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【情報について考える】アマビエは地震と津波を呼ぶ妖怪?

1 Twitterで流布される真偽不明の情報

上記がTwitterのタイムラインに流れてきた。

そんなわけない(笑)どこからの情報ですか?
と思ったので検証することにした。
(このツイートをされた方も伝聞だと仰られていましたが)

2 アマビエが載っている新聞

【アマビエ 】江戸時代後期の弘化3年4月中旬(1846年5月上旬に刊行された木版画。京都大学所有、京都大学附属図書館収蔵。(画像リンク

画像の右のページの古文を抜き出すと

肥後国海中え毎夜光物出ル所之役人行見るニづの如く者現ス私ハ海中ニ住アマビヱト申者也当年より六ヶ年之間諸国豊作也併病流行早々私シ写シ人々二見せ候得と申て海中へ入けり右ハ写シ役人より江戸え申来ル写也
弘化三年四月中旬


【引用以下】

現代文に訳すると(カッコ内)
肥後国海中え毎夜光物出ル所之役人行見るニ
(熊本県の海中へ毎夜光るものがでる場所へ役人が行ってみると)
づの如く者現ス
(図のような者が姿を現し)
私ハ海中ニ住アマビヱト申者
(私は海中に住むアマビエと言います)
也当年より六ヶ年之間諸国豊作也併病流行
(今年より6年間はどこの国も豊作だが併せて病も流行ります)
早々私シ写シ人々二見せ候得と申て海中へ入けり
(早く私の姿を写し人々に見せてくださいと言って海に入った)
右ハ写シ役人より江戸え申来ル写也
(右の図は写した役人から江戸へ送られてきたものの写しです)

ん···?ちょっとまて?

「6年は豊作だが病気も流行るので私の姿を写して人々に見せて下さい」と聞いた役人が書き写したアマビエの絵を更に写した物だって?

これは新聞の一部で、懐に入れてお守りのように持ち歩いて使うものだったらしい。

3 真偽不明の情報は「エンタメ」で「正しい情報」ではない

昔からマスコミや新聞などは半信半疑だったがそういう色がついて人々が言葉に、文に興味を持つ故に識字し学習してきたと言われたら否定はしないけど。
情報における概念では、上記の新聞は「役人がアマビエを写したと送られて来たものを更に写した」という時点でかなり信憑性に欠ける。理由は見た本人が直接書き写してばら撒いたものではないから。

ちょうどその頃、スペイン風邪が大流行。
今みたいに薬もワクチンもないから人々がたいへん苦しんだと本にも書いてあった。
新聞も売らなきゃいけないし、疫病も嫌だしというので当時の新聞、ヤッちゃってるね(笑)多分。
でも、そういうモノにでもすがらないと生きていけない時代だったということも理解できる。

4 ビジネスは勝手だが、情報は正確に伝えよう

でもアマビエが地震と津波を呼び込むシンボルだという根拠はなんだろう?
調べていたら個人ブログの有料マガジンにぶち当たった。
ああ、なるほど。

これもエンタメご商売でしたか

なぁんだ♫


「熊本の海にいたアマビエを私が写したものだ」と言われてすんなり信じ、それを更に手書きで写したものを木版で刷って新聞を売った当時の新聞屋と、人を恐怖に陥れてお金を稼ぐ現代の人間と。
人間って便利になっても本質ってあまり変わりがないものですね(笑)

というわけでアマビエさんは可愛くて癒やしの「気持ちの持ちよう」「疫病のお守り」
ってことにして。
地震が来るとか津波を呼ぶとか尾ひれはひれはいらないと思います。
有料マガジン作ってる人以外得しないエンタメだと思います。
Twitterで流さないほうが、賢明ですよね。
最近は思い込みや嘘を書き込んで警察沙汰や訴訟になる方も増えてきました。

事実が確実にわかる文章や、写真音声、物的証拠がないものを伝える文章は果たして「情報」「ソース」といえるのでしょうか。

インターネットが主役になりつつある世の中で人間も少し賢くなったほうが良さそうです。






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