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安く(または無料で)学べる世界の大学オンラインコース ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #32

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

ここまでオンライン留学の魅力をさまざまな角度からご紹介してきました。
とはいえ「いきなり大学院はハードルが高い……」という方もいるかと思います。

そこで今回はもっと気軽に海外の大学にチャレンジできる選択肢をいくつかご紹介します。無料で学べるものもあるのでぜひチェックしてくださいね。


MOOCs(大規模公開オンライン講座)

オンラインで気軽に海外の授業を体験してみるには、まずMOOCs(Massive Open Online Courses)をおすすめします。

MOOCsとは、世界の大学がオンラインで提供する短期コースの総称です。パソコンとインターネットさえあれば誰でも無料で受講することができます(修了証や単位認定を得るには有料となる場合があります)。いつでも・どこでも・誰でも学べる点が支持され、世界中の人々から利用されています。

基本的にはビデオを見ながら独学で進めるものが中心ですが、なかには受講者同士のディスカッションや交流を取り入れているものもあります。とはいえ時差への配慮から非リアルタイムで進めるものが主流です。最近は多言語化が進んでいて、なかには日本語で受講できるコースもあります。

MOOCsは専用のプラットフォームから視聴できます。おもなプラットフォームは次のとおりです。

【代表的なMOOCsプラットフォーム】
Coursera
EdX
FutureLearn
Khan Academy
Udacity
Udemy

各国の公開大学(放送大学)

公開大学(放送大学)とは、国民に広く学習機会を保証するために設立された大学です。日本にも「放送大学」という名称で存在するのでご存知の方も多いかと思います。

公開大学は1969年にイギリスで誕生し、以降各地に広がっていきました。一定の年齢に達していれば誰でも入学できるため「公開大学」(オープン・ユニバーシティ)と呼ばれています。テレビやインターネットによる遠隔教育を基本としており、授業料が安いのが魅力です。所定のコースを修了すればもちろん学位が取得できます。

世界のおもな公開大学は次のとおりです。

●北アメリカ・環太平洋

Open Universities Australia(オーストラリア)
Athabasca University(カナダ)
Open Polytechnic of New Zealand(ニュージーランド)

●ヨーロッパ

The Open University(イギリス)
Open Universiteit(オランダ)
FernUniversität in Hagen(ドイツ)

●アジア

Indira Gandhi National Open University(インド)
Korea National Open University(韓国)
The Open University of China(中国)
The Open University of Hong Kong(香港)
放送大学(日本)

●アフリカ

University of South Africa(南アフリカ共和国)

その他特色のある教育機関

そのほか、教育の普及を目的として各地の団体がオンラインで教育を提供しています。一部をここでご紹介します。

●Open Educational Resource university (OERu)

OERu (Open Educational Resource university)は世界各国の大学が有志で運営する無料オンライン講座です。UNESCOの支援を受けて2011年にスタートし、現在40校を超える大学が参画しています(2023年時点)。通信教育で有名な米ペンシルバニア州立大学や、イギリスのオープン・ユニバーシティ、カナダのアタバスカ大学などが携わっています。

OERuの最大の特徴は「オープン教育リソース(Open Educational Resource、略:OER)」という無料オンライン教材を活用していることです。これにより大幅に運営コストを削減しています。一方で提供するコースはすべて参加大学が直接運営しており、教育面のクオリティを維持しています。
Open Educational Resource university

●University of the People (UoPeople)

University of the People (UoPeople) はアメリカに本拠を置くオンライン大学です。通信教育の認定団体であるDEACから大学としての認定を受けています。UoPeopleは経済的に恵まれない若者へ大学教育を提供するために2009年に設立されました。ビジネスやコンピューターサイエンスなど実学分野を中心に学科を設けています。

UoPeopleも学費は原則無料です(※単位認定には料金がかかります。コースあたり120ドル~と安価に設定されています)。上述のオープン教育リソース(OER)を活用することでコスト低下を図ったり、マイクロソフトやGoogleなどの支援を受けることで学費無償を実現しています。教育面もハーバードビジネススクールやUCバークレーなどと提携し、質の向上に努めているようです。オンラインであることを生かして世界中から受講者を受け入れており、日本からの受講者も増えているようです。
University of the People

海外大学の日本校

そのほか海外大学の日本校という選択肢もあります。たとえばアメリカの州立大学であるテンプル大学(ジャパンキャンパス)では、日本の社会人向けにさまざまな講座を開講しています。もともとは世田谷のキャンパスでの対面授業が主流でしたが、最近はオンラインのコースも増えているようです。英語で開講されているコースが多いので、海外大学の雰囲気を味わうにはよい選択肢です。
テンプル大学ジャパンキャンパス 生涯教育プログラム

今日は海外大学の授業を気軽にお試しできる選択肢をご紹介してきました。まずはこういうところから相性をチェックしてみるのもいいですね。興味を持ったものがあれば、ぜひ試してみてください。

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