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貿易業界の「カスタマーサクセス」とは何か、貿易テックCSの現在地と目指す姿

はじめに

はじめまして、Shippioカスタマーサクセスマネージャーの関本と申します。
このnoteでは、みなさんの日常に一見馴染みがない貿易業界について、今どんな問題何が起こっているのか、それに対して私たちShippioは何をしようとしているのかということをつらつらと書いていきます。

〇〇DXという言葉をよく耳にする様になりましたが、私たちが取り組む貿易DXはこの上なく難易度が高く、その最前線のShippioで業界課題に向き合うカスタマーサクセスはめちゃくちゃ面白い仕事だということを知って、少しでも貿易業界自体にも興味を持ってもらえたら嬉しいです!

Shippioって何してる会社?

海外で作られたモノを日本へ、日本で作られたモノを海外へ運ぶ貿易(国際物流)手配を行う"フレイトフォワーディング"という業界があります。
海外旅行に行く際、旅行代理店に行き先や日程を伝えるとホテル・航空券・現地の輸送手段までワンウィンドウで手配をしてくれるのと同じように、
お客様(荷主)のご希望・ご依頼にあわせ、航空会社・船会社・海外の税関手続きやトラック手配を行うエージェントとの調整を一手に引き受け、国際輸送手配をアレンジしていく、いわば貨物版旅行代理店のような存在がフレイトフォワーディングを行う事業者=フォワーダーです。

しかし、この貿易の手配・手続きは、紙や電話、FAXのやり取りを通じた非常にアナログな業務(ときにはタイプライターが登場することも!)が多く、業務効率化の妨げになっています。

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その中で、Shippioは、自社開発をしたクラウドサービスをお客様とShippio双方が活用することでこれらの手配・手続きを効率的に進める『デジタルフォワーディング』事業を行っています。
デジタルフォワーディングサービスの提供により、お客様の貿易業務を効率化するだけでなく、サプライチェーン全体の変革を担うDXパートナーとなることを目指しています。

そもそも、なぜ貿易業務は煩雑・非効率は解決されてこなかったのか?

何十年・何百年という貿易の歴史の中で、何度かのツールの変更(郵便⇨テレックス⇨電話やメール)はあるにせよ、基本的な業務フローは大きく変わってきていません。
それは、
①荷主/船会社/税関当局など、関与する登場人物が多く情報のやり取り、通信手段が統一されていない
②国境をまたぐ取引のため、商慣習と規制が複雑
③商品現物を取り扱うことや、官庁対応のため、現場・原本対応が多くデジタル化が遅れている

といった業界構造上の要因に加え、
新たな価値やイノベーションを生み出す源泉である顧客体験という概念自体が存在しなかったことも非効率が放置されてきた要因の一つです。

例えば、メルカリで売買が成立すると売主・買主は商品の発着・輸送中のステータスの確認をメルカリという1つのプラットフォーム上で完結することができますが、国際物流の領域で同じような顧客体験を提供しているサービスはほぼ皆無です。

そのため、右から左に書類や貨物が届く(なるべく安く)という物理的価値以外はほとんど考慮をされず、品質差が出にくくコモディティ化が進む⇨単価が下がる⇨品質や顧客体験向上に投資できない⇨煩雑・非効率が放置される、という悪循環に陥っていると捉えています。

次からはShippioが顧客体験を重視する理由、Shippioカスタマーサクセスが担っている役割について紹介していきます!

なぜ、顧客体験=物流体験をShippioは重視をするのか

それは、Shippioの提供する顧客体験が、お客様の課題を解決し、新しい価値を提供すること、そして、Shippioの掲げるビジョン・ミッションを実現する上で大切なファーストステップとなるからです。

「届くのが当たり前、かつなるべく安く」と言う物理的価値重視は、現場のカイゼン力で何とかできた時代には大きく問題とはなりませんでしたが、今後加速度的に進んでいく労働人口の減少・高齢化やデジタル化の波を前に、煩雑さ・非効率を放置することは物流業界・荷主双方にとって、競争力や持続可能性を失う要因となることは明らかです。

Shippioは、情報技術を活用してこれまで何百年と続いてきた近代貿易の先にたどり着く= ”貿易を超える”を会社のビジョンとしています。
このビジョンの達成のためには、顧客体験向上をスタートに顧客課題の解決、次のスタンダードの創出へと繋げていくことが不可欠です!

Shippioカスタマーサクセスは、「理想の物流体験を社会に実装する」ブースターであり、伴走者

Shippioは、貿易の複雑なフローを簡略・効率化するクラウドサービスを開発・提供していますが、デジタル化により従来のアナログ業務を置換することはあくまで通過点・入り口に過ぎません。

デジタル化をスタート地点として、
・貿易業務の可視化・標準化を進めること
・標準化をベースとした業務変革を進めること

これらにより貿易領域に携わるすべてのステークホルダーの活動をより持続可能なものにしていくことが究極的なビジョンです。

しかし、何百年と続いてきた近代貿易の仕組みを一朝一夕に変えることはほぼ不可能です。

それゆえに、
①Value Delivery(価値提供)
お客様にとっても難しい挑戦のスタート地点である、アナログ業務のデジタル置換をスムーズに行ってもらう(=クラウドサービスを十分に利活用いただく)ことで、業務プロセス改善の小さな成功体験を作っていく

②Success Engineering(課題解決設計)
共創関係を築き、双方の課題点を共有し、理想の物流体験を目指すためのたゆまない改善を繰り返すことにより、貿易の仕組みや業務の変革、顧客事業の成長/成功に繋げていく

この2点がとても重要です。

Shippioカスタマーサクセスは、
1. クラウドサービス導入サポートを通じた顧客体験のブースター
2. 顧客の課題はなにか成功は何かを捉え、成功のための阻害要因・障壁の特定、解決のための伴走者

として「理想の物流体験を社会に実装する」ための推進役として大切な役割を担っています。

では、具体的にはどんなことをやっている?

ここからは、Shippoカスタマーサクセス代表的な活動を3つほど紹介していきます。

①Value Delivery(価値提供)
〈クラウドサービス利活用のための導入支援(オンボーディング)〉
初回案件受注前後には、専任担当による操作説明会を必ず実施し、クラウドサービス導入という新しいチャレンジをされるお客様への支援を行っています。

(私自身がオンボーディングを担当するときは、Shippioクラウドサービスへようこそ!Welcome aboard!!!と心のなかで大声で叫んでいます)

カスタマーサクセスの基礎的な活動ですが、Shippioの価値をお客様にしっかり理解いただくための搭乗口としてとてもとても大切な活動です!

②Success Engineering(課題解決設計)
〈顧客の事業成長/成功への伴走〉
キックオフ面談
セールスがお伺いしてきたお客様の課題の再確認、ユーザーオンボーディングのゴールのすり合わせ、運用開始までのスケジュール、お客様とShippio双方のToDoの確認を行い、セットアップ〜運用開始までのお客様に孤独感や混乱を感じさせないための面談を実施しています。

Shippioを活用した課題解決のための航海図をお客様-Shippio間で描き、課題解決の航海を共にするんだという意識を持っていただく上でとてもとても大切な活動です!Bon voyage!!

フィードバック面談
トライアル運用終了後に必ず実施することにより、プロダクト活用面での課題を中心にShippioサービス全体のフィードバックを収集しています。ソフトウェアだけではなくフォワーディングオペレーションやセールス活動などサービス全体のフィードバックを収集する点が、Shippioならでは。

長い航海では計画通りに進むことばかりではありません。お客様の課題の解決によりスピーディに向かうため、取るべき進路を修正すること、必要な装備を見直す場として、とてもとても大切な活動です!

③Service Development(サービス開発)
〈カスタマーフィードバック共有〉
Bizサイド連携:お客様からのフィードバックは、Slack+社内Wikiでの周知+Bizサイド(セールス・オペレーションチーム)のDaily Check-outを通じてすぐに共有され、オペレーション面での改善を迅速に行う体制を作っています。
航海中のお困りごとはクルー全員が共有し、解決に当たろう!というカルチャーを大切にしています!!

開発連携:週に1回定例で開催されるプロダクト開発チームとのミーティングでは、カスタマーフィードバックの内容、背景を丁寧に共有した上で、次なる開発アイテムや開発の優先順位の検討していきます。

ここでは、お客様の声をそのまま開発に反映するのではなく、お客様の事業内容、サプライチェーン、輸出入業務フロー、組織体制、ユースケースなど様々な要素を考慮しながら、お客様の声の背後に隠れた「本質的な要求、課題、価値は何なのか」を徹底的に議論します。

Shippioの開発チームは、お客様や現場で起こっていること(一次情報)をとても大切にします。挑むべきイシューの特定やソリューション実装のため、それぞれの知見や仮説を持ち寄り、より良いサービスを作る開発連携はカスタマーサクセスの醍醐味です!

Shippioカスタマーサクセスの特徴・難しさ・やりがい

ここまでの話をまとめると、私たちの特徴はこんなところです。

①顧客体験を形作る要素が超複雑(プロダクト、セールスだけでなく、オペレーションも加わる)
プロダクト(ソフトウェア)だけではお客様の課題解決は難しく、フォワーディングオペレーションや見積・トラブル対応等のセールス、それぞれの機能が有機的に繋がって初めて、顧客体験の向上、顧客の成功に向かって進んでいきます。
複雑に結びついた要素を正確に把握し、顧客体験に落とし込むことはShippioならではの特徴、難しさです。

②レガシー産業に顧客体験という新しい概念を持ち込むための操舵手
これまで何十年もの間、アナログな業務に慣れ親しんできたお客様に対して、デジタルを活用した業務改革を推進することは、大胆かつ繊細な対応が必要となってきます。
その不安定なバランスの中でお客様が離脱せず、顧客体験を向上させていくためには、伴走者であるCSが社内外の関係者を巻き込みながら、フィードバックループを回して改善活動の舵取りをすることが重要です。

③プラクティスの確立されていない非サブスク型のカスタマーサクセスモデル構築に挑める
サブスクリプション型のカスタマーサクセスは、近年急速に重要性の認知・浸透が進み、ノウハウや方法論の蓄積が進んできています。(カスタマーサクセス界隈の人たちは知見の共有に対してとてもオープンですごい!私も日々勉強させていただいています!ありがとうございます!!)

一方で、Shippioのような非サブスク型のカスタマーサクセスは、まだまだ存在自体も多くなく、ノウハウが確立されているとは言えません。この領域で0からモデル構築ができる難しさ、面白さがあります。

これをみて、Shippioのカスタマーサクセスは非常に面白いということがわかっていただけましたでしょうか?
そうです、貿易DXは可能性だらけでとっても面白いんです!

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(CS・セールスチーム。左が私です)

まとめ

最後にお決まりのあれですが、
Shippioは現在一緒に貿易DXを進めてくれる仲間を探しています。
CSだけではなく、プロダクト開発やセールス、事業戦略まで本当に全方位でチャレンジしまくれる環境です!

中でもCSに関しては、様々な施策を走らせながら機動的に機能と役割を変化させていくフェーズです。やりたいこと、いっぱいあります。まだまだ人手が足りません。テクノロジーの力で巨大なインフラ産業を改革することに少しでも興味を持ってくれた方、ぜひ一緒に働きましょう!お待ちしております!

関本

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