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和菓子をどうぞ

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すこやかに、しあわせにー。今も昔も変わらぬ願いを込めてつくり味わい、伝えられてきた日本のお菓子。今この時をともに迎えられた喜びに、この先もつつがなく過ごしてゆけるよう祈りを重ねて… もっと読む
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#立春

2/4〜18 立春のお菓子『雪うさぎ -ゆきうさぎ-』

2/4〜18 立春のお菓子『雪うさぎ -ゆきうさぎ-』

提供: 2/4〜18
菓銘: #雪うさぎ
羽二重餅(卵使用) | 黄味餡

節切りという暦の考え方では立春から一年がはじまります。今年の干支「癸卯 みずのと う」にちなんで雪うさぎを求肥にメレンゲを練り混ぜた羽二重餅でおつくりしました。中は玉子の風味がやさしい黄味餡です。

「卯」は本来「ぼう」と読まれ、うさぎ(兎)の意味ではなく、草木が茂る様子を意味します。二十四節気の月では3月上旬の啓蟄から春

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2/4〜18 立春のお菓子『東風 -こち-』

2/4〜18 立春のお菓子『東風 -こち-』

提供: 2/4〜18
菓銘: #東風 -こち-
薯蕷練切 | 赤こし餡
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東風とともに春の訪れを告げる梅の花を薯蕷練切でおつくりしました。中は小豆のこし餡です。
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春の風を意味する「東風 こち 」。現代の日本では三月から五月を春とするため、春風といえば四月頃の南寄りの風を指しますが、本来は立春の頃から吹き始める東寄りの風こそが春風。寒さがわずかに緩み、湿った空気が上空に昇るときに吹く風です。し

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2/12〜17 立春のお菓子(2)『梅ヶ香 -うめがか-』

2/12〜17 立春のお菓子(2)『梅ヶ香 -うめがか-』

提供:2/12(金)〜17(水)
菓銘: #梅ヶ香
ういろう/梅餡
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『東風吹かば匂いおこせよ梅の花
   あるじなしとて春を忘るな』菅原道真
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日本では早春の頃の天候を指す「三寒四温」。光を増す太陽に温められた地上近くの大気と上空のいまだ凍てつく大気が交互に昇降することで起こります。そうして全体が少しずつ温められることで次第にうららかな春へ。それまでは大気がかき混ぜら

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2/3〜17 立春のお菓子『香雪 -こうせつ-』

2/3〜17 立春のお菓子『香雪 -こうせつ-』

提供: 2/3〜17
菓銘: #香雪
今年も立春を迎えました。早春は寒さがゆるむ日と戻る日と、寒暖が行きつ戻りつしながら春の景色が彩りを増していきますが、そのさきがけとなるのが梅の花。稀少な白小豆が手に入ったので粒餡で紅羊羹に仕上げて雪の下に咲く梅の花に見立てました。上はふわりとした軽羹です。
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梅は紅→白の順で咲くと言われますが、紅梅がほころび始めるのはまだ寒い時期。暖かさに誘われてほんのり匂

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2/3〜7 立春のお菓子「春告草」

2/3〜7 立春のお菓子「春告草」

提供:2/3(月)〜7(金)
菓銘: #春告草
春の訪れを告げる梅の花を山の芋を使った薯蕷練切でおつくりしました。中はこし餡です。
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三日の節分があけると立春。今年もまさしく立春寒波ですが、どんなに寒くても夜明けの時刻はみるみるうちに早くなり、日の入りもだんだんと遅くなって日足の長さに春の訪れを感じます。
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菓銘の春告草は梅の別名です。かつて「梅は岡本、桜は吉野」とまで謳われ名を馳せた岡本の梅

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