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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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#ジョージ・ハリスン

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650: George Harrison / My Sweet Lord

ビートルズが1970年に解散した後、ジョージ・ハリスンは同年11月に3枚組の大作アルバム『オール・シングス・マスト・パス』(UK1位、US1位)をリリースします。 シングルカットされたこの曲もUK・USともに1位となるなど、ビートルズ後期に花開いたソングライティング能力を存分に発揮し、まさに絶好調でした。 しかし... ヒットから間もなく、この曲が前回取りあげたシフォンズの「いかした彼」に酷似しているという盗作疑惑が起こります。 そして1976年には、ついに訴訟にまで発展し、最終的に、ジョージは多額の賠償金を払うこととなります。 まあ、盗作はいけないですし、この曲、何も言い返せないくらい似ているとは思いますが、訴訟になる前年の1975年に、シフォンズが「マイ・スウィート・ロード」をカヴァーするなど、話題作りのような行動も見受けられるところが鼻につきます。 ちなみに、このMV、アルバムリリース50周年を記念して作られたもので、豪華メンバーが出演している、ちょっとした映像作品になっています。

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643: The Beatles / The Inner Light

小沢健二「ある光」では、「心の中にある光~♪」と歌われています。 ということで、「内なる光」を歌った、この曲へ。 ビートルズが1968年3月にリリースしたシングル「レディ・マドンナ」(UK1位/US4位)。そのB面に収録されていたのが、ジョージ・ハリスン作のこの曲(US96位)でした。 ジョージの曲が本国でのシングルに収録されたのは、この曲が初めてでした。 イントロですぐに分かるように、インド音楽を取り込んだ楽曲なのですが、ヴォーカルのメロディとかは、あまりインド音楽っぽくないようにも思います。 楽器の演奏はすべてインドのミュージシャンで、ビートルズのメンバーは演奏には参加していません。 リード・ヴォーカルはジョージで、ジョンとポールがバッキング・ヴォーカルで参加しています。

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557: George Harrison / Here Comes The Moon

ジョージが書いたもう1曲の「ヒア・カムズ・ザ・~」ですが、太陽と月とでは、知名度にだいぶ差があります。 1979年にリリースされたアルバム『慈愛の輝き』(UK39位/US14位)に収録されたこの曲、タイトル同様、どことなく「ヒア・カムズ・ザ・サン」に似たのどかな雰囲気の曲です。 「サン」はアコースティック・ギターがサウンドの中心でしたが、「ムーン」ではエレクトリック・ピアノがその役を担っています。 ちなみに、スティーヴ・ウィンウッドがハーモニウムとコーラスで参加しています。豪華なゲストを呼べるあたりが、さすがはジョージです。 シングルカットされたわけでもありませんし、特段人気があるというわけではありませんが、ビートルズ・ファン、ジョージ・ファンにとっては、非常に愛着のある1曲です。

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556: The Beatles / Here Comes The Sun

タイトルが「ヒア・カムズ・~」で、最も有名な曲は、この曲でしょう。 ビートルズが、4人そろって最後にレコーディングしたアルバム、『アビイ・ロード』(1969年、UK1位/US1位)。 すでにバンドの結束はバラバラで、解散は時間の問題でしたが、そんな状況にあって、この歴史的傑作を創り上げたというのは、本当に驚きです。 そして、このアルバムで特筆すべきは、「サムシング」とこの曲の2曲を書いた、ジョージ・ハリスンのソングライティングでしょう。 もちろん、ジョンもポールも良い曲を書いていますし、B面のメドレーがアルバムの目玉であることは間違いありませんが、ジョージの2曲が無ければ「名盤度」は間違いなく落ちていたと思います。 この曲は、アコースティック・ギター弾き語り風で、のどかな曲調ですが、3声コーラスがかっちり入るところが、いかにもビートルズの作品です。 そして、間奏は変拍子で、モーグ・シンセサイザーを導入するなど、実は結構斬新な試みも行われています。 この曲、UKでもUSでもシングルカットされていませんが、日本では「オー!ダーリン」のB面として、シングルリリースされています。

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516: Cream / Badge

1966年に結成され、スーパーグループとしての名声をほしいままにしたクリームですが、1968年の11月に、あっけなく解散を迎えます。 結成前から仲が悪かったジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーの関係悪化が大きな要因ですが、各々が卓越したプレイヤーとして評価されることで、互いのエゴがぶつかり合ったことも一因のようです。 翌1969年2月にリリースされた4th『グッバイ・クリーム』(UK1位/US2位)が、ラストアルバムとなりました。 チャート最高位は上位のアルバムですが、ライブ3曲、スタジオ3曲という構成が示すように、内容的には「寄せ集め」感は否めず、決して高い評価を受けているとは言い難い作品です。 この曲は、アルバムからシングルカットされた唯一のナンバー(UK18位/US60位)。 クリームの曲は、ジャック・ブルースがメインヴォーカルをとることが多いですが、この曲はエリック・クラプトンが歌っています。 作曲はクラプトンとジョージ・ハリスン。当時は、ビートルズも解散に向かっていたので、お互い心が通じるものがあったのかも知れません。

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491: George Harrison / Love Comes To Everywhere

ジョージ・ハリスンのソロ作品は、昨日が初めてだったことに気づき、かなり驚きました。他の3人は、何曲も取りあげているのに... ということで、今日もジョージの曲です。 1979年にリリースされたアルバム『慈愛の輝き』は、チャートアクションこそUK39位/US14位と地味ながら、楽曲のクオリティの高さから、彼の作品中でも上位の評価を受けています。 この曲はアルバムのオープニングトラックで、イントロのギターはエリック・クラプトン、間奏のミニ・モーグはスティーヴ・ウィンウッドという、豪華なゲストが参加しているという点もポイントです。 2ndシングルとしてカットされたものの、UK/USともチャートインしていないというのが意外ですが、当時はパンク/ニューウェーヴの嵐が吹き荒れていた時期なので、「60年代の大物ミュージシャン」に対しては逆風もあったのではないかと思います。

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490: George Harrison / When We Was Fab

若者が将来について歌う曲もあれば、歳をとってから若き日のことを振り返る歌もあります。 ジョージ・ハリスンが1987年にリリースしたアルバム『クラウド・ナイン』に収録されたこの曲は、「The Fab Four」と呼ばれていたビートルズ時代がテーマ。 サウンドも、サイケ時代のビートルズに寄せています。アルバムで言うと、『マジカル・ミステリー・ツアー』が一番近いでしょうか。 アルバムからの2ndシングルとしてカットされ、UK25位/US23位を記録しています。 ゴドレイ&クレームが監督したMVには、この曲でドラムを叩いているリンゴ・スターと、作曲・プロデュースをジョージと共同で行ったジェフ・リンが登場しています。ちなみに、エルトン・ジョンもちょっとだけ出ています。 ジョージは1943年生まれなので、この曲をリリースした時は44歳。過去を振り返るにはちょっと若いような気もしますが、過去があまりにも偉大過ぎたので、仕方ないことだったのかも知れません。

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319: The Beatles / I'm Happy Just To Dance With You

ジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを取ったレノン=マッカートニーのナンバーは、「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」以外に、もう1曲あります。 それが、1964年のアルバム『ハード・デイズ・ナイト』に収録されたこの曲。同名映画の中でも、ジョージが歌っていました。 この曲を聴くたびに思うのは、頑張って歌っているジョージには悪いと思いつつ、サビのコーラス「オォーッ、オォーッオ、オォーッオ、オォーゥ!」があまりにも決まり過ぎていて、ヴォーカルそっちのけで、コーラスばかり聴いてしまいます。 初期ビートルズの大傑作『ハード・デイズ・ナイト』は、全アルバム中で唯一、全曲がレノン=マッカートニーの作品で、かつリンゴのリード・ヴォーカル曲が無い作品でもあります。 ライヴ・ツアーと映画撮影で多忙な中、これだけの名作を作り上げたのは見事としか言いようがありません。 ちなみに、原題の『A Hard Day’s Night』に『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』という邦題を付けたのは、「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ~!」のフレーズで有名な映画評論家、水野晴郎だと言われています。 色々な邦題がありますが、ここまで原題とかけ離れているのも珍しいといえるでしょう。

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281: The Beatles / Old Brown Shoe

「フォー・ユー・ブルー」のように、曲名に色が入るジョージの曲は、他に「ブルー・ジェイ・ウェイ」もありますが、個人的に推したいのはこの曲。 元々は1969年1月のゲット・バック・セッションでもリハーサルされていて、同年4月にレコーディングされると、「ジョンとヨーコのバラード」のB面としてリリースされました。 ちょっとスカっぽい軽快なリズムのヴァースと、唸るようなベースが印象的なブリッジの対比が見事で、B面にしておくのがもったいないナンバーです。まあ、それを言い出すと、ビートルズのB面はほとんどがそうなのですが... この曲、ビートルズ・ナンバーの中では演奏の難易度が高い部類に入ると思われ、この曲を演奏しているコピー・バンド、ほとんど観たことがありません。 演奏だけならともかく、同時にヴォーカル&コーラスというのが、なかなか大変です。だったら、分業制にすればいいのでは、と言う考え方もありますが、それは、ビートルズ・コピバンの美学に反しているように思います。 それだけに、いつか演ってみたい曲ではあります。

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280: The Beatles / For You Blue

パティ・ボイドのために曲を書いたのは、もちろんエリック・クラプトンだけではありません。 ビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』に収録されたこの曲は、ジョージ・ハリスンが妻に送ったラヴソング。 印象的なラップ・スティール・ギターを弾いているのはジョン・レノンですが、私、ずっとジョージが弾いていると勘違いしていました。 カントリーっぽいブルースナンバーですが、これは、ボブ・ディランやザ・バンドとジャム・セッションを行った影響と言われています。 かたや、当時のビートルズと言えば、人間関係が悪化し、レコーディングでは口論が絶えないような状況で、ジョージもかなりストレスがたまっていたと思われます。 ビートルズの中ではニヒルなイメージのあるジョージですが、そんな彼がこんな「激甘」なラヴソングを書いたのは、そういう状況であったがゆえに、妻に救いを求めたという背景があったのかも知れません。

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279: Eric Clapton / Wonderful Tonight

エリック・クラプトンが、パティ・ボイドのために書いた、もう1つの名曲がこの曲。 1977年リリースのアルバム『スローハンド』に収録され、シングルカットもされています(UK81位/US16位)。クラプトンのライブではほぼ毎回演奏される、重要なレパートリーとなっています。 この曲、パティがパーティーに行くための準備をしている時に書いた曲とされています。 ちなみに、そのパーティーとは、ポール&リンダ・マッカートニー夫妻が主催するバディ・ホリー・パーティーだったそうですが、2人を前にしたポールはどんな思いだったのか、気になるところです。 それにしても、パティがジョージの奥さんだった頃に「いとしのレイラ」で略奪愛を宣言(⁉)し、ジョージと離婚した後とはいえ、このバラードで当てつけのようにラブラブぶりを見せつけているにも関わらず、ジョージ・ハリスンとクラプトンはずっと変わらず仲の良い親友と言うのが、いかにもミュージシャンらしいと思います。

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268: John Lennon / Gimme Some Truth

「Gimme」つながりで、ジョン・レノンのこの曲を。 アルバム『イマジン』収録のこの曲、ビートルズ時代にはすでに書かれていて、レコーディングも行ったものの、未完成に終わっています。 ソロになってからレコーディングしたこのヴァージョンでは、かつてのバンド・メイトであったジョージ・ハリスンが弾くスライド・ギター・ソロが印象的です。 歌詞の方はと言うと、いわゆる「プロテスト・ソング」で、政治を始めとする様々なものへの不平不満を吐き出したような内容となっています。このあたりにも、ヴェトナム戦争が生んだ暗い影が影響を及ぼしていたのかも知れません。 この曲、シングルカットはされていないのですが、多くのミュージシャンにカヴァーされています。最近だと、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングのカヴァーが話題となりました。 ところで... 冒頭に「Gimme」つながりと書いたものの、この曲、元々は「Give Me Some Truth」と表記されていたので、厳密には微妙につながっていないのですが、まあそこは大目に見てください。

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204: Ringo Starr / Photograph

ビートルズ解散後、初めて4人全員が関わった作品が、1973年リリースのアルバム『リンゴ』(UK7位/US2位)。 さすがに4人の共演はありませんが、ジョンは「I'm the Greatest」を提供し、この曲にピアノで参加しており、一方のポールは「Six O'Clock」を提供し、こちらもピアノとシンセサイザーで参加しています。 険悪な関係になってバンドが解散しても、リンゴとだったら一緒に演奏したい、と思わせる人間的魅力があったということでしょう。 そして、そんな名ソングライター2人が曲を提供しているにも関わらず、本作からの1stシングルとなったのは、ジョージとリンゴが共作したこの曲でした。ジョージはアコースティック・ギターでも参加しています。 1973年の11月に見事にUS1位(UK8位)となり、これによりビートルズのメンバーは4人ともソロでUS1位を獲得するという快挙を達成します。 ちなみに、次のシングルとなった「ユア・シックスティーン」(ジョニー・バーネットのカヴァー)もUS1位(UK4位)に輝いています。

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165: The Beatles / Taxman

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」が収録された『リボルバー』は、ビートルズの最高傑作として名前が挙がることも多い作品で、サイケデリック・サウンド以外にも、様々な面で変化がみられます。 この曲は、ジョージ・ハリスンが書いたオープニング・トラックですが、咳き込む音が入った不思議なイントロもさることながら、注目はその歌詞です。 「あなたの取り分は1で、私の取り分は19です。だって私は税金取りですから」という強烈な政治的メッセージ(ほとんど文句ですが)。 ビートルズが政治的なテーマを取り扱ったのは、この曲が初めてですが、コンプライアンスにうるさい最近のテレビやラジオでは、放送禁止になりそうな内容です。 当時のイギリスでは、富裕層は税率が本当に95%だったということですが、それを国民的スーパースターが歌い、しかもアルバムの1曲目に収録するとか、何ともパンキッシュなバンドです。 これで曲がつまらなければ誰も相手にしないところですが、「これぞビート・ロック!」と言わんばかりのタイトなサウンドを聴かせてくれるところが、さすがはビートルズです。