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デジタルフォワーダーで貿易業務も“ととのう” 【Shippioセールス×totonou Japan 代表 対談】

Shippioの津崎泰生(ツザキ タイセイ)です。
2022年10月にセールスとしてShippioにジョインしました。
今回はShippioのセールスがお客様の課題解決にどの様に向き合っているかをリアルに感じていただくべく、サウナの輸入事業をされているtotonou Japan株式会社代表の齋藤アレックス剛太さんとの対談をお届けいたします。
(約13,000字)

右:totonou Japan株式会社 代表取締役 齋藤アレックス剛太さん
左:株式会社Shippio セールス 津崎泰生

totonou Japan株式会社の紹介

totonou Japan株式会社は、“サウナと共にある暮らし” 日本で最速で実現することをミッションに、北欧・エストニアで誕生したサウナ企業です。バレルサウナや家庭用サウナの輸入・販売、事業用サウナのプロデュース・設計・施工事業を行っています。2020年の設立以降藤森慎吾氏のサウナ村や高橋茂雄氏の別荘、またマルシンスパ、はなれ橘、浮サウナなどの有名サウナ施設への納入事例を皮切りに急成長を続け、現在では100台超のサウナを輸入しています。

totonou Japan株式会社のHPはこちら

1. totonoü と Shippio の出会い

津崎(Shippio)
totonoüさんとの出会いは昨年11月末でした。
導入から約半年が経過し、現在totonoüさんには荷主企業がShippioで貿易業務を行う上でのモデルケースとなるような、理想的な状態で活用していただいています。そこでtotonoüさんに実感していただいている貿易業務の変化を一人でも多くの方にお届けしたく、今回齋藤さんに対談のオファーをしました。

齋藤(totonoü)
お声掛けいただきありがとうございます。

津崎(Shippio)
早速ですが、Shippioとtotonoüさんの出会いから振り返っていきたいと思います。

「貿易業務でかなり困っており、抱えている問題がShippioで解決可能か確認したいので電話でお話したい」というお問合せをHPからいただいたことが始まりでした。弊社のインサイドセールスからパスを受けて電話を差し上げた所、飛行機で北海道に移動する直前で空港にいらっしゃる中対応していただき、私が「Shippioで解決可能です!」とお答えしたのが今でも鮮明に記憶に残っています。

齋藤(totonoü)
そうでしたね!同じ貨物にも関わらず輸入通関時に関税がかかる場合とかからない場合があるといった事象が起きていて、これを解決する事が喫緊の課題になっていました。HPに問い合わせた後いきなり電話が掛かってくる営業スタイルはあまり好きではないのですが、かなり困っていたのでShippioさんの場合はこちらから電話くださいって書きましたね。(笑)

2. 事業立ち上げフェーズの経営課題

津崎(Shippio)
半年前に感じられていた課題感について簡単に触れましたが、totonoüさんの事業立ち上げから当時のフェーズも含め、改めてShippioに出会う前にあった経営課題を振り返っていただけませんか?

齋藤(totonoü)
2020年の11月に我々totonoüというチームができました。それまでも仕事の関係でエストニアに2年半位在住をしている中で輸出入はいつかやってみたいなと思っていました。実は一番最初は自分のサウナを購入したいという思いからで、ただせっかくやるなら事業にしたくないかと共同創業者の木村にも声を掛けて始まったものでした。当時はロジスティクスに関しては本当に無知で、エストニアのShipperに全任せでやっていました。

よちよち歩きの状態で日本側の手配も言われるがままに運送会社さんお願いしていて、通関も本当に良く分かってない状態から始まったいうのが元々のお話です。Shippioさんに依頼する前も既に2年位オペレーションをやっていて、我々としても大きな成長はできていた段階なのかなという風に思っています。

転換点としては、ロシアによるウクライナ侵攻です。我々1年目は、正直輸送の売り上げの半分は空輸便という超絶パワープレイを行っていました。普通の会社さんではあり得ないと思うんですが、僕らはサウナ企業としては後発組だった中で事例を作っていくのが日本の市場で認識を深めていく上で大事なのではないかと思っていました。FCLで入荷するまでの物量もなかった中で、当時はLCLとAirを比べた時に、10万円の差があるかどうかだったので、利益率を削ってでも事例をまずは増やすことにフォーカスをしていました。

ところがウクライナ危機によってロシア上空を飛べなくなり、空輸価格が3倍になりました。一般的に契約書にも「戦争が起こった場合は免責」という記載があったりしますが、まさかこういう状況になるとはという事態に直面し、そこで初めて我々FCLという海上のフルコンテナ便を使ったという経緯がありました。恥ずかしながらフルコンテナにはこんなに入るんだ、というのが正直な感想でした。

ちょうどその頃サウナの売上が上がってきた状態だったので、FCLに切り替えたというのが2022年の今頃、4月頃だったと思います。昨年の今頃はロシア上空が封鎖されて、コンテナに切り替えて、お客さんに説明してっていう本当に大変な時期だったんですが、1年後まさかこんなに安定して毎月FCLで輸送できるとは思っていなかったです。

その後4~10月にかけて輸送量が増えてきました。現在はShipperは2社と主に取引しているんですが、どちらか1社からは40FTで発送するっていうことができていたというのが去年の状況でした。ただ、物量が増えていく中でいくつか問題が出てくるようになり、またこれまでお願いしていた会社の担当者さんが退職されるという事も重なりせっかくであれば抜本的に解決できる会社さんを探している中で見つけたのがShippioさんでした。

津崎(Shippio)
一番最初に取り組んだのが冒頭でもお話させていただいた通関周りの話でしたね。

齋藤(totonoü)
そうですね、通関やばかったんですよ(笑)。前に取引していた会社の担当者さんが退職されたことによって実績管理が曖昧になり、同じサウナの製品でもHSコードが毎回変わり、本来無税のものが有税と判別されて必要以上の関税を払ってしまうということが起きました。関税率0%のものが5%になるだけで、年間では相当額の関税が発生するので大きな問題です。また既に日本に到着している商品に関しても事前教示を行わないと無税のHSコードが適用されないということで貨物の引き取りができないケースもあり、バッファを持ってお客さんに伝えていた納期すらも過ぎてしまうという状況でした。

津崎(Shippio)
そうでしたね。弊社の通関士を交えてミーティングを行い、そもそもエストニアからの輸入はEPA税率が適用されるので無税になる事などをすり合わせさせていただきました。

齋藤(totonoü)
現在は御社のプロフェッショナルの通関士山崎さんのサポートもあって無税でスムーズに進んでいるので関税の支払いにおけるコスト削減が実現できています。
コスト削減で言うと海上輸送ルートのベストプラクティスが見えてきたことも大きかったですね。

津崎(Shippio)
はい、エストニアからだと経由地が複数あるのですが、経由地が少ないルートは輸送日数が短い反面、費用が上がります。経由地が多いルートは輸送日数が長い反面、費用は抑えることが可能でした。

ただコストを下げたいというご依頼ではなく、納期の面で一定のメリットが出せるルートを選択した場合に輸送費用は現実的にどのレベルまでであれば許容できるかということを話し合ったので、やり取りが非常に建設的だったなと思います。

齋藤(totonoü)
そうですね、付加価値の高いサービスを提供してくれている事業者さんに対して対価を支払うのはある種当然だよねという風には思っていますし、我々自体が自社の価値観に合わないお客さんがいたらお断りしているというようなこともあるので、御社にとって我々が嫌なお客さんにはなりたくないなという風に思っていた所はあります。

津崎(Shippio)
そう思っていただけているのはありがたいです!

3. Shippioを選択した理由

津崎(Shippio)
少し話は変わりますが、物流業界では可視化ツールだったり、管理ツールだったり、コミュニケーションツールだったり、様々なシステムが増えてきたなという実感があるんですが、我々Shippioが、デジタルフォワーダーとして貿易業務の実手配もシステムも両方提供していたからこそ、通関周りのサポートであったり、ルート選定であったりと今回totonoüさんの課題を解決できたんだなと今お話しながら改めて思いました。

齋藤(totonoü)
その点はかなり大きかったと思います。当社の方が実手配の所でここまでお願いできるんだと非常に驚きました。システムに関しては自分が元々ITスタートアップにいたこともあり何となく肌感はあったんですが、通関という我々にとっては本当に未知の領域で、しかも、当然困っている中で素晴らしいツールを提供してるのみならず、サービス面、普通の企業で言うと、カスタマーサクセスとかオペレーションという部分だとは思うのですが、そういった部分も充実している点にすごく魅力を覚えましたね。

津崎(Shippio)
ありがとうございます。
システムに関しての肌感という所で言えば、我々のHPに掲載しているシステムの一例としてのシップメント一覧の画面を見た段階で、Shippioを使おうとほぼほぼ決めていたなんていう話もありましたね(笑)。

シップメント一覧の画面では、視覚的にシップメントの進捗や本船動静をタイムリーに把握することができます。

齋藤(totonoü)
はい、そうでした。(笑)

津崎(Shippio)
これまで通関面の課題とコスト削減の課題について触れてきました。ルート策定の話題で一部触れてはいますが、シップメント一覧の画面は納期改善の課題に対する打ち手として活用できそうというイメージを持っていただけたということでしたよね。まずはtotonoüさんにとっての納期の課題感がどんなものだったのかお話しいただいても良いですか?

齋藤(totonoü)
はい、我々は国内のサウナ事業者さんに比べると、輸入をしている分納期をコントロールしづらい側面があります。国内の事業者さんだと通常製造に1~3カ月位で納入できるのですが、我々はどうしても1カ月で製造をして、そこから遅延も含め輸送に3か月掛かるので、そもそも納期が長期化してしまうという弱みがあります。
そこを補う為には在庫を持つという解決策があるとは思うのですが、資本力にも限界があるので、在庫を抱えずに納期を短縮化するということが命題でした。

津崎(Shippio)
サウナの実物をご覧になればお分かりいただけると思うのですが、totonoüさんのサウナは北欧のデザインが本当に素敵ですし、木の匂いもとても良くて、かなり品質が高いと思うんです。ただ納期というのはこの製品の良さを全て打ち消してしまう可能性があるくらいの大きな懸念要素ですよね。

今年1月に新宿伊勢丹で開催された「ととのう2023 伊勢丹サウナ館」にて展示されたtotonoüさんのバレルサウナ。ガラス製の扉を開けると木の心地良い香りに包まれます。


齋藤(totonoü)
まさに仰る通りで我々の戦略の中で強み弱みっていうのを比較した中で品質は絶対的な自信がありますデザインの観点でフィンランドに比べてもエストニアのサウナは非常に高いものを持っているなと思っていますし、更に例えば設置する際の法規制の対応であったり、組み立ての所も手厚くご支援できると思っています。そういった中で我々の数少ないといっては言い過ぎかもしれませんが、補えなかった弱みっていうのが納期の所ですね。

toB向けが半分程ありますが、施設のオープンに間に合わないという様なことがあるとクリティカルな問題です。

津崎(Shippio)
実際に我々のシステムを使っていただくと、先程お話にも出たシップメント一覧の画面でエストニア側の集荷から、出港入港、日本側倉庫の納品まで、自動トラッキングによって可視化された最新の動静をご覧になっていると思いますが、日本到着前の予測であったり、最終的にお客様にお伝えできる納期の精度は変わりましたか?

齋藤(totonoü)
はい、変わったと思います。まず社内共有の観点で言えば、カスタマーサポートチームの週次ミーティングでシップメント一覧の画面を共有しながら、次のコンテナがいつ届きますという形でコミュニケーションができるようになりました。また日本到着後の施工日程の策定が行いやすくなったので、「そろそろ準備をお願いします」と施工チームとの連携もスムーズに行えるようになりました。

お客様への伝え方の観点では、納期の解像度が高くなっていると思います。
先程お話しした通り、在庫を抱えずに納期を短縮する為には、輸送中にお客様にサウナを購入いただき、日本到着後に倉庫を経由せずに納品をするというのがあるべき姿だと思っています。セールスチームが都度シップメント一覧の画面を確認する事で、このコンテナが何月頃着くか分かるので、お客様に「何月頃に到着するサウナがあるのですが、どうですか?」というご提案ができるようになりました。オーダーから4か月掛かってしまっていたサウナ事業者との競争力の違いは明らかだと思います。

実はサウナを購入されるお客様は「明日にでも欲しい」という方は実はそこまで多くなく、「2~3週後に欲しい」というお客様や、「リフォームのタイミングに合わせて3~4か月後、もっと言えば半年後に欲しい」という要望が多いです。その場合でもコンテナの現在地が分かるからこそ柔軟にご案内ができるようになった点はかなり大きいかと思います。

津崎(Shippio)
totonoüさんの場合はヨーロッパからの輸入なので船足も長いですし、洋上在庫の可視化ができているかどうかで販売計画が大きく変わってきますね。

齋藤(totonoü)
まさにそうですね。 可視化できていない状態ではいつ届くのかが分からないのでセールスが誤って早い納期をご案内をして、お客様との期待値の差分が出てしまったりだとか、逆に慎重になり過ぎていて日本到着後に販売を始めると在庫を抱える期間が長くなってしまうので、今どこにあって、どの位で着くのかという事をかなり高い精度で把握できているというのは非常に強みになるのではないかと思います。

津崎(Shippio)
弱みであった納期の部分が、Shippioのプロダクトによって強みに転換できたというお話はとても嬉しいです!
この部分は他のサウナ事業者さんにはない強みになりそうですが、いかがですか?

齋藤(totonoü)
まさにそうですね。やはりお客様からしたら、いつ届くのかっていうのは非常に気になる訳で、納期を「フォワーダーに聞いてみないと分からないですね」と回答するのではなく、我々自身が一次情報を取れるようにするっていうのが非常に大事な所であると思っていて、それをセールスチームが実現できているというのはオペレーション上の強みですね。

津崎(Shippio)
このようにShippioのプロダクトによって改善できるようになったことをフィードバックしていただけるのはもちろん嬉しいのですが、齋藤さんからは機能の改善についてもフィードバックをいただけることを非常に嬉しく思っています。先日リリースしたオリジナルETAからの遅延日数の表示機能については以前からご要望いただいていたものだったので、アップデートをお届けできて良かったなと思いますし、また今回の機能も実際に使った上でフィードバックをいただいたので、この関係性もすごく貴重だなと思います。

齋藤(totonoü)
そういう意味ではフィードバックをするというのは、組織論になってきてしまうとは思うんですが、ある種手の掛かることだとは思っていて、わざわざ今使いづらいことを説明して、「こういう機能があったらいいですよ」とフィードバックをすることは自分の時間を使っている行為ではあるし、愛がないとできないと思っているんですね。フィードバックをせずに使い続けて、別の良いサービスがあったら切り替えようということもできてしまうし、正直そういったことは他のサービスでやっていたりもするんですが、Shippioさんはまだまだ伸びていくプロダクトだろうなと思いましたし、フィードバックを受け止めてくれるんだろうなという雰囲気がすごくあったので、もう忌憚なくフィードバックしようと思ってしまくっています(笑)。

津崎(Shippio)
本当にそう仰っていただいているのが嬉しいです。我々のプロダクトはまだまだ開発途上で、いくらでも今伸びしろがあると思っています。「お客様と一緒に作っていくプロダクトだからこそ価値がある」と思っています。

齋藤(totonoü)
デジタルフォワーダーという業態で、実手配もシステムも両方提供されているからこそ実務目線でのフィードバックがヒアリングできる状態にありますし、プロダクト開発のフィードバックループが早いんだと思います。

津崎(Shippio)
まさに仰っていただいたようにこの部分もShippioがデジタルフォワーダーであることの価値です。
今後Shippioのプロダクトに期待していることはありますか?

齋藤(totonoü)
これは前々からお伝えしていることですが、API連携の機能ですね。これはShippioさんのサマリーメールに着想を得たものです。

津崎(Shippio)
納期遅延の状況等を毎日1回まとめて自動配信している機能ですね。

齋藤(totonoü)
はい、そうです。API連携で我々のCRMと繋ぐ事で、お客様に最新の納期を自動でお伝えできるようになると思います。かなり効率化されているので十分満足ではあるんですが、やはりシステム同士の繋ぎ込み作業が人力であったり、お客様へのご連絡にも工数が掛かっているので、実現できれば今後のグロースにも対応できますし、納期のカバーリングがさらに高いレベルで行えると思います。

輸送の遅れってコントロールできないものですよね。なので「遅れたらうちが保証するんで」とか言えないわけです。そこは心苦しいと思いながら、その中でできることってやはり「これはいつ位に届くので恐らく大丈夫だと思います」と言えることで、それができると我々としてもよりお客様に安心していただけるのではと思ってます。

「ビジネスも心もととのう」というキャッチコピーで始めているので、僕らもそうだしお客様もそうですし、パートナー企業さんであるShippioさんもそうですし、全員が三社ととのう状況状態を実現できれば良いなと思っています。

津崎(Shippio)
良いですね~。

4. Shippioに期待する事 “経営者視点でのロジスティクス提案”

津崎(Shippio)
ちなみにインタビューとしては最後になりますが、今後の津崎に求めるものってなにかあったりしますか?(笑)

インタビューの様子

齋藤(totonoü)
難しいですね~(笑)
でもそれで言うともう既にできていると思いますが、より経営者視点でのロジスティクス提案ができるというのはヒントになるかもしれないですね。
例えば、津崎さんは元々大手の物流会社でオペレーションをされていて、更に視座も高いので、ロジスティクス担当が今何を求めていて、どういった課題を抱えていて、何がソリューションになり得るかという事はある程度想像して先回りできると思うんです。

ただこれが経営者目線だとどうだろうか?という想像力を強化していただくことによって、「物流業界のセオリーではここが正しいけど、もしかしたら、こっちの方が刺さるかもしれない」っていう提案をいただくとか、例えばこの前もお話した通り「キャッシュフローって実は結構経営者視点だと大事なんですよ」とか、こういった視点をもっていただくとより最強になっていくんじゃないかと思います。

やっぱり僕はすごく、津崎さんのファンでもあるし、Shippioのファンでもあるので、その企業が大きくなって欲しいなと祈るのはある種当然のことだと思いますし、元々ITスタートアップにいた人間としてほんとに良いプロダクトなので早く有名にならないかなと思っています。

津崎(Shippio)
いやぁ、胸一杯なお言葉をいただいてしまいましたね。ありがとうございます。
これが今Shippioでセールスをしていることの面白さだなと思っていて、特に齋藤さんと話をさせていただくと経営者目線での視座を合わせていく必要があるので、僕の場合はかなり齋藤さんにこの視座を引き上げていただいたなと思っています。
また、今いただいた言葉は今後一つの企業だけではなく、Shippioが貿易業界全体の変革を目指して進んでいく中で、必要不可欠になってくる要素だなと思いました。

齋藤(totonoü)
そう思います。貿易業界ってまだまだ変わるなと思っていますし、長期的な視点で言うと、輸出入のハードルがどんどん下がっていったら、世界はもっと面白くなるのにって思っています。エストニアから輸入する時はこういう事が必要で輸送日数がどの位で、関税は無税で良くてなんて話ができる僕とか津崎さんの方が異常で(笑)、輸入のビジネスを始めたいと思っても良く分からないのでハードルが高いのが現状だと思うんです。

一昔前だと、飛行機のチケットを買うにはどうしたらよいのか?と悩んでいたものが例えば今Webサイトでワンクリックで買えてしまうようになったとか、そういう革新があったと思うので、貿易実務のところもShippioさんに頼めば手配がかなりシンプルに行えるということがもっと広まると面白い世界になるのではと思っています。

津崎(Shippio)
そうですね、越境ECはかなりサービスが増えてきた実感がありますが、新たにコンテナでの輸出入ビジネスを始める事のハードルは中々高いですよね。

齋藤(totonoü)
やはり僕らもやってみて、初めて分かりましたけど僕らのように商材が物理的に大きい事業形態だと、輸出入でコストが大きくかかる要因はロジスティクスだと思っていて、逆にロジスティクスにかかるコストを削減できると、販売価格も安くなるし、もちろんその分も利益として再投資していくのも良いですし。ロジスティクスが足枷になってしまうので、その足枷を外したいですね。

津崎(Shippio)
そもそもShippioが実現したいと思っていることが、一企業のDXではなく、貿易業界全体の変革であるという事はこの前でもお伝えしましたが、これは日本がやはり貿易で成り立っている国だからなんですね。ECの需要増も含めて今後物量が更に伸びていく事が予想されているにも関わらず、物流業界を志す学生が少ないというエピソードに代表されるように、魅力を感じない業界として人手不足に陥っています。

またオペレーションのデジタル化も進んでいないため実務者にかなり負担をかけながら何とか回しているという状態です。これは流行りの言葉で言えばサステナブルでないので、DXを推進してサステナブルな業界にしたい思いがあります。

個人的には前職の初期配属が神戸港の倉庫だったので、神戸港に思い入れがあるのですが、世界のコンテナ取扱個数ランキングでは1970~80年代にはトップ3だったのが、阪神・淡路大震災をきっかけに取扱量が減少していき、今では70位くらいになっています。個人的にこれはけっこう寂しいことだなと思います。

日本の良いものを世界に、世界の良いものを日本にもっと広めていく懸け橋としてShippioが存在できる世界、というのはかなり可能性を感じますね。

齋藤(totonoü)
本当にそうですね。別に僕らはShippioさんを独占する権利もないので、例えば日本でもサウナの輸入がもっと盛んになっても面白いなという風には思います。それによって僕らは、会社としては「”サウナと共にある暮らし”を日本で最速で実現する」ことを目指しているので、オペレーション面はもちろん会社の強みになるとは思うんですけど、最終的に全事業者がShippioさんのシステムを使って効率化できたという状態で、例えば先程も仰っていただいたようにtotonoüのサウナは木材の匂いが良いよねとか、長持ちするよねとか、世界観が好きなんです、とかそういう所で競争が起こるということが健全なんだろうなと思います。

津崎(Shippio)
いやぁ面白いですね。ありがとうございます。
totonoüさんの経営課題が解決されていったストーリーを振り返ってきましたが、ただ振り返るだけではなくて、今後totonoüさんとShippioとの間でどういう可能性があるか、また業界としてもどういう可能性があるかということにまで話が広がったということが面白かったですし、そもそもお客様、荷主の方と物流事業者がこうやって話し合っているというこの世界観がまずとても素敵なことだと思いました。

齋藤(totonoü)
やはりどんなにプロダクトが素晴らしくても最後はやっぱり人なので、そういう意味で僕らは良いパートナーシップが築けているんじゃないかなと思います。
津崎(Shippio)
そうですね、話は尽きませんがこの辺りで終わりにしたいと思います。
今日はお時間いただきありがとうございました。とても楽しかったです!

齋藤(totonoü)
こちらこそありがとうございました。引き続きよろしくお願いします!

5.インタビュー後記

今回はShippio起用前後でのお客様の貿易業務の変化を中心にお話しいただきました。
改めて強調したいのは、

  • デジタルフォワーダーという業態だからこそ解決できる顧客課題がある

  • 貿易業務に関わる課題を解決することはお客様のビジネス競争力を高めることに直結する

ということです。

しかしながら、まだまだShippioがご支援できている企業は限られており、サウナ業界に限らず煩雑なコミュニケーションや業務フローによる業務負荷の増大を解決できずに困っている企業の方が多いと思っています。

最後に少しだけ私個人のお話をさせてください。
私は2020年に大手物流企業でキャリアをスタートし、神戸港の保税倉庫での荷捌き業務や、フォワーディングのオペレーター業務を経験した後に2022年10月にShippioにジョインしました。

その当時教えてもらった「もし私たちが諦めてしまったら、そのモノに込められた人の思いは実現しなくなる。新しい可能性がしぼんでしまう。」という言葉は今でも大切にしています。

煩雑な業務フローの中に自分が組み込まれてしまうとどうしても右から左へ捌くだけの単純作業に思えてしまいますが、この言葉は物流事業者はモノを売りたい人、買いたい人の契約が成立した時に初めて登場する存在である事、モノを運ぶという事は、売りたい人、買いたい人、更には作った人の思いも背負っていることを思い出させてくれるものでした。

前職では輸送した事が自体がニュースになる様な案件にも関わる機会がありましたし、他社のフォワーダーさんで断られてしまった案件をどうにか輸送できないか?とご相談を受ける機会もありました。

ただ、実際の所モノを運ぶこと自体に価値が見出されるのは非常に稀です。物流の価値はトラブルなく運び続けることで、ニュースにならないことである、これは2021年のスエズ運河でのコンテナ船座礁の影響を受けてインスタントコーヒーが飲めなくなるかもしれないというニュースを目にした時に感じたことです。そんな当たり前を支え続けること自体に価値があるにも関わらず、どうしても物流=コストという見られ方をしてしまうことにモヤモヤ感を抱えていた時に出会ったのがShippioでした。

例えば大手の物流企業は「他社が運べないものをどうにかして運び続けること」が大きな価値になりますが、全ての案件が難しい輸送というわけではありません。他社との差別化が結局はコスト面になってしまうことも多いです。

しかし、Shippioでは前述の通りデジタルフォワーダーという実手配もシステムも提供することにより、業務効率化を実現したり、お客様のビジネス競争力を高めることが可能です。

この唯一無二の価値は絶対に貿易業界を変えることができる、そんな思いで入社を決意しました。

今回のtotonoüさんとの取組みは、Shippio入社時に持っていたその思いが少しだけ叶えられたものだったと思います。

Shippio導入前のtotonoüさんのように課題を抱えたまま貿易業務をされている荷主企業の方に本記事をご覧いただき、少しでも多くの企業の貿易業務が”ととのう”きっかけになれば幸いです。
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