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梅シロップ

いつからか、母が毎年梅シロップ、年によっては梅酒も作ってくれます。
氷砂糖と梅が入った容器をたまにぐらぐら揺らして見ていると、
「まだ飲んじゃダメだよ」
とよく言われましたし、2月前に実家に帰ったときも言われました。(笑)

ピアノの下やキッチンの隅に置かれるその梅シロップと梅酒の容器を見ていると、発酵していく過程を見ているからか、
時たま、その容器の中身が生き物のようにも思えました。

容器の中では段々梅が萎んでいきます。
琥珀色の液体ができ、それがとても綺麗でした。
その萎んだ梅をたまに取り出して、口の中でころがすのも好きです。

いざ実際に梅シロップを炭酸で割って飲んでみますと、
梅の甘さと少し口の中がすぼめられる感覚があり、毎年これを飲むと夏だと感じます。

今年の年明けから私は一人暮らしをしているので、
今年は実家に帰ったときに飲めればいいなと考えていました。
けれど先週帰ったら、ペットボトルにシロップだけを入れて持たせてくれたのです。

帰ったその日、透明のグラスにまず氷を2つ、3つ入れました。
その上からとろりとした梅シロップを入れると、カチ、カチという氷が溶ける音がします。その後に炭酸を入れると、少し黄みがかった、綺麗な飲み物の完成です。
コップの中身をよく見ると、梅シロップがゆっくりと炭酸の中を漂っているのが見えます。

母に梅シロップのお礼をLINEすると、返信がありました。
「梅はクエン酸がたっぷりあるから、夏バテ防止になります。暑い日に飲んで元気をチャージしてね!」とのこと。
今も、梅ジュースを飲みながらこれを書いています。
自分にもう少し余裕ができたら、自分でも梅シロップを作ってみたいです。


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