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Essay

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2023年11月の記事一覧

その記憶は寒くて、甘く、そしてあたたかく

その記憶は寒くて、甘く、そしてあたたかく

この前の土日は、朝、目を覚ましただけで、
空気の色が白くなったのがわかるような、
そんな曇り模様でした。
色が褪せ始める草木もあれば、
嬉々として衣を赤や黄、橙に変化させる葉もあります。

窓の外を眺めると、
鼠色の雲が垂れこめていました。
"独り" という言葉も浮かびそうな
しんとした寒さが、窓越しで感じられます。

でもわたしは、薄れない、わたしの中での大事な記憶を
思い出し、冷えている指先

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空が広くて、海はそこにあり

空が広くて、海はそこにあり

海がちかい街に引っ越して、四か月。
自宅から自転車で二十分の距離に海があるので、人によっては「近い」というより「行ける」距離かもしれません。
でも、圧倒的に前住んでいた処よりかは
海に顔を出すことが多くなりました。

彼とパンを浜辺で食べたり、
ひとりで夕方、海を見に行ったり。
この街はわたしたち人が「いる」という事実よりも、
空、雲、風、海が目前に「ある」という事実のほうが尊重されているように思

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