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オンラインコースの学位をどう捉えるか ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #33

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

過去に読者の方から「オンラインで取得した学位は正しく評価されるのでしょうか?」という質問をいただいたことがあります。確かにこれからオンラインで大学院を目差す方にとって、この点は気になるところかと思います。そこで今日は、オンラインコースの学位をどう捉えるかについて私なりの意見をお話しします。

オンライン学習に対する見方は変わってきている

まずオンラインで取得した学位が評価の対象になるのはどういう場面かというと、おそらく転職や昇進、あるいはさらなる進学(博士課程等)などではないかと思います。最初に言ってしまうと、これらの場面で学位がどう評価されるかは最終的には個々の人事担当者や選考委員が決めることなので、私の立場からはっきりと言えることはありません。

ただオンラインで学位を取ったひとりの人間として感じるのは、ここ数年でオンライン学習に対する社会の見方が大きく変わってきているということです。

とくにコロナ禍以降、オンラインとリアルの融合はさらに進み、両者の境目はどんどんなくなってきています。リモートワークはすでにあたりまえのように普及していますし、社員教育や研修等の場面でもオンラインの活用が進んでいます。ビジネスパーソンが自己研鑽にオンラインを活用することはもはや一般的なことですし、むしろ多忙な日々のなかオンラインで自己研鑽に励んでいること自体、ポジティブに評価されることの方が多いのではないでしょうか。

ちなみに私個人の経験を振り返ると、まず面接等で大学院のコースの種類(対面かオンラインか)について聞かれたことがありません。それよりも何を学んだか、何を得たかについて聞かれることのほうが圧倒的に多いです。コースの種類が話題にならない背景には、もちろん対面以外の選択肢がないという方もいるでしょうし、あるいはその点を重要視していない方もいるでしょう。いずれにしても、自分から話題にしない限り相手に伝わることはないのではないかと思います。このマガジンでもお伝えしてきたとおり、オンラインで取得した学位は立派な学位です。そこにきちんと学びの実態が伴っている以上、対面による学位と変わりはありません。もしもなにか引け目のようなものを感じてご質問をいただいたのなら、その必要はまったくないと思います。どうかご自身の選択に自信を持ってください。私は過去にオンラインと対面それぞれで修士号を取得しましたが、その経験を振り返ってみても心からそのように思います。

ちなみに私は職業柄、オンラインで大学院に通ったことを積極的に公言していますが、ネガティブな反応を受けたことは一度もありません。むしろ興味を持たれたり好意的に受け止められることの方が圧倒的に多いです。会社員として働いていたころも、上司や周りはオンラインで大学院に通っていることを応援してくれていましたし、学習が進むにつれて社内でいろいろなことを任せてもらえるようにもなりました。オンラインかどうかに関わらず、周囲は私が学んできたことを正当に評価してくれていたと思います。また社外でいろいろなチャレンジをするときも、大学院で学んだからこそ巡ってきたチャンスは山ほどあります。私自身はオンラインで大学院に通って本当によかったと思っています。

海外大学の現状

ちなみに海外(とくに欧米圏)の多くの大学では、対面コースかオンラインコースかにかかわらず、卒業証明書は同じものが発行されます。学籍登録上ももちろん区別はありません。オンライン化が進む海外の大学では、多くの学生が日常的に対面とオンラインを組み合わせながら学んでいる現状があるからです。対面かオンラインかというのは彼らにとって流動的なものであり、きっぱりと二分できるものではありません。事実、私の学位証明書にも「オンライン」という記述はどこにもありません。学習にインターネットを活用することはもはや当たり前であり、区別する必要すらないということでしょう。

以前にもお話ししたとおり、大学での学びは社会をよりよく生きるための道標や給油所のようなものです。その視点に立つと、対面で学んだかオンラインで学んだかの違いはあまり本質的な問題ではないようにも思えます。

私の卒業証明書

さらに個人的な意見を述べさせていただくと、社会人が仕事や家庭を抱えながらも学び続けてきたという事実そのものが、その人の人間性をなによりも証明するものです。それはあなた自身が人生と真剣に向き合ってきた証拠です。さらに自己管理能力やリーダーシップ、交渉力、忍耐力など、さまざまな能力を持っていることの証にもなります。私はコロナ禍をきっかけに、こうした努力がもっと正当に評価される時代が来ると信じています。

オンラインコースの学位は立派な学位です。そしてオンラインから得られた学びも正真正銘の学びです。これからオンライン留学を目指される方は、どうか自信をもってその道に進んでください。そしてたくさんの希望とワクワクを胸に、新しい世界に飛び込んでいただきたいと思います。

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このたび、私のnoteで連載してきた「オンラインで海外大学院に行こう!」マガジンが書籍になりました。

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