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しおの雑文庫

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つれづれよりもラフに、楽に。 雑な話をしていく。 iCaとかで適当にテーマ決めて書きます。
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#短編小説

【小説】リリの電話

【小説】リリの電話

リリの電話

 白山リリは町でいちばん嫌われている女の子だ。果樹農家がいくつか並ぶ山の付近の、誰が見てもボロ小屋としか思えない小さなアバラ小屋に住んでいて、片親で父親は酒浸りで、職も就かない、町の中でも有名な鼻つまみものだ。
 それなのに、リリはクソがつくほど美少女だ。
 亜麻色の長くて軽やかな髪、長いまつ毛に囲われたガラス細工みたいに透き通った瞳。白い肌に小さくて細い顎。身長は中学三年生らしい平

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星の箱

星の箱

 箱をこじ開けると、悪魔が飛び出た。
 星雲とブラックホールを混ぜ合わせたような靄は響く笑い声とともに渦を巻き、ヒトの形を成していく。掌に乗るほど小さな箱の上に、先の尖った靴が揃えて乗った。重さがまるでない。ホログラムでないのなら、悪魔だ、と青年は思った。
「眩しい!」
 細身ので長身すぎる、真っ黒な服に身を包んだ男は、近すぎる照明に退いた。
「箱を地面に置くかなにかしてくれないか」

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風の街

風の街

 むかしむかし、あるところに少年がおりました。
 そこは寂れた場所で、見えるものといえば風化した白い壁、屋根のない家、誰もいない通り道、死にたくなるような青空だけでした。
 その街はなにもなく開けた場所でしたが、風は吹き抜けませんでした。
 少年は毎日、ぼろぼろになった壁の縁に座り、雲のない空を見上げていました。うっすらとでも雲が見えれば、風が吹いているかどうかを見定めることができるか

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