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文フリ東京38振り返って【ありがとうございました!】

 こんにちは、隅木(shiosai)です。折り畳みの日傘がいよいよ手放せなくなってきました。今年の夏も暑くなりそう……。

 少し時間が経ってしまいましたが、2024年5月19日(日)に東京流通センターにて開催されました「文学フリマ東京38」にご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!
 おかげさまで楽しい一日になりました。

 今回が初同人だったので、今後のイベントのためにも、本稿では参加決定から当日までをざっくり振り返っていきます。


当日まで

 文学フリマの存在を知ったのは一昨年の秋、ちょうど「東京35」の開催直前期でした。この時は受験生だったので参加を断念し、受験が終わったら行こうという心積もりでした。
 そしてその通りに、昨年5月の「東京36」で初めてTRCに足を踏み入れ、サークル参加もとい出店への憧れが強まりました。

 その次、11月にあった前回の「東京37」に行って出店者として出る決意が固まったので、財布と相談しどうにか出店料が払えそうだと判断して、2月頭に出店申し込みをしました。すでに抽選対象外の枠は埋まっていたので、抽選結果の発表を待ちつつ、ひたすら執筆を進めました。遅筆なので、早めに準備をしないと間に合わないという判断からです。ジャンルを旅行記にすることは、自分のメインがこれだからと初めから決めていました。
 そして3月の初め、アイマスのライブで燃え尽きて体と心を休めている間に抽選の結果が発表され、無事にスペースをもらえたのでそこで出店料6500円を振り込みました。出店料を払えないとせっかく抽選をパスしてもキャンセルになってしまうので、間違いのないよう慎重に進めました。

 出店にあたって先にやらなければいけない手続きを一通り終えたので、Webカタログを編集します。サークル名とジャンルは申込時に予め入力済みなので、リンクを貼ったり説明書きを加えたりするのが主な作業です。変な細工はせず、必要な情報をわかりやすく伝えるのを第一にしました。

 あとは運営から送られてくるお知らせを注視しつつ、とにかく原稿の執筆を進めます。落としたら売るものがなくなってしまうので、必死です。

 妹に依頼した表紙イラストも2週間弱で無事に納品され、4月30日に何とかあとがきまで到達し、5月2日……正確には日付が変わって3日の夜1時半に印刷会社さんへの入稿と入金を完了させました。配送先と日時の指定は、間違えると会場に本が届かないという洒落にならない大惨事になるので、公式サイトに公開されていた出店案内とにらめっこして入力しました。スペースもこの辺りで公開された記憶があります。
 そのあと、連休を挟んで8日には印刷開始の連絡がありました。ここまでくれば、本が無事に出来上がって会場に届くのを待つのみ……いや、

 フリーペーパーを刷ろう!

 何やら作ってくる人が割といるらしいとのことなので、まだこの時点で余裕があったこともあり作ることを決定しました。メインが旅行記ならこっちは小説だ、と頑張ってアイデア出しです。しばらく小説のことが頭の片隅にずっとある状態でした。
 イベント1週間前の12日には、各種Webサイトを参考にして、会場に持っていくブックスタンドとB5サイズのケース、コインケースなど必要な備品を100均で諸々購入し、同日に運営から出店者証と出店案内が入った封筒も到着しました。しかしこの時点でフリぺの進捗はまさかのゼロです。

 大学の授業に出ながらちまちまと準備を進め、フリーペーパーの原稿が終わったのは18日の深夜1時でした。しっかりひと眠りして、いよいよ仕上げです。
 実はこの時点で敷布を買っていなかったので、100均での追加の買い物ついでに探しに行きます。幸いにして、同じデパートには手芸屋がありました。手芸もしないのに手芸屋に一人で突入する男性(20歳)、せめて手芸する人であれ。必要なサイズが90cm×100~110cmであることは把握していたので、幅110cm以内でそこまで高くなく、色と材質のよさげなものから布を選びます。初めて手芸屋というものに入りましたが、色とりどりの布が巻かれた状態でずらりと並んでいる、目移りしてしまって飽きない空間でした。
 ひとまず、ミントブルーっぽい色の薄手の布を90cm分購入しました。最初に買ってしまえば、今後のイベントではずっと使えるので、よい投資です。
 フリーペーパーも無事に印刷を終え、これで準備は完了です。あとはしっかり寝て19日を待つのみ!

当日

 来ました。

 東京流通センター!

 自宅から電車を乗り継ぎ2時間余、ついに到着です。東京モノレールの車内はキャリーケースや段ボール箱を持った人が多く、同士だ……と感動していました。
 着いたのは朝10時半、ちょうど出店者の入場受付が始まったタイミングだったので、すぐに展示場へ入ります。事務局から郵送されてきた書類に同封されている出店者証を忘れずに提示して、リストバンドと引き換えました。前回まではシールだった記憶があるので、変わったのはやはり入場有料化が関係しているのでしょうか。
 ちなみに、今回は表紙イラストを担当してくれた妹のKeaにも同伴してもらいました。同人イベントそのものが初めてですが、どんな感想を持つのか。

 入場したらまず自分のブースの位置を確認して、同じ机を使うお隣さんにご挨拶です。お互い初出店ということで、頑張りましょう、と気合を入れました。
 それから、宅配搬入の荷物の置き場に行って自分の荷物を受け取ります。新刊は印刷所から直接送るようお願いしたので、本がきちんと出来ているか、そもそも届いているかは当日までわかりません。

「荷物ある!本出来てる!!」

 やはり実体をもって出てくるとじーんとしますね。妹と2人して感動していました。
 本が準備できていることを確認できたので、あとは布を敷いて備品を並べて本を並べて、設営は完了です!

 12時の開始からは、あっという間でした。もちろん、ブースには僕か妹しかいない時間の方が圧倒的に長かったのですが、だんだんと混みあってきてにぎやかになる会場の雰囲気に酔いしれていました。他のブースを見てまわってきた妹いわく「圧倒された……」そうです。わかる。
 やはりイベントはよいものだ、と思いながら、一気に時間が過ぎていきました。気づけば終了の17時、拍手でそれぞれの頑張りを称えて、文学フリマ東京38は閉幕となりました。

 最終的に売れたのは30部中5部、1時間に1部売れた計算ですから、初回としては予想以上でした。

出店を終えて

 今回はいくつか反省点がありました。主だったものとしては、物品の用意が後手に回り直前でバタバタしたこと、SNSでの事前の宣伝(特に作品についての説明)が十分でなかったことの2点です。
 物品に関しては、今回やってみてさらに何が必要かがつかめてきたので、もう少し準備して次に臨みたいところです。
 また作品の宣伝はこのサイトとnoteとで行うにとどめたのですが(正直言うとTwitterに書影を載せてイラストを勝手に使われやしないかという不安がありました、ネットに載せる時点でどこに出しても話は同じなのですが)、影響力・拡散力があるせっかくのソーシャルメディア各種を上手く活用しなかったのは悪手だったかな、という気がしているので、どの情報をどうやって発信するかも今後の課題です。

 一方、刺激もかなり受けました。他の出店者の方々が出されている本は、どれも熱のこもったものでした。デザインから、装丁から、そしてもちろん内容からも、それぞれの作家さんのこだわりが見えました。自分だからできるものを作りたい、もっとよいものを書きたい! と心から思えて、新しい創作への意欲がぐっと高まりました。まだまだ頑張りたいです。

 同人イベントに出たことでもう一つ感じたことがあります。それは、自分の作ったものを求めてくれる人が、こんなにいるんだ、ということです。
 インターネットで細々と物書きをやってきて、その中でお褒めの言葉をいただいたり、反応してくださったりすることが時々ありました。本当にありがたいことです。ただ、これまでは書いたものになかなか自信をもてていなかったのもまた事実であり、今回の文フリを経てもまだ不安が完全に消えたわけではありません。読む人の生活をちょっとでも彩れるようなものを――僕がひそかに抱えてきた創作のモットーです。そうできているだろうかというぼんやりとした不安が、ずっと心の中にありました。
 しかし、今回初めて文学フリマという発表の場に出店者として立ったことで、読んでくれる人の存在を認識できました。インターネットだけでは、この喜びは感じられないと思います。
 終了後に出店報告を知り合いにしたところ、「読みたい」というメッセージが何件か届きました。自分の未熟な文章を知り合いに読まれる恥ずかしさはどうしても拭えませんが、それでも読みたいと願ってくれるのなら、と承諾しました。今まではペンネームも大っぴらにしていなかったくらいなので、これも文フリを経て大きく心境が変わった部分です。
 どこか自分の書いたものに対して不安を抱いていましたが、求めてくれる人がいるのだから、少しは自信をもってみてもいいのかもしれないと今は思えます。

 余談ですが読む側の反省点として、今回は本を全然買えませんでした……。Webカタログでの予習が十分でなかったのと、どうしても立ち読みだけするというのが気が引けてしまいできなかったのが理由です。ただ、出店者からすると立ち読みだけでも「作品に興味を持ってもらえた」と思えてとてもありがたかったので、恐れずまずは立ち読みから、積極的になっていきたいです。同人イベントはコミュニケーションをしてなんぼだというのも強く感じたので。
「この本気になる!」という自分のセンサーの反応を「いやでも買わなかったら申し訳ないしな……」とやり過ごすのではなく、ちょっとでも反応したら寄ってみる、そんな風にまわるのがいいのかもしれません。

 きっと今後もどこかの同人イベントに出没します。その時は立ち寄ってくださるとうれしいです。また会場でお会いしましょう!

 改めまして、ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!

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