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キャリアコンサルタントの講習(実技)と労務はつながっている、と思った話

IT企業で労務を担当しています、新井と申します。
労務 Advent Calendar 2022 の11日目、キャリアコンサルタントの講習(実技)を受けた感想を書かせていただきます。
※今回ご紹介する講習は、資格が無い方も受けることができます!

キャリアコンサルタントとは?

「キャリアコンサルタント」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言や指導を行う専門家(国家資格)です。取得後は5年ごとに資格更新があり、更新時は筆記と実技でそれぞれ指定された単位分の講習を受ける必要があります。
※この記事は更新のために受講したログで、「実技講習」にフォーカスしています。

なお、「人事はキャリアコンサルタントと産業カウンセラー、どっちを取得したらいいの?」という問いについては、人事労務の方が書かれたnoteがありますので、そちらもぜひご覧ください。

講習(実技)のコンテンツ

色々な会社が講習を提供していますが、私は日本キャリア開発協会が提供する講習を受けました。資格が無くても受講可能なものもあります。

※コンテンツ例

仕事とがん治療の両立支援
メンタルヘルスの問題を抱えるクライエントへの対応
多様な性(LGBT等/SOGI)の理解と対応
ミドル・シニア層のキャリア支援

上記の通り、仕事に限定せず様々なコンテンツがあります。実際に講習で行う模擬面談でも、相談内容は仕事以外でもOKな回も結構ありました。「キャリアコンサルタントは労働者の職業の選択を~」と言いつつも、付随する悩みは色々ありますので、『キャリア=仕事を含む人生そのもの』と広義にとらえているのが良く伝わります。

講習(実技)ってどんなことするの?

最初に簡単な説明をうけた上で模擬面談を実施し、振り返りを行います。
ほとんどの模擬面談で、相談者役、コンサルタント役、オブサーバー役を回していくので、3者の視点を経験することができます。

ちなみに、講習は前提として『心理的安全性』が大切にされます。
・相談内容は、その講習以外で一切口外しない
・話す範囲は相談者役が決めて良い(話したくない、もOK)
・人の意見や感想を否定しない

また、冒頭で『キャリアコンサルタントは職業選択の際に助言する役割』と記載しましたが、実際の講習では(助言に必要な)専門知識の習得というより『傾聴※』の練習にフォーカスします。
『傾聴』は心理学者カール・ロジャーズによって提唱された技法で、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3要素から成り立つと言われています。

講習や勉強会ではよく「キャリアコンサルタントは鏡である」とも言われるのですが、それは『キャリアコンサルタントは答えを持っている存在ではなく、相談者の感情や経験を映す/再生する役割を通じて、相談者がまだ言葉にできてない価値観/感情/●●したいという思いを、一緒に言語化していく存在』と考えられているためです。(具体的なステップを考えるのはその後)

一緒に言語化するためには、まず相手の気持ちを同じように味わう努力が必要ということで、模擬面談を通じて『傾聴』を徹底的に練習します。

講習(実技)と労務との関連性

この『傾聴』が労務と繋がるのでは、というのが結論です。

労務は仕事柄、業務上のお悩み相談、休職相談、ハラスメントに関する相談…など相談を受ける機会が多い職種です。
※なお、人事とコンサルタントを兼務して社員の相談にのる、といった多重関係を結ぶことは『キャリアコンサルタント倫理綱領』で禁止されていますので、あくまで労務として相談を受ける場面に限定します。

相談者の性格や内容によりますが、誰かに相談するのは意外と勇気がいるものだったりします。その勇気を考慮すると、労務としての中立性や公平性は前提としつつも、傾聴を通じて「ちゃんと話を聞いてくれた」と安心してもらうこと、(内容によっては)相談者ご自身が次のステップを踏み出す後押しをするのも、相談窓口としての労務の役割なのかなと思います。

「傾聴」に興味を持った方へ

労務の勉強会は様々開催されていますが、傾聴を実践的に練習できる勉強会は少ないように感じます。「傾聴って聞いたことはあるけど、実際はどんな風にやるの?」「自分は傾聴できてるのかな?」と思ったら、思い切って実技講習を受講することをおススメします。

講習テーマ的に労務に直結しないものもありますが、傾聴を学ぶ上ではどれも有益ですので、面白そうなテーマに飛び込んでみてください。
日本キャリア開発協会の講習はこちら

こうして書いている私もまだまだ修行中の身ですので、講習と実践を交えつつ…傾聴を学び続けたいと思います。

以上、お読みいただきありがとうございました😊

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