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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2022年5月の記事一覧

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513: Public Image Ltd / Flowers Of Romance

1980年、パブリック・イメージ・リミテッドから、ベーシストのジャー・ウォブルが脱退します。 普通だったら代わりのベーシストを探すところですが、ジョン・ライドンの出した答えは「いないんだったら、ベース無しで良い」。 バンドをやった方なら分かると思いますが、ベースがいないと、音がスッカスカで、ロック・バンドとしては全く成立しません。 しかし、その構成で録音されたアルバム『フラワーズ・オブ・ロマンス』(UK11位)は、実験的なポスト・ロック作品の名盤となりました。 この曲はタイトル曲(UK24位)ですが、聴こえてくるサウンドは、民族音楽風というか呪術的というか、いわゆる「ロック」からは遠く離れたものでした。 初めて聴いた時、あまりにも訳が分からず、ちょっとフリーズしてしまったことを思い出します。 そして、そんな得体の知れないアルバムにふさわしい、視覚的インパクトの強いジャケット(モデルはジャネット・リー)もまた、この作品の価値を高めていると思います。

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512: Public Image Ltd / Rise

「同じタイトル」つながりでも、ここまで違うか...という選曲です。 セックス・ピストルズを脱退したジョニー・ロットンが、本名のジョン・ライドンに戻し、1978年に結成したバンド、パブリック・イメージ・リミテッド。 分類としては、ポスト・パンクとか、ニューウェイヴになるのですが、アルバムごとにバラバラで、そういう意味では「オルタナティヴ」という表現が一番ピッタリくるのかも知れません。 1986年にリリースされた『アルバム』(UK14位/US115位)(ちなみに、カセットテープ版のタイトルは『カセット』、CD版は『コンパクト・ディスク』)からの、1stシングルとなったのがこの曲(UK11位)。 スティーヴ・ヴァイ(G)、坂本龍一(フェアライトCMI)、ビル・ラズウェル(プロデュース、B)、トニー・ウィリアムズ(Dr)といった、実に豪華なミュージシャンが参加しています。 私、当時高校生だったのですが、深夜放送のMTV番組でこのMVが良く流れていて、「なんかアブナイおっさんだなぁ~」と思ったことを覚えています。 そのころは、まだピストルズのことも、単なる有名なパンクバンドくらいの認識でした。

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511: Herb Alpert / Rise

インストゥルメンタル作品がシングルチャートのNo.1になることは、最近ではほとんどありませんが、70年代まではそんなに珍しいことではなかったようです。 きちんと調べていませんが、USチャートでは、70年代だけでも約10曲がNo.1になっているようです。 そして、70年代最後のNo.1となったのが、ハーブ・アルパートのこの曲(US1位/UK13位)。 ジャズ・フュージョンっぽい、爽やかなサウンドに乗せて、彼のトランペットが心地良く響く、軽快なナンバーです。 ちなみに、彼は1968年にヴォーカル・ナンバーの「ディス・ガイ」でもUS1位を獲得しており、ヴォーカルとインストゥルメンタルの両方でUSナンバー1を獲得した唯一のミュージシャンとなっています。 まあ、我々世代にとっては、オールナイトニッポンのテーマ曲(「ビタースウィート・サンバ」(1965年))の印象が強いことは間違いないでしょう。

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510: Vangelis / Chariots Of Fire

80年代にUS1位を獲得したインストゥルメンタル曲は2曲あります。 1曲は昨日取り上げた「マイアミ・ヴァイスのテーマ」、もう1曲は、映画『炎のランナー』のオープニング・ナンバーだったこの曲です。 今でもよく耳にしますが、バラエティ番組で、お笑い芸人が走るシーンのBGMに使われていたりすると、「いや、その使い方はちょっと...」と思ったりもします。 この曲、当初、映画のサウンドトラック内では「タイトルズ」という曲名でしたが、シングルリリースする際に、映画のタイトルがそのまま曲名にしています。 このサウンドトラックが、アカデミー賞の作曲賞を受賞したことで注目を集め、アルバムがUS1位(4週)/UK5位、シングルがUS1位(1週)/UK12位と、インストゥルメンタル作品としては異例の大ヒットを記録しています。 この作品をリリースしたヴァンゲリスはギリシャ人で、今に至るまで、USナンバー1を獲得した唯一のギリシャ人です。 この曲の成功から、映画音楽のイメージが強いですが、一時イエスに加入する噂が出たこともあり、実はロック、ポップス、ジャズと、ジャンルを超えて活躍したミュージシャンでした。 残念ながら、今月17日に、79歳で亡くなっています。

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509: Jan Hammer / Miami Vice Theme

『ワイアード』は、ギタリストのソロアルバムにもかかわらず、「歴史的名盤:キーボード編」に挙げられることも多いように思います。 その理由は、ヤン・ハマーの弾くシンセサイザー・サウンドにあると言えるでしょう。 ディストーションやフェイザーのような強めのエフェクトの掛かった音色で、ピッチベンドを多用したソロを弾きあげるスタイルは、ギタリストと十分に渡り合えるパワフルなものでした。 チェコスロヴァキアのプラハに生まれた彼は、初期はジャズ・ミュージシャンでしたが、フュージョン、ロックと、活動の幅を広げていきます。 そして1984年、TVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』の音楽を担当すると、サウンドトラック盤が大ヒット(US1位(11週)/UK11位)。 そして、主題歌のこの曲もシングルカットされると、インストゥルメンタルにもかかわらず、USチャート1位の座に昇りつめる大ヒットとなりました(UK5位)。 ...と、ここまで書いて、ふと思ったのですが... この記事、曲をリアルタイムで聴いてた人(いわゆる「ベスト・ヒット・USA」世代!)には懐かしんでもらえるような気がします。 ただ、それより若い世代の方にとっては、「何の話してんの?」なのかも知れません。

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508: Jeff Beck / Led Boots

ジェフ・ベック・グループ解散後、3年越しの念願かなってBB&Aを結成したベックですが、グループは2年弱であっけなく解散。残した作品も、このスーパートリオにしては...といった評価にとどまっています。 その後、ベックはソロ活動に入り、1975年リリースの『ブロウ・バイ・ブロウ』がUS4位という、インストゥルメンタル作品としては異例の大ヒットを記録します。 ですが、個人的には、次作の『ワイアード』(UK38位/US16位)を推したいところ。 前作よりもハードでゴリゴリした、ジャズ・ファンク風のサウンドが魅力的です。 この曲は、アルバムのオープニングナンバー。ギターもハードに響いていますが、むしろそれ以上に、キーボードが存在感を主張しています。 ストイックなギター職人のイメージがあるベックですが、様々なジャンルの音楽を取り入れ、多様な楽器を導入する柔軟性があったことが、その後も長きにわたって活躍をつづけられた要因だと思います。

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507: The Jeff Beck Group / Definitely Maybe

オアシスの1stアルバム『オアシス』の原題は『Definitely Maybe』ですが、同じタイトルの曲が、20年以上前に存在していました。 1972年にリリースされた、ジェフ・ベック・グループの4thにしてラストとなったアルバム『ジェフ・ベック・グループ』。 そのラストに収録されていたインストゥルメンタル・ナンバーがこの曲でした。 「絶対に、多分」という、意味が良く分からないタイトルですが、肝心の曲の方は、ベックのスライドギターが冴えわたった、名演だと思います。 このアルバムをリリースした直後にバンドは解散したこともあり、このアルバムが話題となることは少なく、評価も決して高いとは言えません。 当のベック本人も、おそらくは、ベック・ボガート & アピスのことしか興味がなかったのかも知れません。 ただ、ブラック・ミュージックへのアプローチ等、聴きどころもそれなりに多く、埋もれてしまうにはもったいないアルバムだと、個人的には思います。

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506: Oasis / Up In The Sky

今日は、単なる「タイトルが似ている」つながりです(笑)。 1994年にリリースされたオアシスの1stアルバム『オアシス』(UK1位/US58位)は、音楽史に残るデビューアルバムとなりました。 シングルリリースされた「スーパーソニック」「シェイカーメイカー」「リヴ・フォーエヴァー」「シガレッツ・アンド・アルコール」や、オープニングを飾った「ロックンロール・スター」などの名曲揃いで、現在でも、この作品を彼らの最高傑作に挙げるファンやメディアは多いです。 この曲は、そんなアルバムにひっそりと収録されていた曲。 上述した曲に比べると、ちょっと地味ではありますが、聴けばすぐにオアシスだと分かる、そんな1曲です。 しかし、今聴くと、演奏がのっぺりしていることも良く分かります。このあとギャラガー兄弟以外がメンバーチェンジとなったのも、納得のいくところではあります。

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505: The Jimi Hendrix Experience / Up From The Skies

「リトル・ウイング」のオリジナルは、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが1967年にリリースした2ndアルバム『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』(UK5位/US3位)に収録されていました。 このアルバム、正直に言うと、20代の頃はあまり聴いていませんでした。 圧倒的なパワーで迫ってくる1stと、2枚組のボリュームに飲み込まれる3rdの間に挟まれた、地味で変な(←ダジャレではありません)作品という印象でした。 30歳を過ぎ、日常的にジャズを聴くようになって、ようやくこのアルバムの良さが分かったような、そんな記憶があります。 この曲は、まさにその、当時あまり理解できなかった曲。 ベースとなっているサウンドは明らかにジャズで、ドラムのミッチ・ミッチェルは、ブラシで叩いています。70年代に流行した、いわゆる「ジャズ・ファンク」のはしりと言えるかもしれません。 超絶ギタリストとして語られることが多いジミ・ヘンドリックスですが、それだけではなく、作・編曲からレコーディングに至るまで、すべての面において創造的な音楽家だったと、このアルバムを聴くと良く分かります。

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504: Stevie Ray Vaughan / Little Wing

(※事情により、投稿が遅れました。5/22の分です) 1990年8月27日未明、スティーヴィー・レイ・ヴォーンら5人を乗せたヘリコプターが、濃霧による視界不良のため墜落し、全員が死亡するという事故が発生しました。 ブルース・ロックの将来を期待された偉大なギタリストのキャリアは、だれも望まない形で終焉を迎えることとなりました。 この曲は、1984年に録音されたものの未発表だった演奏で、彼の死後、1991年にリリースされた『ザ・スカイ・イズ・クライング』(US10位)に収録されました。 ジミ・ヘンドリックスの名曲を、インストゥルメンタルで弾きあげています。 彼が生きていたら、どんな演奏を残していたのだろうかと、思わずにはいられません。

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503: Stevie Ray Vaughan / Crossfire

デヴィッド・ボウイ『レッツ・ダンス』の大ヒットの、もう1人の立役者が、スティーヴィー・レイ・ヴォーンでした。 当時はほぼ無名だったテキサス生まれのギタリストを、ライヴで見て気に入ったボウイは『レッツ・ダンス』に起用。そこで独創的なプレイを聴かせたことで、彼の知名度は上がっていきます。 もっとも、彼の本来のスタイルは、ブルースやジャズをルーツとするものだったので、『レッツ・ダンス』での演奏は、かなり異色ではあったのですが。 この曲は、1989年にリリースしたアルバム『イン・ステップ』(US33位)の収録曲。 サウンドはちょっと洗練されていて、いかにも80年代風ですが、ヴォーカルとギタープレイは、ブルージーな魅力にあふれています。 アルバムリリース時、彼は34歳。前途洋々な未来が待ち受けているはずでしたが、翌年、想像もできない悲劇に襲われることとなります。

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502: David Bowie / Modern Love

私が初めてリアルタイムで接したデヴィッド・ボウイのアルバムは、1983年の『レッツ・ダンス』(UK1位/US4位)でした。 なので、「ボウイって、世界中でスーパースターなんだ」と、当然のように思いました。 実際には、このアルバムが大ヒットする以前まで、UK以外では「メジャーではあるけれど、ちょっとマニアックでカルト的な存在」だったということに気づいたのは、ちょっと後になってからでした。 このアルバムが大ヒットした要因は色々とありますが、やっぱり「サウンドが明快」だったことが大きいように思います。 それまでの、愁いを帯びたヨーロピアンな雰囲気が失われたのは残念ですが、その分、ポップでダンサブルな分かりやすいサウンドになり、万人受けしたと言えるでしょう。 そして、その最大の功労者は、共同プロデューサーのナイル・ロジャースであったことは間違いないでしょう。 この曲は、タイトル曲、「チャイナ・ガール」に続く3rdシングル(UK2位/US14位)としてリリースされました。個人的には、このアルバムのベスト・トラックだと思っています。 それにしても、このMV当時、ボウイは36歳ですが、本当にカッコいい!

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501: David Bowie / Ashes To Ashes

「ベルリン三部作」に続き、ボウイは1980年にアルバム『スケアリー・モンスターズ』をリリース(UK1位/US12位)します。 このアルバムからの1stシングル(UK1位/US101位)となったのがこの曲ですが、当時の最高額となる25万ポンドの製作費をかけたMVが話題となりました。 今のようなコンピューターによる画像処理ができない時代に、ここまでの映像を作り上げたのは見事というしかありません。 同時に、今は、ちょっと腕のいいYouTuberだったら、もっと凝った映像を個人でも作れるわけで、テクノロジーの進歩の凄まじさを痛感します。 この曲、サビの部分では、「スペース・オディティ」のトム大佐はジャンキーだったという、衝撃的な歌詞が登場します。 もしかすると、1970年代後半、ドラッグでボロボロだった自分自身を重ね合わせていたのかも知れません。

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500: David Bowie / Sound And Vision

記念すべき500回目です。我ながら、よく続いてると思います! アルバム『BOØWY』は、西ベルリンのハンザ・スタジオで録音されています。 このスタジオでは、数多くの名盤が録音されていますが、デヴィッド・ボウイの『ロウ』(UK2位/US11位)は、代表格と言ってよいでしょう。 いわゆる「ベルリン三部作」の1作目で、後のミュージシャン達にも大きな影響を与えた、まさに名盤です。 この曲は、アルバムからの1stシングル(UK3位/US69位)ですが、3分ちょっとの曲にもかかわらず、前半の1分30秒はイントロという、珍しい構成になっています。 そのイントロでは、いかにも「ヨーロピアン」な雰囲気の流麗なシンセ・サウンドが魅力的です。また、メリー・ホプキン(当時はヴィスコンティ)とブライアン・イーノがコーラスで参加しています。 この時期のボウイの作品は、UKと比較して、とにかくUSでのセールスが低調でした。あまりにもヨーロッパ的過ぎたということなのかも知れません。