私流 小説の書き方 ④
★前回までの内容はこちら⤵
今回で企画はラスト。最後は『私にとっての執筆』というタイトルで送ります。
前回で述べた通り、私にとって物語を創造することは、謂わば現実逃避です。
まだ若かりし頃、人間社会に適合しない私はこの先どうなるのだろう。そんな不安を抱えた日々の中で私の元にやって来たのが、物語の数々。人間社会は暗いことばかりではない、明るいこともあるよ。本当はそう思っていないのに、そう思い込もうとするための手段。
私がKindleで出版した二作品もまた、この頃に生まれた物語たちです。
私の作品は、流行りでもなければ、タイトルも長くありません。
私にとって、自分の小説は絵みたいな感覚です。
画家は真っ白いキャンバスに自分ならではの物語を描き、私もそれに倣って真っ白な頭の中に物語を創造する。そして誰にも邪魔をされないように自分の世界観だけを文章に注ぎ込み、仕上げ、お披露目する。その流れに一切他者の感性を混ぜない。混ぜた瞬間、私の世界観は私のモノではなくなる。
私もね、以前は商業出版を夢見ていましたよ。でも、私の作品は選ばれないという現実の前に、そもそも私は他者の介入を許していなかった。
なのでKindle出版の存在を知った時は大喜びでしたよ。自分の感性だけで本を創ることができる。もちろん読者も売上も評価もほぼ無いに等しい。それでも私は世界の保守を選択する。
何度も言うように、大切な世界だから。
そうそう、最後にもう一つ。
きっと私にとっては大事であろう感性。それは、私は人間界の一部であると同時に、自然界の一部でもあるという想い。
自分も所詮自然の一部だと思えば、空仰ぐカラスを気高く感じたり、桜の花びら一枚の行方を追いかけたり、雨降る隙間から覗く青空を美しいと想う。
そういう感性も、ひょっとしたら知らない間に自分の小説に溶け込んでいるのかもしれない。
そう信じることにします。
さて、これらが私なりの小説の書き方です。今までもそうでしたし、これからもそうだと思います。
人生は一度きり。私は私のしたいように執筆していく所存です。
【文章】=【異次元の世界】。どうかあなた様にピッタリの世界が見つかりますように……。