きさはすぐにイメージが湧きました。
建設と国際物流の現場は、いまだにメールや電話などのコミュニケーションが主流で、新しいテクノロジーの導入の遅れによる類似の課題があります。それらの課題を建築現場の視点で解決してきた経験がShippioのプロダクト開発で役立つと感じました。

さらに、国際物流という大きな産業を本気で変えようという森さんをはじめとするプロダクトのメンバーの情熱に触れ、複雑な業務を変えることは困難ですが、その挑戦に身を置くことで自分自身が成長できると考え、茨の道と覚悟の上、Shippioでの挑戦を決めました。

Shippioプロダクトマネージャー陣

Shippioに入社してからこれまでとこれからの挑戦

入社後はまず、貿易実務を高い解像度で理解できるようにドメイン知識の習得、Shippioのプロダクトが顧客のどのような課題を解決できているのか、どのような課題が存在するかなどの顧客理解に時間を使いました。
建設業でもたくさんの関係者を業務プロセスとともに整理することは慣れていましたが、国際物流業界は想像していた以上の複雑な要素が存在していました。

社内には、全体の業務プロセスと関係者を可視化した概念図(Service Blueprint)や社内の勉強会の資料、商談動画など豊富なコンテンツがあったので、それらを活用してインプットしてきました。たくさんの情報を浴びるように閲覧し、入社直後のドメインキャッチアップにこれらには本当に助けられました。どんなコンテンツが社内にあるかはPdM立石さん(@honobono1124)の記事で詳しく紹介しています。

また、プロダクトマネージャーが商談に参加できる機会をセールスチームが作ってくれるので、お客様と直接話して課題を深掘りできるのはとてもありがたいことだと感じています。

しかし、豊富な情報があっても貿易実務を完璧に理解するのはそう簡単ではなく、日々新しい発見があります。
先日、業務インタビューを通じて貿易実務と生産管理部門間など、他の部門との連携について調査したところ、このような事例が明らかになりました。

  • 頻繁に他部門間とのコミュニケーションが発生しているにもかかわらず、オフィスでは隣の席に座っており直接会話ができているので問題と認識されていない

  • 船の到着が遅れた場合には実際には空輸便を利用するといった代替手段がある

お客様の生の声を聞くことで業務フロー図解には現れていない業務があり、さらにそれらが業務の円滑な進行をサポートしていることを理解しました。もし輸出入の過程で予期しない事態が発生した場合に、このような代替手段があることを考慮していない設計になっていると、プロダクトを活用できず、お客様は「Shippio導入以前の業務フローの方が良かった」と感じてしまう可能性があります。

建設業の現場監督をしていたときは、さまざまな予期せぬ事態が頻繁に発生するため、イレギュラーとレギュラーを区別する感覚を持つことがありませんでした。むしろさまざまな自体に備えた段取りをすることが求められました。おそらく、貿易実務の担当者も近い感覚なのかと想像しています。
そのため、お客様からのフィードバックを受けるだけでなく、その背景にある実際の業務プロセスやイレギュラーなども踏み込んで把握することが重要だと感じています。お客様の向き合っている業務を自分ごと化して、課題を正しく解決するプロダクトを提供し続けていくため、課題の複雑さに妥協せずに前進していきたいと思っています。

国際物流はレガシーな産業とされており、産業構造上のいろいろな問題を抱えています。多くの資源を輸入に頼る日本にとって私たちの生活を支える基幹産業であり、私が育った日本の産業をイノベーションで支えることは非常に重要だと私は考えています。

「理想の物流体験を社会に実装する」という壮大なミッションに立ち向かって顧客体験と事業成長に貢献していけるように成果を出していきたいです。

最後に

明日はEngineering Managerの角谷さんによる”Embracing the B2B World: My Journey at Shippio, a Digital Forwarder”がテックブログで公開される予定です。お楽しみに!
Shippioでは、プロダクトマネージャーとして活躍していただける方を募集しています。Shippioで働くことにご興味をお持ちいただいた方は、採用サイトや問い合わせ先からお気軽にご連絡ください。

▼募集中のポジション
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