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無限遠点 【詩/現代詩】


新年を迎えるにあたり
キャプテンに質問します

この宇宙に浮かんでいる
数知れない星のなかで
生命のある星は
どのくらいあるのですか?


(宇宙とは
 完全なる静寂である)

…静かです

(あくびが出てしまうくらいに)


僕たちは
一日のほとんどを読書をして過ごす

この母船には
巨きな図書館があって
一日で1000冊を読む
強者もいる

僕なんかは
一行を読むのに

100年はかかる

読めば読むほど
謎は深まるばかり、

時の流れが遅くなる、


読み終わるのに
10億年
は かかるでしょう


君は
60秒で読み終わる

僕ら

超、

加速度的に遠ざかっていく

瞬間と
永遠のあわいに
チェレンコフ光が
ひとかけら

宇宙の岬の
遠ざかっていく突端で

(すれ違うことはありますか?)

(発見される可能性は?)

(キャプテン、どうして答えてくれないのですか?)

遠い世界のノイズが
100億年前のノイズが
ひとかけ

一行を読むのに
1000年 10000年 100000年

(どこまでも心をさまよわせて)

(1000年なんて一瞬さ)

宇宙とは

時空とは

「「「「「「 塵

(平行な二直線は無限遠点で交わります)

時たま

  チェレンコフ光の

    
         ひとかけ

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