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マーケティング グロースハック入門 Part1

今回からは、デジタルマーケティング初心者の方、または、部下の育成に悩むマネージャーの方向けに、グロースハックの基本的な「メソッド」について書いていきたいと思います。例によって中澤自身の経験に基づくオリジナル手法のため、一個人の意見としてお読みください。


はじめに・・

まずはじめに、この記事がどういった事を書いていくのか、その前提条件も含めまとめさせて頂きます。

どんな人に読んで欲しいの?
・Repro等のWeb接客ツールを用いて、WebサイトやアプリのCVR改善を担当する事になったCRO初心者。
・デジマ担当の育成に悩むマネージャーの方

何について書かれているの?
Repro等のWeb接客ツールを用いて、ECサイトやアプリ全体の「CVR」をいかに改善していくのか、基本的な方法論や心得が記載されています。

Web接客ツールが導入されてないと意味ないの?
いいえ、CVRを向上させる為の基本的な方法論が記載されていますので、Web接客ツールが導入されていなくても、参考になる点は多々あると思います。

どんな業種でも使えるの?
容は汎用性を持たせる為に、一般的な消費財等のECサイトをイメージし作成していますが、基本、多くの業種で共通して利用できる内容で書いてます。

そもそもなんで「メソッド」が必要なの?

まず、メソッド【method】とはなんでしょう?その意味を簡単に纏めると「目的を達成するための、決められたやり方・方法」という事になります。もう少し噛み砕くと、「誰がやっても、だいたい成果が上がる型」と考えてください。

何かの技術を習得する場合、ひと昔前であれば、「俺の技術を見て盗め!」的な教え方もあったかと思いますが、その場合、技術の習得までに膨大な時間がかかり、また、取得に一定の「センス」が要求される為、取得できる人間は限られてきます。

またどれほどセンスがあったとしても、基礎を身につけずして、いきなりオリジナリティを発揮しようとしても、成果を挙げられるかどうかは博打に近く、継続的に成果をあげるのは難しい事でしょう。

よって、先人達の「経験」を、誰もが簡単に身に着ける事ができ、100点では無く、最低でも60点くらいは取れるようになる「方法論(メソッド)」が必要となります。

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そして優れたメソッドは以下の要件を満たしているモノと考えられます

・汎用性が高い事
・再現性が高い事
・導入障壁が低い事

デジタルマーケティング グロースハック10箇条

今回はグロースハックの対象として、ECサイトやアプリ等における「CVR」をいかに上げていくか、という事をゴールとして考えてます。

私が考えるその「10箇条」は以下の通りです。

1: まずはバケツの穴を塞ぐ
2: バケツの穴は後ろから塞ぐ
3: 改善対象は二兎を追わず一度に1つずつ
4: CV貢献アイテムを見つける
5: リテンション貢献アイテムを見つける
6: アイテムへの誘導方法を工夫する
7: ABテストは顧客の理解の為に使う
8: とにかくテストの数を重ねる
9: シナリオ全体の整合性を整える
10:シナリオの命名法則を整え整理整頓する

一記事では全てを一気に説明できいため、何回かに分けて、それぞれを説明していきたいと思います。

事前準備 (地図を手に入れる)

グロースハックに入る前に、事前準備として、まず「地図」を手に入れましょう。Webサイトであれば、その「画面遷移図」、アプリであれば「画面遷移図とイベント」を整理します。

画面遷移図は当然ながら、個別URL単位では無く、ある同一の意味や役割を持つ「画面群(カテゴリ)」を1つの固まりとして整理してください。そしてそれぞれの「画面群」の基本的な繋がりを線で結んでおきます。

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画面間の繋がりは、それこそ無数にあると思いますが、基本的な導線だけ整理すれば十分です。

一番おすすめの方法としては、「ポストイット」を使って、とりあえず考えられる「画面群」を書き込み、ホワイトボードに貼って、線を引いてみる事です。あーでも無い、こーでも無い、という繰り返しが必要なプロセスなので、ポストイットの位置を変えたり、線を引き直し、自分なりの地図を作りましょう。(このプロセスが一番大変だったりします)

1: まずはバケツの穴を塞ぐ

地図を手に入れたら、まずは最初に考えるべきは、「そもそもどこから手をつけるか」です。全体のCVRを向上させるために、最初に着手するポイントを決めます。

ECサイト等のグロースハックを行う際に、つい最初に着手したくなるのが、「サイト自体の提案力」の向上です。サイトに来訪する見込み顧客の購入意欲を向上させる施策に、意識がいく人が多いようです。

より魅力的な商品説明、レコメンドエンジンの導入、クーポンやキャンペーンの施策、そういった施策に着手するより前に、行った方が良いんじゃないかな?と思うのが「機会損失」の削減です。

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ECサイト等の運営を長く行っていると気づくのですが、意外なほどユーザーは、簡単な事や、わずかな「障壁」で、その購入や利用を諦めます。

「購入しようと思ったけど、、いつ届くのかよくわからんなー」とか、「クレジットカード情報入力しようと思ったけど、セキュリティコードって何?」など、「いやいや、ちゃんと書いてあるよね、よく読んでよ!」と思うような事が、結構な障壁になってるものです。

せっかく苦労してバスケットまで誘導しても、ラストワンマイルで離脱されてしまう事ほど、もったい無い事はありません。

せっかくグロースハックしてきたのに、最後の方で離脱されちゃう・・努力が無駄に・・。とならないように、まずはバケツの穴を塞ぎましょう。

提案力上げるよりも機会損失下げる方が費用対効果が大きいです(そして楽です)

2: バケツの穴は後ろから塞ぐ

機会損失引き下げのアプローチは、いわゆる「ファネル」の「後ろ」から優先的に行っていきます。

ここでいう「ファネル」とは、Webサイトやアプリに来訪したユーザーが、購買に至るまでの基本的なルート「主動線」の事だと思ってください。一般的なECサイトだと、「TOP画面→商品カテゴリ一覧→商品一覧→商品詳細→バスケット→会員登録→決済→完了」みたいな流れです。

この一連のプロセスの中で、どこに「バケツの穴」が空いているのかをまずは把握する必要があります。

そのためには、Webサイトであれば「Googleアナリティクス」のようなログ解析ツール、アプリであれば「Repro」のようなイベント計測ができるツールが必要になります。

以下の図では、アプリの場合にReproを用いた計測方法を記載しています。

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計測できる環境が整ったら、「準備」で作成した「地図」を用いて、実際の数値を当てはめて、視覚的にわかりやすい状態を作ります。

そして、基本的には、ファネルの後ろから改善ターゲットを設定していくのですが、その際に合わせて数値状況を見て、改善によるインパクトも勘案してターゲットを決めましょう。

例えば、既に「90%」の通過率がある導線を改善しようとしても、労力に対し得られる改善度合いは、極めて少ないので(既にMAX状態の可能性もあります)、改善の期待値が高いポイントを優先するのが大事です。

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第3の掟以降は、また次回以降のnoteにて

ここまで、準備から第二の掟までを書いてきましたが、だいぶ長くなってきたので、3の掟以降はまた次回のnoteで書きますね。ではではー。

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