【恋愛小説】緋色に堕ちた婚約者 〜prologue〜
〔あらすじ〕
[約430字]
〔本編〕
〜prologue〜
初恋とは、恐ろしいくらいに鮮やかで、眩く、そして濁りを知らないものだ。
私――レティシア・プライムの初恋は、四歳の時。相手は二歳上の男の子。陽光に照らされて輝く、薄茶色のふわりとした髪。常に柔らかく三日月型に象った、碧色の目。侯爵子息らしく洗練された、立ち居振る舞いと笑顔。
顔合わせという名の初対面の場。彼は幼子である私に対して片膝をつき、一人前のレディーとして丁寧に扱ってくれた。我が子爵邸の中庭にある噴水前、二人の周囲をきらきらと舞う水飛沫。それはまるで、私達の未来を光の粒が祝福してくれているかのような、素敵な幻想に包まれた出逢いだった。
「はじめまして、レティシア嬢。僕の名前はエルウィン・ブラームス。――君の婚約者だよ」
今でも忘れられない、ほのかに赤みを帯びた、幼さの残る彼の笑顔。あの時の私達は確かに、濁りのないまっさらな想いをお互いに抱き合っていた。それはきっと現実になるのだと信じていた。
そう、それはもう、幼き頃に置いてきた過去の思い出――。
〔続きはコチラから〕
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【文章】=【異次元の世界】。どうかあなた様にピッタリの世界が見つかりますように……。