Shippioのプロダクトはまだ2%しか完成していない!?残りの98%を完成させるためにデザイナーがやっていること
こんにちは!ShippioプロダクトデザイナーのMyraです。
先日PdMの柳沼が「貿易テックのプロダクト開発が最高に面白い3つの理由」 というnoteを投稿しました。
今回のnoteでは、Shippioがこれまでどんな課題に取り組んできたか、デザイナーはどのようにプロダクト作りに関わってきたかについてご紹介します!(また後日課題発見プロセスやUXデザインプロセスについて投稿します!)
国際物流の世界とShippioの立ち位置
国際物流では、多くのステークホルダーが関わっています。
国内の荷主、陸上輸送、船会社、倉庫、通関に留まらず、海外も同じように多数のステークホルダーがいます。
(ステークホルダー図)
貨物を海外から日本へ (もしくは日本から海外へ) 運ぶために、荷主企業は基本的にフォワーダーを使用しています。フォワーダーは陸上輸送・船会社・通関・倉庫の予約や日程調整を行いますが、それらのコミュニケーションの大半は未だに電話やFAXを主流としており、やりとりが属人化するため「伝言ゲーム」状態になっています。
そして、荷主企業やフォワーダーは大量の案件を書類で管理しています。
そんなアナログな実務が残る業界において、私たちShippioはデジタルフォワーダーとしての新しいサービスを提供しています。フォワーダーとして、荷主企業の輸出入に関する諸々な予約や調整などをクラウドサービスを通して提供し、面倒な日々のやりとりや書類の管理をなくすことで、荷主企業の業務効率化に貢献しています。
しかし、今Shippioが提供しているプロダクトはまだ2%しか完成していません!
Shippioが実現したい世界は、フォワーダーとしてのサービスを提供することではありません。
貿易業界全体においてブラックボックス化された業務フローに「透明性」を与え、アナログな業務プロセスの「効率性」を再構築することを目指しています。これが、今後挑戦していきたい98%の世界です。
Shippioが今まで取り組んできた課題
現在Shippioは、荷主企業、フォワーダー、物流事業者など複数のステークホルダーに向けてデジタルフォワーディングサービスを提供しています。その中でも特に注力しているのが荷主企業向けのソリューションです。アナログな作業に慣れている荷主企業の貿易実務者でも気軽に使えるユーザー体験にこだわり、根本的なペインを解決できるようにプロダクト作りに力を入れています。
今日はShippioが提供する、3つのソリューションについてご紹介します。
1. 案件情報の一元管理
従来、貿易実務者の案件管理方法は、情報をさまざまな基幹システムやメールからExcelへ転記したり、電話やFAXで関係者に共有したり、必要なファイルを紙書類として保管することが一般的でした。
貨物はどこからどこまで、どこを経由して、どの本船とコンテナで運んでくるのか、予定通り出発・到着できたか、その後の陸上輸送手配ができたかどうか、盛りだくさんの情報の中で、必要なタイミングで必要な情報を把握することがとても重要になってきます。
Shippioのクラウドサービスでは、案件の進捗の自動更新、ファイルの一元管理、チャット機能が搭載され、案件ごとに必要な情報が集約されるため、 貿易実務者のスケジュール管理工数、及び貿易書類の管理工数を大幅に削減できています。
(マイルストーンで進捗確認)
2. リアルタイムな見積機能
通常、案件の見積もりを作成・発注するためには貿易実務者がフォワーダーに何度もメールや電話で見積内容を問い合わせ、貨物の輸送条件や依頼範囲、レートについて繰り返し確認する必要があります。
Shippioのクラウドサービスでは、リアルタイムで見積機能を提供しているので、さまざまな依頼条件や貨物量に応じてスピーディなコスト比較ができ、すぐに発注することが可能です。
この機能により、貿易実務者の見積・発注作業も大幅に効率化されています。
(見積機能)
3. 倉庫会社向けのプラットフォーム
従来の貿易実務では、荷主が貨物を納品するまでに、荷主⇄フォワーダー⇄貨物を保管する倉庫会社との間で、事前に必要なファイル共有、納品日調整、車両手配など、伝言ゲームのようなやりとりが頻繁に発生しています。
Shippioが倉庫会社にクラウドサービスのゲストアカウントを提供し、3者間のチャットや情報共有を促進することで、コミュニケーション工数を大きく削減することができています。
Shippioのプロダクト作りにおけるUXデザイナーの大事な役割
Shippioのプロダクト作りへのこだわりは、ユーザー中心に体験設計をすることです。
ここからは、Shippioで特に大切にしている3つのUXデザイン手法についてご紹介します。
また、Shippioではデザイナーはプロダクトマネージャーやエンジニアと一緒に考えながら業務を進めることが多いため、プロダクトマネージャーやエンジニアと、UXデザインについての共通認識を持つことも大切にしています。
1. ペルソナの策定
輸出入の案件を一元管理する機能や倉庫向けのプラットフォーム画面を設計するために、貿易実務者や倉庫の担当者はどんな情報がほしいのか、どんな行動を取りたいのか、どんなペインを感じているのかを貿易実務者にインタビューしたり、社内のドメインエキスパートへヒアリング調査を行い、ペルソナを作成しました。これによって対象となるユーザーの解像度が上がり、開発メンバーの共通言語を作ることができました。
2. ユーザージャーニー・サービス全体像の可視化
貿易業務には多数のステークホルダーが関わっています。良いユーザー体験を創るために、どのステークホルダーが、どのタイミングで、どのように関わっているのか、サービスの流れを把握することがとても大事です。例えば、使い勝手の良い見積機能を提供するために、あらゆる輸送条件や依頼範囲への理解が必要となります。
システムの全体像を捉えた上で、ユーザー体験を定義しています。
(サービスブループリント一部省略)
3. ユーザビリティテストの実施
Shippioにある多くの機能はまだMVPです。
ユーザビリティテストを通してユーザーの生の声を収集したり、ツールを用いてユーザーの行動を観察するなど定量的にユーザビリティを測り、改善点をデザインに落とし込むことでプロダクトを進化させています。
Shippioがこれから挑戦していきたい世界
Shippioはかなり完成されているプロダクトに見えるかもしれないのですが、タイトル通りShippioの描きたい世界はまだ2%しか完成していません!
現在Shippioが提供しているのは、主に荷主企業向けのサービスです。海外のシッパー(※貨物の仕出し人)、通関業者、船会社、倉庫会社といった他のステークホルダーの抱えている課題を解決するためにできることは、まだこれからたくさんあります。
貿易業界のブラックボックスを透明化するために、更なるユーザーリサーチを行い、デザイン思考で複雑なシステムを可視化していくことが必要です。
また、現在私たちが荷主企業の業務効率化に貢献できているのは、Shippioをフォワーダーとして使っていただいた際の案件分だけです。荷主企業と他のフォワーダー企業とのアナログなやりとりはまだ改善できていません。
Shippioがこれから実現したい世界は、荷主企業内外の全てのステークホルダーが活用できる貿易プラットフォームです。そのためにはこの未来を一緒に描いて、実現していってくれる仲間が必要です!
私たちShippioでは、そんなチャレンジを一緒にしたいと思ってくれる仲間を募集しています。この記事をご覧いただき、少しでもShippioに興味をお持ちいただけましたら、末尾のリンクよりお気軽にご連絡ください。
ここまで長文にお付き合い頂き誠にありがとうございました!
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